見出し画像

アジャイル・オーガニゼーション実現に向けた柔軟な「組織としてのスキル獲得」

はじめまして。株式会社コーナーの小林(@cojikobayashi)です。note初投稿です。今回の投稿では当社の事業・サービスや組織づくりで大切にしている「アジャイル・オーガニゼーション」という経営手法・組織のあり方と、「組織としてのスキル獲得」についてお話できればと思います。


アジャイル・オーガニゼーションとは?

「アジャイル・オーガニゼーション」とはBCGが読む経営の論点2020でも紹介をされていますが、プロダクトやソフトウェア開発におけるプロジェクト開発手法のひとつであるアジャイル開発を拡大解釈して、経営手法として広範囲な領域に取り入れるものです。

マーケットや顧客の反応や変化に応じて事業全体の打ち手を柔軟に変更できる組織とも言えます。以下にもあるVUCAの時代で、事業・プロダクト単位で素早く意思決定し、行動できるような状態を実現するためには日本企業も検討が必要な概念だと考えています。

構成要素と「組織としてのスキル獲得」

スクリーンショット 2020-02-22 1.10.38

私も前職でダイレクトリクルーティングのプロダクト組織を立ち上げ時、現在の株式会社コーナーを経営する中で学んできたことですが、アジャイル・オーガニゼーションを実現するには、目指す姿や組織原則の定義とともに上記の7つの要素をクリアにしておくことが大事でないかと考えています。

①は事業・プロダクトのVision/Missionや、ゴール達成のために取り組むこと・取り組まないことを決めることで多くの意思決定のスピードを早めてくれるものだと思っています。また、プロダクトオーナー1人で決めるにも限界があるため③④⑤を決め、組織が機能する状態をつくることでパフォーマンス・生産性が高まると思っています。

前職のパーソルキャリアも5,000名規模の会社ではありましたが、経営ボードが柔軟に判断や権限委譲をしてくれる会社であったので、私のような事業責任者・プロダクトオーナーも、①③④⑤は比較的構築しやすかったです。しかしながら、②組織・人材の保有スキル、⑥マネジメント、⑦報酬・評価制度に関しては立ち上げ時にとても苦労した経験があります。

特に②組織・人材の保有スキルに関しては社内で最適な人材を配置するにも中途採用で外部から人材にジョインしてもらうにも時間がかかり、それによりプロダクトとして取り組みたいことが後ろ倒しになったことが多くあったと感じています。(採用担当者はコミットしてくれるものの、万能過ぎる人材を求めてしまう・任せたい業務ミッションが曖昧だったなど、私の経験不足だったことも大きくは影響していましたが...)

このように今後、アジャイル・オーガニゼーションの概念を企業が取り組んでいくにあたっては、②を踏まえて戦略から人材要件を考える「適所適材」、組織の保有スキルの状況に合わせた「適時適量」の人員管理をはじめとした組織戦略が重要なフェーズに入ってきており、正社員・業務委託などの境目を無くした柔軟かつスピーディな組織構築や採用のあり方が求められてきていると思います。(⑥⑦も重要なのでまたの機会に書ければと思います)


柔軟な「組織としてのスキル獲得」が求められる背景

VUCA時代

言わずもがなですが、世界経済の急速なグローバル化、日本の働く環境においても新卒一括、終身雇用、メンバーシップ型の崩壊など変化は見えつつあります。また、IT・テクノロジーの進歩によるイノベーションにより既存ビジネスモデルのスクラップアンドビルドが起き、変化のスピードが益々早くなってきています。先が予測できないビジネス環境になってきているからこそ、従来とは異なる組織のあり方が求められてきています。

労働人口の減少

スクリーンショット 2020-02-12 15.39.19

厚生労働省によると日本の労働人口は2040年までに1,200万人も減少する可能性があります。すなわち、現在から労働人口が約20%減ることになります。厚生労働省の予測では、日本の生産年齢人口は2017年の6,530万人に対し、2025年の時点で6,082万人、さらに、2040年には5,245万人にまで減少するとみられています。

欠員数・欠員率と高止まりする有効求人倍率

欠員数・欠員率

常用労働者に対する未充足求人の割合を表す欠員率に関しても年々高まっており、帝国データバンクの調査にもあるように人手不足倒産も過去最高を記録するまでになっており、事業を進める上で人材が事業や組織に齎すスキルを計画通り獲得できていないことが顕著になってきています。

求人倍率

また、2020年1月20日に発表されたdodaの転職求人倍率レポートによると2019年12月の求人倍率は3.14倍(前月比+0.33pt/前年同月比+0.13pt)と2017年12月に記録した3.16倍に次ぐ高水準。当社でも日々クライアントと打合せをしている中でも、目標とする採用人数を納期通りにデリバリーできていないという声はよく伺います。2020年以降も求人数は増加見通しではあるため外部からの社員雇用は容易ではない状況が続きそうです。(2月28日に公表された有効求人倍率は求人数が減少して低下したため、変化は多少ありそうですが)


経営・事業と人事の高い連動性が益々求められる

このような背景からアジャイル・オーガニゼーション適材適所・適時適量の「スキル獲得」の必然性は高まってきていると考えられます。

そのため、経済産業省の「第2回 持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」でも事業戦略とタレント人材戦略やヒューマンキャピタルについて連動させていくことが議論されているように、今後の事業環境の変化に合わせてアジャイル・オーガニゼーションの概念を取り入れていくには、間違いなく「経営・事業戦略と人事戦略」の連動性の重要度が高まってくるはずです。

事業推進のための「採用」を適材適所・適時適量の「スキル獲得」と捉え、柔軟かつスピード感を持った人材獲得の実現、事業環境の変化や事業・プロダクトのステージに見合った人事制度やマネジメントのあり方の構築など、事業に入り込んだ人事側の意思決定が今後更に求められると思います。

過去に記事化させていただいたタレンティオ佐野さん、ICJ吉沢さんの「戦略人事になりたかったら、ラーメン屋を経営しろ」の本意にもありますが、今後益々、事業開発・運営経験を持った人事担当者が市場では求められるようになっていくと思います。

採用予算と業務委託を含めた人件費・販管費の管理をHRBPに任せて意思決定を速度を早める。HRBPまでは配置できないが人事部で事業連動性が高いルールや仕組みを構築し、運用できる人材を配置するなど人事側もアジャイル・オーガニゼーションを実現するための体制の見直しの必然性が高まってくると思います。

と問題提起ばかりになってしまいましたが、今後、当社自体がどのように運営しているか、当社の人事・採用のパラレルワーカーシェアリングサービスを活用して取り組まれているクライアントの事例など適宜発信していければと思います。


*******************************************************************************

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。少しでもご興味いただき、話を聞いてみたいなどありましたらお気軽にコーナーや私個人までお問合せいただけると嬉しいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?