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【税務入門】ややこしい減価償却資産と一括償却資産と少額資産について。

税務の知識を蓄える上で必ずここは避けて通れないのですが、減価償却資産と漢字が6文字続くと嫌な気がしますよね。

いわゆる10万以上するものを購入するときに通常の消耗品的な細かいものと取り扱い方が変わってきます。
ただその中で、色々と制度があって、納税者側に優遇されるような設計になっています。

まずはオーソドックスな原則的な、減価償却資産を見ていきましょう。

まず、資産というのはその時にだけ効果があるというよりは長い期間をかけて効果を発揮してきます。
例えば業務用冷蔵庫とか食器洗浄機とか、これって買った時だけでなくっておそらく1年後も3年後も活躍しておいて欲しいですよね。
壊れるまでの期間が長ければ長いほどいい。

この年数を大体で見積もったものが法定耐用年数といいます。

厨房機器だと8年とか、パソコンだと4年だとか、新車だと6年だとか。

で、その期間効果があるのであれば、買ったその時にパッと経費に落とすのではなくって、8年とかの期間にわたって経費に落としていこう!というのが減価償却資産という考え方です。

仮に40万の食器洗浄機を買ったとすると、年間5万ずつ経費で落としていくことになります。

つまり40万のうち、5万が経費になったと。
この経費が減価償却費と言われます。
そしてその価値が5万分使ったとなるので、残り35万円になります。
この35万円が帳簿価格と言います。

こういうルールに則っていかなければいけません。
で、このルールに乗せるものは、買った金額が10万以上かどうかなのです。

さて、そのうち特例で一括償却資産というものがあります。
これは20万未満まではこの特例が使えます。
どういうものかというと、どんなものでも問答無用で3年で経費にしちゃいましょう!というもの。
仮に食洗機が18万だとすると、原則は8年とかで経費にしていきますが、この特例を使うと9万ずつ3年で経費に落とせます。

つまり早めに経費に落とせるということですね。
さらにいうと、基本的に事業で使う資産には償却資産税というものがかかります。

車を持っていると自動車税が、家を持っていると固定資産税がかかりますが、そういう類のもので持っていると大体資産の額の1.4%がかかります。
ただ、この一括償却資産で処理をするとこの償却資産税がかからないというのが魅力ですね。

さて、最後に少額資産。
これは30万未満のものに適用できます。

「少額だから、一応、一応ね、資産なんだけど、本当は資産で減価償却していくんだけど、少額だから一括で経費に落とさせてあげる」という感じ。

ただ、これは償却資産税がかかります。

少額資産は、30万未満で、3年と待たずにその購入時に経費で落とせますが償却資産税がかかる。

一括償却資産は20万未満で、3年で経費に落としていくが償却資産税がかからない。

それ以外は基本的には減価償却資産となり、償却資産税もかかるし、それぞれの法定耐用年数で経費に落としていくことになります。

こうみると、単にその期の節税を考えると、

少額資産 > 一括償却資産 > 減価償却資産

となりますね。

ただ最終的には一緒なので、償却資産税を考えるのであれば一括償却資産がいいのかと思います。

ややこしいですね。

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