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「床面積広い=高単価」からの脱却を

今日はスリランカ、
バワ設計のホテル
「ジェットウィングラグーン」
に行ったときの学びから。

普通に考えると、
客室の価値は床面積の大小
で判断されることが多い。

広ければ高いし
狭ければ安い。

何人泊まれるか、
に比例することも関連する。

しかし、
バワ設計のこのホテルの
スイートルームを見たときに
とても大切なことを
考えさせられたので記録に残すことに。

▼1.どんな場面で起こりうる課題?

設計においては
割と初期の段階で
この問題に直面することが多い。

収支が合うか合わないかを
ざっくり算出するからだ。

部屋数はいくつ確保できるか?
部屋の面積はどれくらいか?
何人とまれるか?

ホテルの場合は
ベッドの大きさ、数で
まずはランク分けされることもあるので
部屋の価値基準は割と
床面積に囚われがちである。

(敷地や容積に余裕があったりする物件だと
そこまで初期の問題にはならないかも)

▼2.当たり前の認識は何か?

上記のとおり、
「床面積が広い=価値が高い」
が優先されがちである。

もちろん他にも、どのような景観か?
どのような設備があるか?なども項目としては入ってくる。

ただ、少し気になるのは
この数値はユーザー目線だと
イメージできない人もいるはず。

恥ずかしながら
自分もホテル業界にくるまでは
例えば、
18㎡の部屋と22㎡の部屋の違いは
あまり分からなかったので、、

(設計やってきたにもかかわらず、
細かいその数値による空間の差は
ホテル色々見て回らないと分からない)

写真でみてわかる
レベルの大きな面積の差は
もちろん理解できるはずだが

例えば、

スーペリアルーム 30㎡ 10,000円
デラックスルーム 36㎡ 12,000円

と並べられ、

ベッドの大きさや設備スペック
は同じだとすると
この6㎡って、、、?
てなりませんかねぇ
(ベッドの足元スペースに多少ゆとりある程度だとするとなおさら)

この床面積に対する「当たり前」は
計画側の当たり前なのかもしれない。


▼3.解決のアイデアは?

さっそく、
バワのホテルを見てみよう。

自分が宿泊したのは一般的な
クラスの部屋だったが、
せっかくなのでスイートルームも
見学させて頂いた。

 ▽ピロティでもちあげる

画像1

スイートルーム(Bawa Suite)

特別にピロティ形式となっており、
部屋は二階にレイアウトされている。

フワッと持ち上げられた部屋に
上がっていく
ちょっぴりとした高揚感
が気持ちいい。

一般的な客室(Bawa Room)は
ピロティはなく、ただシンプルな
平屋建になっている。

販売プランを調べてみると

●バワルーム 72㎡
24,600円(朝食込 2名)
●バワスイート 67㎡
34,400円(朝食込 2名)
※とある日の値段です。

あれ、スイートルームの方が5㎡狭い、、!
それで約1.4倍の価格。

インテリアは
スイートではない
一般のバワルームと大差はなかった。

 ▽独立配置

壁を隔てた隣に他の客がいない
という独立配置ことは
特別感になるだろう。

地面からも
特別に持ち上げられた独立した場所。
シンプルな操作で特別感を演出。

外観でぱっと見でわかる構成なのも
良いところ。
到着したときの
第一印象で理解できる。

 ▽ストーリーがある

ジェットウィングラグーンホテルは
リニューアルしているため

バワオリジナルの設計が
残っているところは少ない。

このバワスイートは
当時のバワの設計思想が
のこっており

歴史を感じることができる

▼4.まとめ

バワスイートはある種の
マスターベッドルームである。

マスターベッドルームの意味を
改めて調べてみると

マスターベッドルーム(Master bedroom)とは、主寝室の意味で、ヴィラやスイートなど、複数の寝室の中で最も主要で最高級の寝室のことを言います。
また、上級階級の屋敷や城などを改造した歴史的なホテルなどでは、屋敷の主人の寝室であったことを意味しています。内装や調度品、浴室などの設備、ベッドの大きさ、面積など、全てにおいて他の寝室よりも優れているのが特徴です。

とのことだが、

すべての要素において
リッチにしたわけではなく

特に広さとは違う観点で
価値をつくろうと考える上で
前向きになれる事例だった。

OTAとかの検索のタグが
「〇〇㎡以上のプラン〜」
のようにつけられる仕組みが
存在しているが、

もちろん平面の広さを求める人は
それで良いとして。
数字の指標ではない所で
スモールでもラグジュアリーな
ものを考え続けたい。

ちなみにホテルについてはこちらのTwitterでも取り上げてるので参加まで。









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