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コイタイオト〜近所の公園〜Silk City

♪Silk City-Feel About You

オーストラリアでの住居が決まり、何もない日は近くの公園で過ごしている。トレーニング器具も併設されていて、よくオージーたちがトレーニングをしている。カップルが交代でプランクをしたり、プルアップをしている時に小気味のよい曲がiphoneから流れている。

僕の日々の予定は子供の予定によって、埋められていく。

つまり、自分の予定というものは一切ないのだ。

なぜなら、ビザの関係で働くことができないし学校に通えるわけでもない。

本当に僕はただの長期旅行者としてこちらにきている。

だから、育児をしてのんびりすることがとにかく僕のやることになる。

メルボルンは、緑が本当に豊かである。

ガイドブックの通りで公園の中に街があるといっても過言ではない。

google mapでいくつか公園を調べて訪ねてみるんだけど、とんでもない広さの原っぱしかないことも多い。

こちらでは、子供が遊べるような遊具のある公園を調べる時には「プレイグラウンド」とフリックするのだ。

ダイエット

プレイグラウンドには遊具だけでなく、トレーニング用の器具も併せて設置されていることが多い。

オージーたちは自宅からランニングで器具のある公園まで来て、公園で器具を使ったトレーニングをこなし、帰りがてらカフェに入りコーヒーを片手に歩いて帰るというのがこちらのスタンダードのように見受けられる。

僕もかつてダイエットを行ったことが2回ある。

1回目は、結婚式の前だった。

学生の頃は栄養失調かと思われるぐらい細身だった身体も会社に入り、社会の荒波に耐えられるように少し贅肉でビルドアップされていた。

結婚式のような人に見られる瞬間をかっこよくいた気持ちは男性も同じである。

僕は人生で初めて、ダイエットというものに挑戦することにした。

全てを取り入れた方法

僕のダイエット方法は、なかなか欲張りだった。

それは、世の中にある「〜ダイエット」と呼ばれるものを全て取り入れるという方法だった。

覚えている限りでは以下が挙げられる。
「グレープフルーツダイエット」
「有酸素運動ダイエット」
「MEC食ダイエット」
「糖質ダイエット」
「半身浴ダイエット」
「ロングブレスダイエット」
「コールドプレスジュースダイエット」
「寿司焼肉ダイエット」

コールドプレスと寿司焼肉ダイエットは、金銭的な面で断念したがそれ以外のダイエットは何かしら続けることができた。

むしろ、どれか一つでもかすっていればダイエットをしている状態になる、ということがこの全て取り入れるダイエットのよいところだ。

この中でも、僕は半身浴ダイエットが好きだった。

お湯に浸かりながら、自分の好きな本でも映画でも好きな時間だけ費やすことができたからだ。

おかげで、岩井俊二の映画を全て見返すことができたと思う。

結婚式

おかげで、結婚式での自分の身体は万全に近い状態でお披露目することができた。

その日は、朝から大雨だったことと会社の土曜出社日と被ってしまったため、参列者の皆様にはご苦労をかけたと自分の結婚式なのに反省している。

僕らは結婚式を挙げる前にフィンランドで入籍をした。

日本人がフィンランドで入籍するためには事前にフィンランドの役所に連絡する必要がある。

僕らはこの時に初めて独身証明書というものを発行した。

そして、さらにその証明書を英訳し、外務省の承認印が必要だったことをよく覚えている。

それ以外にもいくつか書類を手配して、フィンランドからの連絡をもらい指定の役所へ指定の日に訪問した。

指定された役所は、フィンランドの都市から高速列車で3時間くらい離れているところにあった。

そして、その役所の長も「なんでわざわざここで」という顔をずっとしていたし、調印に立ち会ってくれた奥さんと息子さんも、「なんで土曜日に日本人がここで入籍していて私たちは駆り出されたのだろう」という顔をしていた。

当時の僕らは、海外で入籍届を提出したということに大いに満足をして極寒のフィンランドをいくつか観光し、最終的には23区内のとある役所にフィンランドで受け取った書類と合わせて婚姻届を提出した。

日本の役所の人も、「一旦、確認しますね」とのことでその場では「おめでとうございます!」という台詞は聞けなかった。

提出してから3時間後ぐらいに携帯電話に電話がかかってきて、「先ほどの書類、大丈夫でしたよ。おめでとうございます!」と祝福の電話をいただけました。

おかげで、僕の戸籍謄本の結婚の方式という欄には、フィンランド国の方式という文言が記載されている。

パスポートの取得などの戸籍謄本取得の際には、いつもこのことを思い出す。

フィンランドの役所の方の引きつった笑顔とその奥さんと息子の顔、フィンランドの都市から3時間離れた街の名前、そして、独身証明書だ。

もしかしたら、この曲をかけながらトレーニングしていた2人がこれから結婚する予定であったのだろうか。

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