恋するように旅して〜ウズベキスタン編⑦サマルカンドにてウルグベク天文台跡
ちょこちょこ名前を出しているウルグベク兄さん。
この人スゴい。何がスゴいって、15世紀の段階で1年が365日6時間10分8秒と推測して、これが現代との誤差1分未満と驚異の天文学者なのであーる。
ちなみにガリレオが地動説を唱えたのが、この100年後。つまり、現代に通じる天文学としては、イスラム世界の方が西洋より遥か前に進んだ技術を持っていた。
西洋史中心になりがちな日本の世界史だと、なかなかこの事実に触れる機会が少ないのよね。
ここで懐かしの山川用語集の頻度数比較!
ウルグベク…3
ガリレオ…18
ウルグベク少なっ!
ガリレオ多っ!
そうです、わたしが圧倒的知名度のガリレオです。
いやはや、技術的に見たらもう西洋ドヤ顔でルネッサーンス!じゃないし。ちょっとは東の方を見なさいよ!
まぁ、ガリレオは別に悪いわけじゃないですけどね。
ウルグベクに話を戻すと。
実際、ウルグベクはこんな立派な観測施設を作ってた。
ん?ビッグサンダーマウンテン??
まぁどうやってここから精緻な数字を出したのか、詳しいメカニズムは全く分かりませんが、この施設を使いつつ、とてつもない偉業を成したウルグベク兄さんなのでした。
ティムールの華麗なる一族。
右端上から2番目がウルグベク。
なお、某小説と環境こそ違いますが、ウルグベクも非業の死を迎えます。
さて、外に出てウルグベク像が見つめる方角の夕暮れ。
多分太陽は、ウルグベクが見ていたものと今も変わらないんだろうけれど。
どんな思いで彼は太陽と地平線を見つめていたのか。
貧しい人に学ぶ環境を作り、どんな思いで学問の発展に努めたのか。
今も彼の像は空の向こうを見つめながら座り続けている。