地獄サンタ あとがき【2009.12.02】

そもそもこのお話は、ガイコツサンタのイラストから生まれました。
ガイコツサンタのイラストを元手に最初に考えたのは、人を不幸にするサンタでした。
プレゼントをあげる相手が、ことごとく不幸になっていくブラックサンタ。

最初はプレゼントもらった人も喜ぶんだけど、段々あれ?って方向に話が進んで、
最後にはドクロサンタがニヤッとするわけ。
「さて、次のターゲットは誰だ?」って。

…あれ? 何かに似てない? なんだっけな? なんだっけな???
はっ!「笑うセエルスマン」だっ!!
♪ギ~ミ~ア~ブレイク♪
ボツ!!!!!!

じゃあね、じゃあねえー、ドクロだから……あの世!
天国か地獄かっていったら、やっぱ地獄だよね。
天国でドクロはナシだよね。地獄。決定。
『地獄サンタ』
おお、よさげ!

どうしようかと悩んだのは、相棒のトナカイを喋らせるかどうか。
喋らせる必要があるのかよくわからなくて。
いる意味のないキャラクターになるかもしれないし。
結局、とりあえず喋らせてみることにしました。
キャラを強くするために、深く考えもせずに東洋かぶれにしてみました。
西洋生まれで東洋かぶれのトナカイに、ロックはウンザリ…。
「東洋かぶれのトナカイめ…」って定形をつくって、それが繰り返しお約束で出てくれば、面白いかも。

でも、なんで東洋かぶれ?なんか理由がないと駄目じゃね?^^;
って考えたら、一話を書き終わる頃にロックは元々は日本人だった、ということになりました。
東洋を知っているから、アンジーのアホ話にイラッとする。おお、完璧!
というわけで、ロックは二話からとってつけたように握り飯を食べ始めます。笑

そんなこんなで、もともとは一話完結のつもりだったのに、続編ができてしまいました。
続編書いちゃえ、と決めてしまうと、むくむくと話は広がってきます。
水戸黄門的に、同じパターンを繰り返して何十話も続く中で、
一話ごとにひとつずつ設定を明かしていきつつ、たまに本筋の話を入れ込む、みたいな。
そうなると、「この紋所が目に入らぬか~!」的なキメ台詞も欲しいねえ。( ̄▽ ̄)←爆裂妄想中
結局、一話のような単発のお話は入れない方向にしたので、五話で終わりました。


       一話 蜘蛛の糸を待ちつづける男の話
軽快に話を進めたくて、描写を極力減らし、できるかぎりセリフで進めてみました。
完全にロック目線で、彼が考えたことだけを書く、くらいのつもりで。
イラストがあるのでそれに頼っちゃえ、っていうのもありました。

地獄といえば「蜘蛛の糸」。
話自体はすぐにできあがったのですが、
もっとブラックユーモアを炸裂できなかったかなあ、と出来上がった後もしばらく考えてました。
結局、どうにもなりませんでしたけど。
思いっきり遊んじゃえ!って気持ちだけは最初からあったんです。
前篇なんて、ほとんど遊びだけだし。

結末まで描かれない話にしたい、というのがひとつありました。
ロックの目の前で完結しない物語。
でも、読んでいる人がストレスを持たない終わり方。にしたつもり。


       二話 神になろうとしたごうつくばりな男の話
これを書く頃には、ロックが生きていた頃の話も大まかにはできていたので、
握り飯を食べたり、「米ほどうめえ物はねえ」「米は一粒も無駄にしちゃならねえ」
と、日本の農民らしいことを言わせています。

一話から悩みどころだったのが、ドクロなので表情がどうこうと書けないこと。
一話の最後に「危うく下顎を落っことすところだった」と何気なく書いていたので、
驚いたら下顎が落ちる!ということを強調していくことに決定。

水底に沈んだ村の社にするか、誰も訪れない山奥の倒れかけた社にするか、
をまよったくらいで、オチはすんなりできました。
ただ、今泉倉蔵を生前のロックに関係のある人物に設定変更したのは、
三・四話を一通り書いたあとでした。

今泉倉蔵のいないシーンをほとんど書き換えることになったのですが、
三・四話へ繋がっていく話になったので、よかったと思います。

       三話 又とないチャンスを逃した男の話
もう…とにかく前篇が…。
やっときがつきました。私は、長時間の話をコンパクトにまとめるのがとっても苦手なのです。
単調になりがち。文章力のなさが露呈するのです…。orz
二話を掲載した頃には、もう出来上がっていたのですが、
前篇が気に入らなくて、手直し手直し、ちょっと寝かせてまた手直し。
結局、さじ投げて掲載しちゃいました。
…まあ、いつものこと、ということで…。

地獄サンタはなく地獄の住人が主人公になり、目線が逆転したのが私としては面白かった。

最後のシーンでテレビがでてきます。
ちょっと迷ったけど、現代だからいいかってことにした。でも、言い訳を付け足した。笑

地獄サンタは涙が出るかどうか、というどうでもいいことを延々悩んで、結局出ないことにしました。

又とないチャンスを逃したからこそ、ロックのキメ台詞は
「オレは今、又とないチャンスをしょって貴様の目の前にいるんだぜ」なんだよ。
…あとづけだけどね。

       四話 正解を超えた究極の正解を見出した女の話
同じ時間を生き、共に生活し、六郎太はおトヨの全てを知っていると思っていた。
だが実際には、六郎太の現実と、おトヨの現実は違っていた!
って、話にしたかった。
こういうのって、現実にも結構あることなんだろうな。

ここまでロックの主観で進んできたからこそ、面白くなりそうな気がした。
魂のログを読む能力も使えるし。

ただ、結末は意外でもなんでもなく、都合いいかんじになっちゃったかも?
ロックが人間に戻るところ、もうひと捻りできなかったのかな??

おトヨのログを読むところは、
あくまでロックのフィルタを通した形で書いたけど、これでよかったのかなあ??
う~む…。

       五話 極楽で極楽を見た男の話
蓮の花のゆりかごがお気に入り。^^
はじめは天女だか天使だか菩薩だかを登場させるつもりだったんですけどね。

ほか
よくよく考えてみたら、ロックはちょっぴりまぬけだな。
一話 アンジーに口喧嘩で負けた上に、めんどくせえ質問に答えなくていい方法を教えてもらう
二話 セブンに話の途中でトンズラされる
三話 二話の今泉倉蔵のせいで、話をまたいでおセンチモード。しかも、又とないチャンスを逃す
四話 おトヨの願いに唖然。下顎を落っことす
ういヤツだ。笑
読者を驚かそうと思ったら、自動的にロックも驚くことになっちゃうのだ。笑
しかし、あんなに四六時中ツッコミ入れてたら疲れるだろうなあ…。

そうそう。ウィキペディアによると、生前の罪によってどの地獄に落ちるか決まるそうです。
ですが、「地獄サンタ」では、罪・死の状況・死因から連想される地獄に落ちております。
一話 血まみれで死亡     →血の池地獄
二話 死因未公開       →針山地獄
三話 焼身自殺        →焦熱地獄
四話 凍りかけた水路で水死  →極寒地獄


……。(・_・;)
全然反省会になってないな…。

振り返ってみると、いかに計画性なく書いているのか、自分でよくわかりました。
でもね、書いてる途中で、いろいろと思いついちゃうんだよね。
実際に書いてるうちに気付くこともあるし。
…と、反省会らしいことも書いてみる。

いや、でも、本当にね、気になるところはたくさんあるんですよ…。
「おまえさま」って武家っぽい言葉だなー、農民っぽくないなー、とか。
セブンのキャラが未だに固まらないなー、とか。
細かいくだらないことがほかにもいろいろ…。


さてさて。
地獄サンタはこれで一旦最終回を迎えましたが、
この後のお話も考えていなくもないのです。
ただ、この先を書くと、完結できるの???ってかんじなので、
完結の目途が立ったら「地獄サンタ2(仮)」をスタートさせようと思います。
そのときは、読者が誰もついてこなくてもつづくのです!!(力説!)笑

あ、でも、目途が立たなかったら、これで終わりということで。^^;←適当すぎじゃね?


私の頭の中は、結構楽しいことになっています。^^
ええっ!あの人があんなことに??
おおっ!そんな新キャラが!
…まだ全然まとまってないんですけどね。
今泉倉蔵の死因もはっきりしそうな予感がします。


何はともあれ、
最終回まで読んでくださった方も、
途中で力尽きた方も、
長らくのおつきあい、ありがとうございました。

…てか、この記事が長い…。
最後まで読む人がいるんだろうか…?


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