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ニュー・ヨコハマ・パラダイス

偶数月は毎朝、本部に立ち寄ってから出勤するように命じられる。「はい!任せてください!」元気よく返事をしたものの、ぼくは倒れてしまいそうだった。

翌日、本当なら1番乗りで出勤できていたのに、頭の中でぶつぶつ言いながら。文句の一つでも、言いたいよ。電車を待つ横須賀線のホーム。

ぼくの大好きなひとが、千葉行きの電車から降りてくる。なんでいるのと不機嫌そうに振る舞っているけど、うれしそうなのがわかった。

ついさっきまで嫌だったこの仕事が、毎朝楽しみになる。
これまで生きてきた中であった、いくつかの「待ち合わせていない、待ち合わせ」を思い出した。
誰かをハッピーな気持ちにしたい。自分の何かを投げうってでも。やっぱり、愛とは、もらうものじゃないよ。

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