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「退屈な日々にさようならを」
新宿のK’s cinemaで、今泉力哉監督の「退屈な日々にさようならを」を見た。彼の作品を「サッドティー」(2013年)、「こっぴどい猫」(2012年)、「知らない、ふたり」(2016年)と見てきて、登場人物たちが複雑に絡み合う群像劇の中で〈好きということ〉について考えさせられてきたが、今回は〈映画をつくること〉や〈誰かを想い続けること〉について、震災から5年が経過した監督の地元である福島と東
「ブラインド・マッサージ」
去年の暮れからずっと気になっていた、ロウ・イエ監督の「ブラインド・マッサージ」を見てきた。
作中で描かれる、中国・南京の盲人マッサージ院で巻き起こる人間模様を、一観客としてスクリーン越しに眺めていた、はずだった。
まったく聞き馴染みのない中国語に添えられる日本語の字幕を常に意識して視界に入れながら、素早く切りかわるカットと、目が眩みそうなクローズアップ、明暗の切りかえ、ぼやけといった情報量の