つくりたい「いとしい暮らし」が、届くように願って 【ライフレコードアーキテクツ】
このたび、仙台に拠点を置く建築設計事務所のライフレコードアーキテクツ(LR)のWebサイトで、「About」ページのリニューアルとして掲載する文章を一緒につくらせてもらいました。
住まいやお店などの設計をされており、そのほとんどがリノベーションによって素敵な空間に生まれ変わったものばかり。
ぜひ、これまでのお仕事も見てみてください。
許可をいただいたので、今回の文章をつくる上で印象的だったことや、ライフレコードアーキテクツのおふたりの思いをここに記録したいと思います。
ライフレコードアーキテクツとのご縁
設計事務所の代表である川上謙さんは、わたしの母校である東北芸術工科大学の先輩、そして妻の由梨さんは同期でもあります。
LRは設立から8年が経ち「東北でリノベーションといえば、ここ」と認識が定着してきたのを感じられているそう。そうして積み重ねてきた仕事から「自分たちが大事にしたいこと」「これからやりたいこと」が明確になってきたため、「About」ページをリニューアルしたいとご相談いただきました。
ライフレコードアーキテクツが大切にしていること
ライフレコードアーキテクツが一番に目指しているのは「いい建築をつくる」ことだけではなく(それは当たり前にすることであって)、建築ができたその先の「暮らしをつくる」こと。社名に込められた想いが、まさにそれを表しています。
では、ライフレコードアーキテクツの「つくりたい暮らし」とは。
「豊かな暮らし」を送りたいというのは、きっと多くの人が望んでいるし、建築業界に限らず、多くの企業がつくりたいと願っているものではないでしょうか。
わかりやすくシンボル的な言葉ではありますが、その分「豊かさ」の幅も広く、おふたりが考える「つくりたい暮らし」とはマッチしないという意見をいただきました。
また、「リノベーション」という言葉をどう表現するかも課題でした。というのも、近年ではこの言葉自体は広がってきていますが、本来の意味と違う使われ方をする場合もあり、受け取る人によって印象が変わってしまう恐れがあったのです。
そこで、おふたりがバイブルのように思っていると語る『生きられた家―経験と象徴』(多木 浩二 著、岩波書店) を、わたしも読んで「豊かな暮らし」「リノベーション」という言葉に頼らない文章をつくることにしました。
過去も未来も「愛しい」と思える瞬間を、日常を
それによってできたのが、この文章です。
「これまで」を包み込んで「これから」をつくることの豊かさが、伝わると嬉しいです。
ライフレコードアーキテクツでは建築にとどまらず、たとえば地域の歴史や風習、土地の素材や誰かが使ってきた道具なども「これまで」の対象に当てはまると考えています。
新しい暮らしを思い描いた時、あらゆる場・ものが刻んできた「これまで」をまるっとすべて愛したいと思っている人であれば、きっとライフレコードアーキテクツが、寄り添ってくれることでしょう。
まずは、自分たちがその暮らしが「いい」ことを証明する
設計事務所を開設した当初は、まだおふたりの自邸兼アトリエはありませんでした。自分達が「いい」と思っているものを、もっと自信を持ってつくれるように、そして届けられるように……。
まずは自分達がそんな生活を送ろうと考えて、物件探しから設計などにあたったそうです。
モデルルームとしても見学を受け入れているので、視覚的なデザインのよさだけでなく、快適さなども体感できるようになっています。
お住まいやお店の設計などを検討されている方は、お問い合わせしてみてはいかがでしょうか。
今回、お話を伺うなかで意外だったのが、ライフレコードアーキテクツが拠点を置く仙台、東北では、中古の物件を「リノベーション」して住まうことが広まっているわけではないということでした。
たしかに土地が豊かな分、新築で住居を建てることを選択する人は多いように思います。また、築年数を重ねた物件では、耐震性や気密性などが劣るというイメージを持たれがちなのだとか。
でも、謙さんは「リノベーション」のしかたによって「新築を超える」機能をつくることはできるといいます。
そう考えると、「リノベーション」は、実はとっても自由なのだと感じることができた気がします。
仕事への信念と人や土地、ものへの深い愛情を持ったおふたりの、つくりたい「いとしい暮らし」が、より多くの人に届くように願っています。
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