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コントを考える(2022/05/01)

いま、カフェでこの文章を書いているだが、隣の席の男性二人がどうやらお笑い芸人らしい。

「この前の大喜利で~」
「コントの作り方がさあ~」
「ディレクターがそのときぶち切れて~」
「じゃあこういうコントの設定は~」

など、業界用語が飛び交っている。雑談をしつつ、コントの設定も考えているようだ。

内一人(Aとする)は、ネタ帳であろうノートを机の上に出している。会話の中でも、ちょっとコント風なしゃべり方をしており、雑談の中でも笑いを生み出し、コントに使えそうなネタを探っているような感じである。おそらくボケ担当だ。なるほど、すごく勉強になる。

もう一人(Bとする)は、Aの話を聞き、その都度意見を述べている。おそらくツッコミ担当である。Aは会話のなかでも時々小さなボケをはさんでいるのだが、Bはそのボケに対してあまりつっこまない。基本的にはAがアイデアを出し、Bが冷静な反論を述べるという状況だ。

今のところ、コントの設定としては「バツイチのおかんが合コンに参加する」というものだ。結構面白そうである。

あ、いま彼らが喫煙ルームに向かいました。喫煙ルームでもコントについて話している模様です。

どういう感じになるのかな。おそらく、合コンに参加するおかんを陰で見守る息子がいて、おかんの言動に対してツッこんでいくというフォーマットになるのだろうな。だとすると、おかんとそれ以外の合コン参加者とのズレが面白ポイントになるわけだから、おかんはチャキチャキの大阪のおばちゃんとかになる可能性が高いな。若者と大阪のおばちゃんが一緒に合コンをしていたら、結構それだけでボケ所はありそうだ。

おかんはいつもよりもおめかしをして、ちょっと緊張している感じがいいかな。「おかんめっちゃ緊張してるやん。大丈夫かな」と息子が心配そうにしているシーンはあるだろうな。

あとは自己紹介でもボケられる。ベタなのは年齢をサバ読みするとか。「25歳です」「めっちゃサバ読んでる! 本当は55やのに・・・・・・バブル世代やのに・・・・・・」とか。

後は若者の文化についていけないおばちゃんあるあるは盛り込んでもいいよな。最近流行りの歌手やアイドルを全然知らずに郷ひろみの良さを語るとか、好きなタイプを聞かれて死別したおとんのことを思い出して号泣するとか。

最終的には陰に隠れていた息子もおかんが頑張っている姿を見て感動し、合コン現場に走って行っておかんを抱きしめ感動のフィナーレというのはどうだろう。おお、結構良い感じではないだろうか。

そうこうしている内に二人が隣の席に帰ってきた。

「じゃあとりあえずそんな感じでコントの台本考えておきますわ~」

あれ、喫煙ルームで台本の方向性が決まってしまったのですか? お二人のアイデアも聞いて見たかったのに。残念。私が考えた案もどうか採用してくださいますように。

おかんと息子の未来に精一杯の幸あれ。

この現実はフィクションです日記

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