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当院が自由診療であることの理由

 当クリニックでは、保険診療ではなく、自由診療形式をとっております。普通、医療機関は保険診療なので、どうしてこうした診療形態なのか、を説明したいと思います。理由は大きく二つあります。

(1)ゆっくりとした時間で「納得の医療」のため
(2)代替医療を含めた「統合医療」のため

(1)ゆっくりとした時間で「納得の医療」のため: 従来の保険診療の枠では、患者さんの方でゆっくりと時間をとってもらいたい、もしくは、医師の側もそうしたいと考えても、様々な制約の中で、どうしても手早い診療になってしまいます。
 ただ薬だけほしい、という方にはいいのかもしれませんが、心身両面にわたる問題や、ドクターショッピングを重ねている場合などは、短時間(いわゆる「3分診療」)の診療で解決されないことがほとんどです。また、遠慮深い方は「他の患者さんがお待ちだから・・・」と遠慮される方も少なくありません。
 医療は本来、一人一人の人生において重要な局面を握るものであることもすくなくありません。これまでの人間ドックなどのデータなども含めて、じっくりと医療相談(加えて健康状態にあった代替医療相談)をするには、ある程度の時間がどうしても必要です。当クリニックでは、こうした問題を解決するために、ゆったりとした時間の取れる、自由診療形式を採用しています。

(2)代替医療を含めた「統合医療」のため: いうまでもなく保険医療のカバーしている医療はおおむね「現代西洋医学」です。わが国は一定の制約のもと、エキス剤を中心に医療用漢方も保険適応とされていますが、通常の薬剤と異なり、生薬であれば、かなりの制限がつきます。ましては良質の生薬を使用する場合は、なおさらです。
 さらには、漢方と両輪の関係でもある鍼灸を、漢方処方する医師が、相乗的効果をねらって自ら行うことも、事実上困難です。また、サプリメントやホメオパシーといった代替医療であればなおさらです。特にホメオパシーはそうですね(笑)
 いわゆる「身体にやさしい自然医療」は、保険診療ではカバーされていないため、自由診療とせざるを得ないのです。
 また、一緒にやってくれないの、というご意見をうかがうこともあるのですが、基本的に現在の制度上、混合診療(保険診療+自由診療)はきわめて限られた条件のもとでしか認められておりません。この辺りはローカルルールなども合わさり、単純には言えないところでもあります。
 こうした理由から、統合医療実践のための当クリニックでは自由診療形式を採用せざるを得ないのです。

 こうした理由からまだまだ「統合医療クリニック」というものは一般的ではありませんが、「統合医療」という概念はまた別です。個人のなかでの、ベストな医療の理想として、一人一人のなかで個別にベストな統合医療が展開されることが、現状としては望まれているといえるでしょう。

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