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第7椀 信長の天下取り味噌汁

初出:2015年2月10日

<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから

「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。

味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁を復活させるべく、活動の場を広げています。

私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。ここでは私の書いた記事をまとめて紹介しています。


戦国武将と味噌シリーズその2
「信長の天下取り味噌汁」

戦国武将は味噌の重要性をよく知っていたという話のシリーズ2回目です。

愛知の郷土三英傑と言われるのが、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康。この愛知出身の軍勢が何故強かったのかというと、実は豆味噌の功績が大きかったのではないかと言われてます。愛知の豆味噌というのは、大豆に直接麹菌をつけた「豆麹」と塩だけで長期間熟成したもので、水分量も他の味噌に比べて少なく固くなっています。これは東海地方の夏が高温多湿のために、酸敗(脂肪類が酸化してすっぱくなること)を防ぎ長期保存できるように工夫されたもので、そのままでも携帯性と保存性を兼ね備えたという、まさに戦闘食に最適な調味料だったのです。

保存性のよい豆味噌をさらに持ち運びやすくするために、うすく伸ばしてから焼き固めて作った「焼き味噌」は、織田信長の「天下取り味噌」と呼ばれた戦闘食の代表格です。そのまま食べてもよし、握り飯の具にしてもよし、お湯で戻せば即席味噌汁にと大変重宝したそうです。信長は焼き味噌を冷飯にのせ、お湯をかけて食べるという「湯漬け」が大好物だったそうです。

焼き味噌は現代でも、登山やハイキング、キャンプなどのアウトドアで作れば、野趣溢れる即席味噌汁ができて楽しいです。そのままお湯を注いでかきまぜてもできますが、焼味噌はなかなか溶けないので、出来たら鍋で少し煮ながら溶かしたほうがよいと思います。現地でバーナー調理というのも一興ですね。鰹節やとろろ昆布、焼き麩、乾燥ワカメなどの乾物もあわせて持って行ってトッピングすれば、だしも具も入ってますます楽しめます。

焼き味噌の作り方は、おろしたショウガ、炒りゴマ、豆味噌をすり鉢でよく練り合わせて、胡麻油などを薄くひいたアルミホイルの上で平たく伸ばし、フライパンだったり、トースターだったりで焼けば簡単にできます。少し焦げても香ばしさが加わってよいと思います。作ったアルミホイルで包んで持ち運べば容器もいりませんよ。

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「信長の天下取り味噌汁」
具材:焼き麩、乾燥ワカメ、鰹節
味噌:焼き味噌(ショウガ、ゴマ、豆味噌)


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