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第45椀 鬼島津の薩摩汁

初出:2017年12月12日

<お味噌汁> ひと椀がつむぐ大切なもの それは日本のたから

「お味噌汁復活委員会」は、味噌汁の大切さをあらためて発信していこうと、2014年夏にFacebookページにてスタートしました。世話人、お味噌汁復活ライター、一般読者が思い思いの味噌汁を投稿しています。

味噌汁の出汁・味噌・具材を、それぞれに深く楽しく考え広め、毎日の食卓に味噌汁をいただく習慣を復活させるべく、活動の場を広げています。

私コイタは第1期からお味噌汁復活ライターをさせていただいております。ここでは私の書いた記事をまとめて紹介しています。


テーマ:戦国武将と味噌シリーズ12
「鬼島津の薩摩汁」

畑でサツマイモがとれたので、よし!薩摩汁にしてみようと思い少し調べてみたのですが、実は今までサツマイモの入ったお味噌汁のことを薩摩汁というものとばかり思ってましたら、なんとサツマイモは必須の具ではない…とな?

薩摩汁は簡単に言うと肉の入ったお味噌汁のことだそうです。肉は鶏や豚のほか兎や羊でもよいそうです。江戸時代までは肉の入ったお味噌汁は珍しいものでしたが、薩摩では鶏を煮て食べることは古くから行われていて、会食する場合でも男だけで料理していたようです。手早く野戦料理風にゴッタ煮したのものが薩摩汁なんですね。それが明治時代に入ってからは政府は肉食を奨励して、肉の入ったお味噌汁はおしなべて薩摩汁の名称で軍隊の公式メニューとなったので、全国的に知られることになったのだそうです。

薩摩藩と言ったら、戦国時代でも屈指の猛将として知られた「鬼島津」こと島津義弘公ですよね。おそらく戦国時代から食べられていたのではないのでしょうか、この脈々と息づいた家風が、後に討幕に繋がる原動力になったのでしょうか。

今回は男の料理っぽく。豪快に大きく切ったサツマイモやダイコンなどの根菜と、ぶつ切りにした骨つき鶏肉で戦国料理風の薩摩汁を作ってみました。出汁は水炊きの要領で、骨つき鶏肉を焼酎で炒りつけアルコールをとばし、水を加えてアクを取りながらしばらく煮てスープを作りました。そこへ野菜を入れて柔くなるまで煮込み、最後に味噌を加えたらそのまましばらく置いて味をなじませます。そして食べる時に再び煮立たせていただきました。鍋物のような煮物のようなお味噌汁。これは焼酎が合ってしまいますね~。

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「鬼島津の摩汁」
出汁:骨つき鶏肉、焼酎
具材:骨つき鶏肉、サツマイモ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ネギ
味噌:手前味噌(米麦混合麹)
吸口:七味唐辛子


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