「教科書が悪い!」?(20210908)

9月7日 村上吉文さんTwitter​

 『みんなの日本語』は「自発的なアウトプットが一切ない」という致命的な欠点があります。少なくとも人とコミュニケーションする力を育てるには致命的です。使う人が悪いのではなく、この教科書に内在する問題です。

同日 西口Twitterレス

 教科書ではなく、その教科書が生まれるもとになった教育企画が問題なのだと思います。そして、『みん日』の背後にある教育企画は、教師を(言語事項に)束縛する教育企画です。


同日 西口facebook発信

 Twitterに、たくさんの「いいね!」、ありがとうございます。ついでに言うと、「教師を束縛しない教育企画」については、Widdowsonが“Explorations in applied linguisitics 2”(1984)のp.123で論じています。80年代あたり、Widdowson、Brumfit、Strevensなど錚々たるapplied linguistが活躍した時代です。
 実際には、『みん日』以外の(教育企画)も教師を束縛するものです。端的に言うと、教育企画を提案することなく教科書が「出現」するので、それが教師を束縛するのは「当たり前」です。教科書は、教育企画、教育実践を実現するためのリソースであるはずで、それを考えると教科書を出す人は教育企画(とその背後にある考え方や第二言語習得の原理やを習得支援の原理なども)を、教科書と同時に出すべきです。教育企画をしっかりと知ってもらってこそ、教科書が十分に活かされるのだと思います。
 Widdowsonの議論については、『新次元』のpp.35-37で論じています。

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