見出し画像

答えではなく、イシュー”問い”のほうに金が流れる時代。

経営学界隈では、最近、アート思考という概念が流行しつつあります。いろいろな意味を含んだ言葉なのですが、ビジネスにおけるアート思考とは何か、と私が聞かれたならば、私は

社会を見る目であり、問いを提案する思考法※

だと答えます。アートという仕事の中核をなすのは、対象をどう捉えるのかということを提案することにあるからです。

アートというのは、時代に対し、て新しい考え方・価値観を提案する仕事です。「問う」ということ、あるいは「仮説を出すこと」と言ってもよいかもしれません。こういう考え方もできるんじゃないかと、あるテーマについて新しい見方を提案するわけです。

似ているけれどもその逆の機能を果たすのがデザインです。デザインは、「答える」仕事。あるテーマについての、答えの探索がデザイン。

ですから、アートとデザインというのは、ある種のテーマについて、こういう見方ができると社会に問いを投げかけ(アート)、それを社会に利用可能なかたちに落とし込む(デザイン)、という循環運動をする関係にあります。

ビジネスはこれまでデザインの思考が中心でした。ある課題について、どう解決をするのかが、ビジネスだった。

しかし、近年では、何を問題とするのか、問う力が問われるようになっています。新しい視点から、問いを発することができる人が、社会的な影響力を持つようになっている。

賛否両論あるでしょうが、グレタさんがこれほど社会的影響力を持ち得たのは、社会に問題を問うたからです。問題提起だけして、彼女は答えを出していない、という批判は的外れ。問いを発することこそが彼女の仕事であり、それが他の人にはできないオンリーワンであり、兎にも角にもそこに金が流れている。

グレタさんがどういう問いを投げかけたかは、ここで議論の外です。まさにアートと同じ。受け入れられるも受け入れられないもあってよい。だが、ともかくも、社会を独自の目線で見て、問いを提起したことが、彼女の大きな存在価値になっているのです。

イーロン・マスクも、問うサイドの力が強いひとです。答えを出すのは、トヨタのほうが遥かに上手だとしても、社会に問いを発するという行動に対して、金と人材がいま集まっているのです。

スティーブ・ジョブズは、問いから答えまでをやりきるスーパーマンでしたが、彼をオンリーワンとしている力も、社会の求めているものはこういうかたちなのではないか、と問う力のほうでした。

そしてまたまた、これまた賛否両論かもしれませんが、ひろゆきさんだとか、堀江貴文さんが重宝されるのも、独自の視点から、問いを発することにあります。

社会に問いを投げるということは、かくあるほど、オンリーワンの仕事になりつつある。そして今、そこにお金が集まっているという否定しがたい事実は、知っておかねばならないでしょう。それを好むと、好まざるとにかかわらず。社会の閉塞が感じられる中で、いま、問うことができる人に、人々の注目は集まっている。

だからこその、社会を見る目と、問いを提起する方法を学ぶための、アート思考なのです。ある対象を、どう捉えればよいか。そして、どう問うのか。その問う思考の技術。極めて現代的なビジネススキルであり、社会のトレンドとして、アート思考:新しい視座から対象を問う力というものを、皆さんには知っておいてもらいたいと思います。

ちなみに、私にそんなアート思考を与えてくださったのは、私のかつての教え子にして、いま新進気鋭の絵画芸術家となっているKENDYさん。彼とのアート思考に関する対談動画なんかもあったります。彼の言葉からは、なるほどと多くの納得が得られるのではないかと思います。宜しければぜひ、ご覧ください!
https://youtu.be/D0Q4dqrRC1g

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?