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「価格弾力性」という大切な考え方。

先日は、MBA学生が集う「MBA交流会」に参加させていただき、オンライン経営スクールAPSについて話をしてまいりました。で、そこではAPSについて普段は話せない裏話などをさせていただいたのですが、今日はそんな中からひとつ「価格弾力性」という概念のビジネス活用についてお話をさせていただこうかと思います。

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価格弾力性。個人的には、マーケティングの重要概念だと思っていますが、おそらくマーケティング実務に当たられている方でこの言葉をご存じの方は少ないでしょう。

経済学部出身の人なら、ミクロ経済学の講義ですこし聞いたことがあるはず。なんだか小難しい公式とともに混乱させられながら勉強した記憶があるのでは笑。

で、率直なところそんな不遇な「価格弾力性」という概念ですが、ビジネスを成立させるうえで極めて大切な考え方なのです。

難しい数式なんていらない。

端的に言えば「価格が変わると、需要はどれくらい変わるか」です。(この定義だと、正確には、【需要の】価格弾力性、ですね)

価格弾力性が高い、とは、価格が変わると需要が大きく増減する状況を指し、
価格弾力性が低い、とは、価格が変わっても需要の増減がほとんどない状態を指します。

最初にやるべきことは、皆さんのビジネスの価格弾力性は高いかどうか、の見極めです。

ファストフードや、コンビニや自販機で売られている飲料なんかは、価格弾力性が高いですね。ちょっとでも値段が上がるとすぐ客足が遠のく。
USJやディズニーリゾートみたいな人気テーマパークは価格弾力性が低い製品の典型です。iPhoneもそうですね。値段が上がろうと、需要は減らない。

それが解っているから、USJもディズニーもiPhoneも毎年値上げをするのですし、それが解っているから、ファストフードは日々キャンペーンやクーポンを出す。

価格弾力性、事業をやっていくうえで、めっちゃ大切な概念ですよね…

で、この価格弾力性ですが、誰でも簡単に求まります。価格と販売量のデータがあれば、すぐに計算できます。価格が●円になると、どれくらい顧客が減るのか…というのは、予想がたつわけです。であれば…お気づきでしょうか、売上ないしは利益を最大化するために、値段をいくらに設定すべきかが、見えてくるわけです。

でも、本質的なことはそういう数量計算ではありません。

あなたは、価格弾力性が低いにもかかわらず、価格を下げて顧客を増やそうとは、していませんか。製品やサービスの特性によっては、顧客人数は価格にほとんど左右されない。そりゃあ、目先の1人2人は変わりますよ。いま目の前にいる顧客をつかむには、値下げをしたくなります。

でも、トータルでは、あなたのビジネスの収益率に甚大なダメージを与えることに、気づくべきです。

商品力に不安があると、ついつい価格を下げてしまいますが、そんな時にしっかり指針にすべきなのが「この製品の価格弾力性は、高いのか」なのです。

逆も然りです。価格弾力性が高い製品・サービスにおいて。ほんのわずかでも価格を下げれば顧客が一気に流れ込んでくるのに/ほんのわずかでも価格を上げてしまったら、客足はさあっと遠のくのに、あまりコンシャスにならずに価格決めをしてしまっていませんか。

…かようなわけで、私はビジネスをするうえでとにかく意識すべきは価格弾力性だと思うのです。ぜひ、みなさんのビジネスでも価格弾力性という考え方を、いちど当てはめてみていただけたらと思います!

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