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スケールするものを、スモールスタートで始める。

日本では、実感値、半数以上のものごとが4月から始まります。
で、その仕事が1年プロジェクトである場合、1月頃からはクロージングに進んでいきます。ですので、実質的な取り組みのハイライトはもっぱら12月になる。というわけで現状、毎週のようにビジネスコンテストの発表会に参加しています。

ビジコンそんだけやってて、ベンチャー育たないなんて、ビジコンは意識高い系の奴らのポーズじゃんm9(^Д^)、というシニカルな批判は受け付けません。こうした取り組みの中から、企業家精神が育ち、事業の機会が芽生えていきます。いますぐここからベンチャーが育たなくてもいいんです。1万回の試行の中から、芽が出て、育っていくのがベンチャービジネスですから。私は幾多の挑戦を世に送り出していくことに、誇りをもって仕事をしています。

さて、とあるビジコンで勝者となったのは、某大学のチームで、大学内で教科書のリユースや電子化を行うことを通じて、資源消費の削減と、学生の交流コミュニティの形成、そして同時に出版社の利益を担保しようというビジネス案でした。非常に僅差でしたが、私もこのチームを最大限に評価しました。

その理由は、「いまの自分達で、明日からでも始められる」という、リアリティある規模感であり、かつ、「すでに一部始めちゃってるけどね」という身軽さが高く評価できると考えたからです。

ベンチャービジネスって、億の単位を投資して、ハイレベルなプロダクトやサービスを作って、それが刺されば大成功、うまくいかなきゃ大損で大失敗、っていうイメージを持たれている人が多いです。まあ、そういう事例も多々ありますからね。

しかしです。今、世に名だたる会社のスタートは、最初から億の単位の投資を受けて始まったものだったでしょうか。

ビル・ゲイツはスモールスタートです。
スティーブ・ジョブズも。
ヒューレットとパッカードもスモールスタートでした。
松下幸之助も。
前澤友作も。
孫正義も。

誰しも、最初からVCにドカっと巨大なお金をもらって、大金を動かして商売を作ったわけじゃないんです。身の丈に合ったサイズの事業から始めて、多くの場合は自分の手元のフリーキャッシュフローを大きくしながら、業容を安定させていった。かつ、その後の資金調達にしても、やっぱり常に「身の丈」である場合が大半なのです。

今回のビジコンのプレゼンテーションを受けた時に、私がイメージしたのは、ザッカーバーグのFacebookの事例でした。

Facebookはまずハーバード大限定のコミュニティ向けに作成されました。
それがまずはボストンの他大学に、
次にはアイビーリーグにと、少しずつ拡大し、
最後にはアメリカの大学全土に普及。
次には高校生に解放され、
そして全米、
さらに世界へ、とステップアップして大きくしています。

企業家というと、いきなりとんでもない規模の構想をするようなイメージを持たれがちですが、誰しも自分のイマジネーションが及ぶスモールな範囲から立ち上げているんです。

ただし、スモールに立ち上げるけれども、内容はスケーラブルであること。小さく試して上手くいったら、それを大きくしていく、というのが新事業創造の重要な成功法則です。

大切なことなので要点抽出してもう一回言います笑。

「スケールする可能性を秘めたものを、身の丈に合ったスモールスタートで始める。」

今回の勝者はこの特徴を強く持っていた。「まずは自分たちの大学で、はじめてみる」というお手軽さ。なんならもう動こうとしていた。そして、そのアイデアは他大学にもそのまま転用可能なかたちだった。

まずは自分たちの食い扶持を稼げるような規模感で考えていくこと。

ベンチャーだ何だといえど、商売なわけですから、自分の身の丈でイメージできない単位の金を動かしても、やっぱりうまくいかないです。

リアリティあるスモールスタート。

その等身大の事業規模から育てていくイメージが持てれば、世の中にはもう少しベンチャーが現れるのかな、と思っています。

かくして私は、これからもビジコンに携わってまいります。

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