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科目学習を補う「ゼミ形式」は、社会人の学びにこそ必要だ。

APS開学にあたって、私のところに非常によく寄せられるご要望が以下です。

「超一流の大学の先生もありがたいけど、中川先生の講義を受けたいんです。」

はい、本当にもう、有難いとしか言いようがありません。まことに光栄です。私からもこの場を借りてお返事させてください。

「私だって皆さんといっしょに話がしたい!色んなことを考えたい!
ぜひ一緒にやりましょう!!」

かくなるわけで、APSでは、中川によるライブ講義【中川ゼミ】も開講していきたいと思います。

なんていうオープニングから入りましたが、もちろんこの【ゼミ】なるものを導入するのも、「中川がやりたいから」「中川とやりたいから」という以上の理念が、そこにはあります。このゼミ形式こそ、私は社会人の学びにいま欠けている要素だと思うからです。

ゼミ。ドイツのゼミナール形式というものを参考にした日本の大学教育方式ですが、日本において独自の発展を遂げ、世界的にユニークな「ゼミ」という教育形態が生まれました。私はこのゼミ形式は、世界に誇れる、非常にパワフルな教育方式だと思っています。

科目の学習は、やはり、実践よりは理論寄りにならざるを得ません。というよりも、きちんとマーケティングや組織論を、体系的に勉強しようというのが科目学習なのですから、科目学習は下手に実践に寄せるよりは、1から10まで学問の基礎を学ぶことが大切であろうと思っています。

しかし、そこで問題になるのは、現場で起こっている問題、あるいはあなたを取り巻いている問題というのは、ひとつの理論だけでは読み解けない、複合的な問題だということです。常に、様々な知識を総動員し、さらには自身の思いや、周囲の状態などを総合的に勘案して、判断することになる。

この「現場にある複合・複雑的な問いにこたえるための力を養う」機能が、科目教育だけでは不足するわけです。

そこを補うものとして、日本で独自の発展を遂げたのがゼミ。(私もゼミとしか言いようがなく、APSウェブサイトにもそのままZemiとつづっています。)単に理論を学ぶのではなく、それを用いて実社会で生かすための方法として深く学ぶものとして、科目学習を補う仕組み。大学3-4年向けに開講されているのが一般的です(近年ではその教育効果から、1-2年にも適用されるようにもなっています)。

私はこのゼミ形式は非常に有効であったことを自身の教育経験から実感しており、日本の大学の仕組みとして誇れるものだと思っています。理論と実践の架け橋として。私は、APSでも、オンライン・ライブで、ゼミを実施してゆきたいと思います。

このゼミ形式の良くも悪くもな特徴としては、先生のキャラクタに大いに依存してしまうという点は指摘できるのですが…、私が主宰するAPSの特色として、「中川ゼミ」というかたちは、あってもよいのではないかと思っています。

現実的には、2週間に1回、科目の先生のライブ講義の無い週に「中川ゼミ」を実施するつもりです。要するに、APSでは毎週、科目の先生と中川が交代でライブ講義を実施することになります。これがAPSのひとつの教育の軸です。科目学習とイシュー起点の実践学習とが、毎週交互に、ライブで開催される。

そのようにデザインされた社会人教育は、少なくとも日本にはまだ無いのではないかと思っています。MBAには、類似の高度な仕組みはありますけどね笑。指導教員制度や研究室制度が設けられ、あくまでその先生のもとで研究をしたり最終課題製作に取り組んだりする。なので、まったくのユニークとは言い張りませんが、科目学習と実践学習をバランスするという発想で、そのようにカリキュラムを組んでいるのはAPSだけではないかと考えています。少なくとも、カジュアルなビジネス学習において、科目学習と実践学習のバランスが図られたプログラムを、私は知りません。

かくして。私は社会人にこそ大切な形として、ゼミ形式を提案し、これをAPSの学びの軸に位置付けます。皆さんと一緒に、ビジネスやキャリアの悩みだとか、時事についての議論ができたら、なんて素敵だろう!と今から心をワクワクさせながら。

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