ランガラカレッジWeb and Mobile App Design and Development(WMDD)に通った話

バンクーバーでデベロッパーとして働いているKoichiです。
数年前から海外でエンジニアとして働くことを目指していて、その手段としてバンクーバーにあるランガラカレッジのWeb and Mobile App Design and Developmentというプログラムを卒業しました。自分の経験からLangaraは似たような志を持つ方におすすめしたいと強く感じたため、本記事を書くことを決めました。

*現在執筆途中で見出しに(未)とついているのは随時更新予定です。
全部できてから公開を目指すといつまでも時間がかかりそうなので、とりあえず少しずつでも早めに情報を出すことを優先しようと思ったので、公開しながら追加をしていく方法にしました。
見出しの内容以外にも知りたい情報がありましたら、ぜひコメントなどで教えてください。


想定する読者層

「海外就職」「エンジニア」「デベロッパー」「未経験から海外でエンジニア就職」ようなキーワードに当てはまる方を対象と考えています。
一言でまとめると「海外でエンジニアとして就職することを目的にしていて、その手段として在学する学校を考えている方」です。
他校との比較するための情報として読んでいただけると嬉しいです。

プログラムの概要


ランガラカレッジ(Langara College)はバンクーバーにあるカナダの公立学校です。
私が通っていたコースは Post-Degree Diploma in Web and Mobile App Design and Development という長い名前になります。基本的にはWMDDと省略されることが多いので、本記事でも以降はWMDDと表記します。
WMDDはWeb開発とモバイルアプリケーション開発のスキルを身に付けるための2年制のプログラムで、学生はDeveloperコースかDesignerコースを選ぶことができます。
この記事をご覧になる方は概要とかは把握している方も多いかと思いますので簡単にしておきますので、詳細を知りたい方は公式を参照ください。

Langara WMDDを選ぶメリット

自己紹介やカリキュラムの内容も後述予定ですが、この記事見られている方の関心は他と比較してのメリットにもあると感じています。
なのでまずいきなりですが、私が通ってよかったと思うことを紹介します。

  • 1年4ヶ月の就学で3年分の就労Visaが手に入った

  • 公立学校の中では安めの学費

  • 生活面での恩恵があった

  • WMDDの学科から在学中にエンジニアとして雇ってもらえた


1年4ヶ月の就学で3年分の就労Visaが手に入った

WMDD自体は2年間のプログラムとして設定されています。ですがプログラムの終了条件は4ターム分の授業で満たすことができます。1タームが4ヶ月なので16ヶ月で修了することができ、その段階でPost-Graduation Work Permit(PGWP)という就労ビザの権利が手に入ります。ポスグラと略されることが多いです。プログラムとしては2年間のプログラムとされているため、3年間有効となります。またこれは申請した時点で就労許可されるため、実質的には申請から認可までの期間 + 3年間の就労可能なVisaを手に入れられたことになります。

公立学校の中では安めの学費

4ターム分の学費を払い終わった段階で支払った総額が$35,580.18でした。授業料以外に、施設維持費や学生団体などに支払うものも含まれます。支払いは各ターム毎に行うため、日本円で支払う場合は為替の影響をダイレクトに受けました。私はCo-opに関連する講義を2つ受講していたので、それらを履修しない場合は1,000CAD くらい少なくなるかと思います。(*記事の最後に明細を載せておきます)

総額で見ると決して安くはない金額ですが、ポスグラ3年分が手に入る公立大学の似たようなプログラムと比べてみると、この金額は安い方でした。またそれらのプログラムは2年間フルの就学が必要なものが多く、1年4ヶ月で卒業できたことを考えると卒業までの生活費を8ヶ月分抑えられたことになります。

生活面での恩恵があった

バンクーバーで生活する上で、Langaraに通っていたことでお得に感じたことがいくつかありました。

U-Pass
バンクーバーの移動はバスや電車が中心でしたが、公立学校にフルタイムで通う学生はU-Passという定期券みたいなものが使えます。これの費用は学費に$175くらい含まれているのですが、毎月定期を買うよりもかなりお得な金額で手に入ります。
同じ距離のMonthly Passが1ヶ月$185.20で4ヶ月分なので$740.8かかる計算です。$500以上得したことになるので、嬉しかったです。

Wi-Fi
バンクーバーの高等教育機関は共通のWi-Fiを使っています。なので用事があってBCITやSimon Fraserに行った時Wi-Fiが繋げられたので作業ができてありがたかったです。

学生団体の保険制度
ランガラにはLangara Students' Union(LSU)という学生団体があり、フルタイムの学生は学費と一緒に様々な保険料を納めています。皆保険制度のMSPでカバーされない部分の薬代やDentalなどカバーする保険を提供しているので学生は自動的に利用することができます。最初の3ヶ月だけ待機期間で民間の保険に入った記憶がありますが。
またLSUとは違う制度だったかもしれませんが時々、無料の歯科検診サービスが各大学を回っているようで、運良く卒業前に予約して無料の歯科検診とクリーニングを受けることができました。

O'reilly learningのアカウント
エンジニアにはお馴染みオライリーの本や動画教材が見放題のプラットフォームを無料で使うことができました。数は少なめですが、日本語出版された本もありました。この制度はWMDDの学生のみ対象かもしれません。

WMDDの学科から在学中にエンジニアとして雇ってもらえた

学校のFinancial Aidの制度でStudent Work Assistance Program (SWAP)というものがあり、学生は学校と雇用契約を結んで働くことができます。これはInternational Studentが働ける週20時間の枠とは別扱いでした。私は幸運なことに3ターム目から卒業までWeb開発の仕事をWMDDから受けることができ、レジュメにカナダの職歴を載せることができるようになりました。SWAP制度を使うにはGPAの制限があることに加え、この案件の学生を選ぶ際に過去の講師からの評判も重視されたようです。学業を疎かにしないで良かったと感じた瞬間でした。

以上が私が感じたLangaraに通って良かったと特に感じるポイントでした。
他にも学生のアカウントでMicrosoftのOfficeアプリが無料で使えたり、色々なところでお得感を覚えることがあったので、そういった部分でもおすすめできると感じています。


自己紹介(未)

入学手続きについて(未)

第1タームの授業内容

第1タームはデザインもプログラミングも基礎的な内容をデザイナー・デベロッパー両者とも全部学んでいきます。
具体的な必修のコースは下記の5個です。

  • HTML/CSS I

  • Introduction to Web Programming

  • Graphic Design for Web

  • Graphics Techniques Fundamentals

  • Introduction to User Experience Design

HTML/CSS I

Webサイトを作る際に必要となるHTMLとCSSについて基本的な部分を対象にした講座でした。最終課題では数ページ分の静的なWebサイトを作る必要があり、それまでにHTMLの基本的な使い方やCSSを用いたスタイル・レイアウト変更の方法を勉強していきます。
HTMLやCSSのバリデーションサービスを使って、シンタックスにエラーがないことや、アクセシビリティの観点で色の色のコントラストなど要件を満たすようにすることなど、単純にサイトとして完成させることに留まらない細かい部分も取り扱っていました。
CSSは基本的な段組みなどの基本的なレイアウトを作れるようになることが求められましたが、アニメーションなどはまだ扱われませんでした。

Introduction to Web Programming

基本的にはJavaScriptの授業です。まずは基礎的な文法からループ処理などのプログラミングをする上で必要な処理について勉強します。基礎が終わったら簡単なDOM操作に入ります。授業の内容としては簡単なTodoアプリが作れるようになるくらいのレベル感でした。ただFinalの課題でいきなり外部APIと通信することが求められて、未経験から始めた方やデザイナーストリームの方々は結構苦戦をしていたようです。

Graphic Design for Web

デザイン理論の授業でした。余白や整列、バランスなどデザインに必要な概念を中心に勉強していきました。毎週の課題はIllustratorを使ってデザインを作る必要があったのですが、毎回苦戦をしていました。。。
実際にデザインを考えることは自分のセンスの問題であまり身についた感じはありませんが、デザイナーの人がどんなことを考えられているのかを知るいいきっかけになったと感じています。

Graphics Techniques Fundamentals

一言で言うと、デザイナーが使うツールのAdobe IllustratorとPhotoshopの授業です。講師の動画教材に沿って勧めながら勉強しつつ、課題は提示された完成図の通りに作って提出ということを繰り返します。動画を見ないといけないのと課題量が地味に多かったので1タームの中では一番時間を使ったかもしれません。

Introduction to User Experience Design

LangaraのWMDDは毎ターム、グループを組んで取り組むコースがあり、このコースが第1タームのそれにあたります。コースの内容としてはUXということでグループでアプリケーションのアイディアを考えるところからFigmaでMVPを作るところまで行います。その過程ではデベロッパーもIllustratorでモックを作ったりユーザーインタビューをする必要があるので、慣れないという意味では結構大変でした。ただアイディア出しや課題分析などは毎タームあるグループ活動で毎回行う必要があるので、このコースの内容が頭に入っているとその後の活動も意識しながら進められると思います。

第2タームの授業内容(未)

第3タームの授業内容(未)

第4タームの授業内容(未)


Co-opプログラム

執筆中に公式の情報を調べたところ2023年の秋(9月)入学の方からはCo-opが一時的に?廃止となるようです

バンクーバーに留学へ来る方の中には選択肢にCo-op(Co-operative Education)という就業体験プログラムがあるところを検討されている方が多いかと思います。Langaraにも Co-op制度はありますが、WMDDの学生はWork Experienceという別の扱いとなります。

レギュラーコースのCo-opが4ヶ月で最低420時間(8ヶ月で420時間のオプションあり)に対してWork Experienceは最低300時間ということで条件などに違いが出てきます。
Work Experienceをしたい学生は3科目追加で講義を取る必要があり、私は途中まで利用を検討していたので2科目履修しました。

1ターム目がResumeに関する講義で、ExperienceセクションでStatementをどういう風に書くかなどを勉強しました。課題として提出するため、評価がもらえることに加えて、英語の添削を受けられるWriting Centerを利用することもできたのでありがたかったです。この添削は授業の課題として出たものでなければ依頼することができません。

2ターム目では面接に関することでした。最初は課題として実際に働いている人に仕事や職場に関することを聞く逆インタビューのようなこともあり、外部に目をむける良いきっかけでした。
実際に面接でよく聞かれる質問の
- Tell me about yourself? (あなたについて教えてください - 自己紹介)
- What are your strengths? (あなたの長所, 強みを教えてください)
- What are your weaknesses? (あなたの短所, 弱みを教えてください)
に対する回答を考えて次の授業で学生同士で練習するといった実践的な内容でした。最終試験は実際に講師と模擬面接ということで、提示された模擬求人から選んで、どうして興味を持ったか、自分ならどうアピールできるかなど実際の面接でも聞かれそうな内容で、良い練習になったと感じています。

Work Experienceの講義は実践的でとても良いと感じていますが、Work Experienceはあまり人気がありません。最終的に就業体験まで行うのは各ターム5人程度という話を聞きます。理由としては、就業体験先を探す際にあまり学校のサポートがなく、フルタイムの求人を探すことと同じようなものだからです。そのため、就業体験として探すために就職活動をするなら、フルタイムの求人探しをする方が良いということで履修を辞める学生が私を含めて多いです。

就職支援

Co-op関連の授業とは別に就職活動に関連したイベントなどもありました。
テック業界に関してはTech Thursdayというトークイベントがあり、実際に働いている人の話や人事の話などを聞くことができました。人事の人の話が結構印象的で、Cover Letterは全く見ないという意見と、しっかり見るという意見の人がいて、会社や担当者によって異なるということが知れました。

また、ResumeやCover Letterの書き方についてはワークショップイベントが定期的に開催されています。中にはLinkedInのワークショップとかもありました。
イベントで特に押さえておくのはResumeの個人添削セッションです。学校関係でResume添削の機会を公に提供しているのはこのイベントくらいなので、1度は添削を受けた方がいいと思います。これも制限はないようで、私は2回以上添削をしてもらいました。
これらのイベントはこちらのページから参照できるのですが、案外現役生の中でも知っている人は少ないかもしれません。


まとめ(未)




学費明細

-$6,000は入学時に支払ったdepositoの分が引かれています。
卒業要件の授業に加えてCo-opの講義を1つ履修しています。

Term2でもCo-opの講義を1つ履修しています。