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病気に勝つ人負ける人④ 時を操る方法

今回のオリンピックで個人的に注目していたのは、競泳の池江選手です

日本人であれば多くの人が彼女の劇的なカムバックからのオリンピック出場に至るまでのドラマを知っていると思います

いくら、1年延期になったとは言え、白血病というアクシデントを乗り越えて出場にこぎつけただけでも本当に凄いと思わざるをえません

結果は予選敗退で終わってしまいましたが、それでもたくさんの人が彼女の復活・奮闘に心を動かされたと思います

「あんなことが無ければ今頃…」という想いもありますが、それとおなじくらい「あんなことがあったからこそ」と強い感動もあるのだと思いました

池江選手に限った話ではありませんが、人間生きていれば「あんなことがなければ」とか「あんなことがあったからこそ」という経験の1つや2つはあると思います

僕にもそんな想い出はありますが、『時を戻す』という事は現実にはまだ限りなく不可能に近いことです

が、池江選手のようにここまで復活できたのは『時間を有意義に使いきった』ことも1つの要因だと僕は思います

お伝えしている一連のことは、「十分な免疫を維持する暮らし方」です

その暮らし方を考える上でも、「有意義な時間の使い方」というのは非常に欠かせません

というのも、現代を生きる僕達は、自分で考えているほど、自分の体の時間というものを正しく理解できていないからです

今回お伝えする事は、自分の体の時間の使い方です

これが分かると「十分な免疫を維持する暮らし」が得られるだけではなく、「自分の生きる時間」を自在に操る事ができるようになるはずです

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海外旅行などで時差ボケを経験したりすることがあると、「体内時計が・・・」といった話をすることがあります

「自在に操る自分の生きる時間」というのは、この体内時計のことです

実はこの体内時計というのは、僕達が考えているよりもかなり精度がすぐれています

そして体内時計には、食事、睡眠、運動に適した時間というのがあります

それぞれに適した時間に行えば問題はないのですが、不適切な時間に行うと、体へ負担を与え、体調を崩したり、いざという時になかなか快復しなかったりといった事に繋がります

例えば、夜遅くまで飲み会に出て、揚げ物にお酒をたくさん飲み食いした次の日に、胃もたれや胸やけなどを起こすことがあるのは、その1つだと言えます

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体内時計というのは1日25時間とされていますが、実生活での24時間との1時間の誤差は適切な睡眠によって調整されています

なので、分かりやすく24時間の流れに当てはめてお伝えします

まず、体内時計は大きく4つの段階に分けることができますが、僕達の生活のように、「○時になったから終わり」というのではなく、グラデーションで変化します

今回は食事における時間管理をお伝えしますが、朝食というのは実は、メニューによっては、体に負担を与えている事に繋がります

というのも、朝の6~7時台というのは、体のウォーミングアップの時間帯だからです

スポーツをする時を思い浮かべて欲しいのですが、ウォーミングアップが疎かになると、けがをしやすいという話は聞いたことがあると思います

それと同じで、朝食の時間帯とそのメニューによっては体に負担をかけることになるということです

今でこそ、「1日3食」は一般的な事になっていますが、実は日本人の場合、それを浸透させようとした当初はバレンタインのチョコや、土用の丑の日のウナギと同じように「経済を回す」ための政策の一環だったという逸話があります

というのも、日本人の食習慣は本来1日2食+おやつだったとも言われているからです

明治初期、日本は西洋に追いつけ追い越せと、西洋文化を急速に吸収していました。その一環で、当時ドイツの栄養学の権威ある方を招いて、最先端と言われる知識を学んだと言われています

ところが、このドイツの先生、日本の人力車の車夫と出逢い、自分の学説が日本人にはあてはまらない事を知ります

そこで彼は、素直に日本人に適した栄養学を研究し直したいと申し出たようなのですが、時すでに遅し・・・

「いやいや、世界に後れを取っている日本が当てはまらないなんてことはないでしょう。1日3食になれば、それだけ経済も回りますから」

とゴリ押ししたのが1日3食が浸透した逸話です

よく考えてみてください

蝋燭の灯で夜を過ごしていた時代において、『晩御飯』はあり得ないわけです

調理はもちろん、食器の片付けも不自由だからです

「夕飯」とはそれがギリギリできる明るさの内に終わらせることだったわけで、この体内時計にあった生活だったことが伺えます

そんな体内時計と食事や睡眠といったことが免疫や健康にどう関係があるかというと、僕たちが生きるエネルギーと関係しています

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僕達が生きる上で必要なエネルギーは、大きく2つにわけることができます

食べたモノを消化するために使うエネルギーと、生きるために必要な代謝のエネルギーです

これらは、無尽蔵に生み出し続けることはできず、有限です。そして、それぞれ別々に燃料タンクがあるのではなくて、1つの燃料として分け合っています

例えば、食後の眠気などは消化のエネルギー消費が大きくなり、対極にある代謝エネルギーが小さくなることで起こります

つまり、消化に重いものをたくさん食べると、代謝が下がるというわけです

体内時計を知り、その時間に適した行動をするということは、この2つのエネルギーを効率よく働かせることにも繋がります

1部の著名人の中に「18時以降は食事をしない」という人がいますが、これは単に「寝る4時間前に食事を済ませる」という意味では無く、体内時計に従うと、

18時以降は体に負担をかける

ということだからです

睡眠にも関係するので、後日またお伝えしますが、夜遅くまで仕事など活動をして、夜食などを食べる生活をするくらいなら、同じ睡眠時間でも、その分前倒しにして、朝起きる時間を早めてその時間で同じことをすると体には良いです

事実、大病を患った人が、この体内時計に従った生活を送る事で、克服したり、延命に成功したり、緩和ケアに役立ったという事例もあります

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体内時計に合わせた食事を考える場合、『消化の重さ』も理解しておく必要があります

朝食が大切だからといって、朝から消化に重いモノを食べるということは、準備運動も無しに、いきなり運動を始めるようなモノだからです

一般的には、

①固体 > 液体
②冷たい > 温かい
③有毒 > 無毒

といったように、固体・冷たいモノ・有毒性のモノが消化に重く、その対極にあるものが消化に軽いと言われています

毒と聞くと言葉が強いので、驚かれるかもしれませんが、添加物やサプリメント、薬などは自然界には存在しないものです

また、適量なら調味料や食材として問題は無くても、適量を越えると毒となるものもあります

例えばナツメグは、適量であれば調味料として良いですが、ナツメグが好きだからといって、5g以上を1食に使用すると中毒を起こします

具体的には、動悸や胸の痛み、呼吸困難、めまい、顔面紅潮、吐き気などがあり、幻覚・興奮作用もあります

こうした消化に重いものは、体内時計で言えば9時~15時の時間帯に食べる分には問題ありませんが、朝や夜といった時間帯には控えるとよいです

また、寝る4時間前には食事を済ませておくことも大切です

睡眠も消化も何もかもが中途半端になってしまうからです

よく、『腹八分』といったことも言われますが、1食の量を調整することも消化の重さに繋がります

腹八分は医者いらず
腹六分は老いしらず
腹四分は神に近づく

と言われるのは、消化のエネルギーを小さくすることで、代謝のエネルギーがそれだけたくさん使えるからです

日本の場合、旬の食材はスーパーフードと言われることもありますが、これは体内時計が四季にもリンクするためです

そのため、同じ食材、調理法でも、その食材が旬のモノなのかどうかでも消化の重さは変わってきます

そこまで話を広げると、覚えるのが大変かと思うので、スーパーなどの食品コーナーでその時その時に見聞きする程度でも十分です

今回は体内時計を主体にお伝えしてきましたが、体内時計を知ることは、効率の良い食事や睡眠、運動と暮らし全体に大きく関係してきます

現代人は忙しい

と言われることが多いからこそ、効率の良さも必要だと思うのですが、その効率を高めるには、このような事を押さえておくことも大事だというわけです

次回は、いよいよ食事編ラストです

飽食の時代と言われる現代において、どの食材をどのようにして選ぶとよいのかという方法についてお伝えします

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