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今だから言えることもある〜2016年降格争いのお話〜


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僕がチームに入団して2年目となる2015/2016シーズンは非常に厳しいシーズンだった。
僕をチームに迎えてくれたトーマス・シャーフ監督は2014/2015シーズン終了後チームを離れる形となったが、僕はそのままチームに残る事となった。
シャーフ監督の後任としてアーミン・フェー監督が指揮をとったが成績が伴わず降格圏を彷徨う苦しいシーズン途中にはニコ・コバチ監督に指揮を引き継ぐ形で残りのシーズンを戦った。



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シーズン終盤。
ウェルダー・ブレーメンとのアウェイでの重要な試合前の写真。

フランクフルトは15位と自力残留を決められる位置にいた。対するブレーメンは16位。
その差はわずか勝ち点1差。
フランクフルトは引き分け以上で残留を決められるが、勝ったチームが残留となり、負けたチームは他チームの結果次第で自動降格の可能性もある。
ともに絶対に負けられないチーム同士の戦いであった。

試合前、スタジアムについたチームバスは熱烈なブレーメンのファンに囲まれた。
卵や氷の塊などがバスに向かい飛び交い、ブーイングと罵声が凄かった。
写真の通りご覧いただければわかると思うが、スタジアム前の道路は人で埋め尽くされバスはなかなか進む事ができない状況でだった。
   
僕はサッカーが持つ熱や地元チームへの愛という物を肌で感じ取れることができた。その熱気は自分たちの身に降りかかる恐怖に感じられるほどのものだった。

終了間際に失点し0-1で試合は終了。終了と同時に残留を決めたブレーメンのサポーターや観客はピッチ上に流れ込み歓喜する輪を忘れる事はないと思う。

フランクフルトはブレーメン戦で勝ち点を落とし入れ替え戦に回る結果となった。
2016年5月に行われた入れ替え戦はフランクフルト(1部16位)は長谷部選手やティモシー・チャンドラ選手の古巣にあたるニュルンベルク(2部3位)と対戦した。

入れ替え戦(昇降格プレーオフ)1stレグをホームで1-1の引き分けとしていたフランクフルトは2ndレグをハリス・セフェロビッチ(スイス代表)のゴールで1-0で勝利した。この結果、2試合合計2-1としたフランクフルトの1部残留が決定した。

これが2015/2016年シーズンの大まかな流れ。何とも最後まで苦しいシーズンだったと思う。
できる事ならもうこの経験はしたくない。

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黒川の活動、体験談、短いコラムや日記形式で自身の経験をベースに書いた記事もまとめたマガジンです。色々と他のSNS等には書かない事もここでア…

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