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スポーツトレーナーを目指す学生さんに読んで欲しい。

こんにちは!


最近よく、
・柔道整復師を目指している。
・トレーナーを目指している。
・海外でトレーナーがしたい。
という医療関係やスポーツトレーナーの学生の方からトレーナーになるために普段からどのような勉強をしていればいいですか?と質問をいただきます。
過去に実際にあった出来事から僕の経験や考えや感じた事を書いてみました。
少し長くなりますがこの文章を読んでいただいたうえで何か感じていたたり、参考にしていただければとても嬉しく思います。


少し前の出来事です。
とある選手が試合中にジャンプしヘディングで競り合った時にバランスを崩しピッチに落下し腰部を強打し負傷しました。痛みあったものドクターとフィジオ二人がピッチ上で簡単にチェックし応急処置しプレーは続行しました。
メディカルスタッフは試合後に検査やテストをしました。試合を続けてプレーが出来るほどの痛みだった事などから腰部の打撲と診断されました。その選手は患部の治療を数回受け数日で練習復帰しメニューをこなしましたが、練習後その選手とアスレチックコーチが僕のところに患部の治療の依頼をしてきました。


僕は現在は鍼灸師として仕事をしています。
残念ながらここでは外傷を取り扱う柔道整復師の資格はほぼ認知されていません。皆はその資格がどんなものか理解していません。もしかすると日本国内であっても悲しいかな柔道整復師の事を理解している一般の人は少ないのかもしれません。


理学療法士(フィジオ)の資格を所持していないので、もちろん自分はフィジオという立場ではありません。なので外傷への対応に関しては悔しいですがなかなか対等に見てくれない現状も多少なりにあります。同僚フィジオからはそういう見かたをされる部分が多少なりともあります。言葉の問題があれば尚更です。
もちろん、ドイツでも日本と同様またはそれ以上にドクターに診断を委ねます。

僕はその選手を一旦治療のため診る事になりました。
治療の前にまず再評価を始めましたが、
どうもその選手が持つ痛みには違和感がありました。
限局性圧痛…腫脹…。
触診、叩打痛テストなどでもネガティブな材料があったので、骨折の疑いのある骨の部位を同僚メディカルスタッフに伝え、選手をMRI診断に送る事になりました。
フィジオ&Dr.同僚達の評価による意見は一致でした。打撲と診断され画像診断は必要ないと判断されたばかりの選手を画像診断MRIに送るという判断にアスレチックコーチは僕の判断を支持してくれましたが、中にはあまりいい顔をしない同僚もいました。


結果的に画像診断により疑いのあった骨に損傷が見つかり、選手は故障者リストに入り適切な治療とリハビリの計画メニューを受ける事になりました。
早期の段階で見逃した損傷を発見できたことから同僚スタッフからは賞賛とともに感謝の言葉をもらいました。

今回の件では、正しい身体の評価、怪我の評価が出来たのでスタッフや周りからは今まで以上に大きな信頼を得た感覚があります。こういった結果をきっかけに組織の中で資格に関係なく自分の立ち位置や価値が上がるのだと思います。
ここでは「資格」という意味ではそれを活かす事はできていませんが、大切なのはそれを取得するまでの過程と取得してから何を学んできたかという中身だと思っています。柔道整復師として外傷を評価し応急処置をするという基礎知識や臨床経験が活き、今回の様なケースに対応できたのだと感じています。


近年では、柔道整復師になってもなかなか骨折や脱臼など外傷には関われないことが多いと聞きます。しかしスポーツの現場や日常生活の中には色々なケースの怪我があります。今回のように骨に損傷があってもプレー出来てしまうような事もしばしばあります。我慢してプレーしているケースもあるでしょう。
なので僕たちスポーツトレーナーを志す者は骨折や脱臼はじめスポーツ外傷を詳しく知っている必要があります。そして、的確な対応ができれば最高です。
僕は外傷がしっかり見極められる柔道整復師を目標に学生の頃に勉強してきました。今でもその部分をどう対処するか判断に悩む毎日を過ごしています。

トレーナーには様々な仕事があり、求められる事も多種多様な職業です。
選手のケアをきっちりして痛みを和らげることができるというのも一つの大切な事ですし、トレーニング指導が的確に出来るのも一つの大切な仕事です。
そのような仕事の質をより高めるためにトレーナーは身体の事や、怪我についてしっかりと学び土台となる基礎の部分を固めることが大切なのではないでしょうか。


黒川孝一

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黒川の活動、体験談、短いコラムや日記形式で自身の経験をベースに書いた記事もまとめたマガジンです。色々と他のSNS等には書かない事もここでア…

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