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【開催報告】ドローンが創る未来とは(ドローンファンド共同創業者大前創希氏講演会①)

令和3年7月21日国際オープンイノベーションセンターにて、
一般社団法人吉備高原オープンイノベーション協会(以下、KOIA)の社員総会を行い、同日、設立を記念し「空の新たな可能性」という題目にて講演会が行われました。

これから5回に分けて、記念講演会の内容をレポートします。


<本記事について>
未来に興味を持つ人を対象に
ドローンが身近となる社会到来のイメージが湧くような内容になっています


記念講演の講演者は大前創希さんです。

経営コンサルタントとして有名な大前研一氏の息子で、Webコンサルティング会社クリエイティブホープ創業者。Webコンサルティングで様々な業績を残されています。並行してドローンに関する活動をされ、DroneFundを創業。現在は、代表パートナーを務めています。

ドローンに対する期待

日本は少子高齢社会です。
そのため、人口減少に起因する人手不足が社会活動において大きな問題となることが予想されます。
このような社会では、ロボットやAIを用いて、社会の生産活動を維持・発展していくことが求められています。
例えば、現状では郵便物の輸送はトラックを用いることが一般的となっていますが、無人ドローンを用いて輸送することができれば、トラック運転士の負担が軽減し、運送業界の人手不足も解消していくでしょう。
このように、ドローンは社会生活におけるあらゆる場面での使用が期待されており、それに向けた研究・実験が進んでいます。

「ドローン・エアモビリティ社会」

ドローンは陸海空のあらゆるフィールドで制御可能であるため、社会生活における様々な場面での活用が期待されています。
特に、都市部における移動時間の短縮、離島や山間部での移動の利便性の向上、緊急輸送や物質輸送の迅速化などエアモビリティという文脈での活用が期待されています。
このようにドローンが新たな移動・運送手段として利用される社会のことをドローン・エアモビリティ社会と言います。

ドローン・エアモビリティ社会の実現に向けて、3人のパネラーとともに岡山や吉備高原ならではの課題・問題点を踏まえてディスカッションをしていきました。

中国学園大学副学長  杉山慎策氏
日本政策投資銀行岡山事務所長 小林 貴史氏
イノベーションヒルズ株式会社 鈴木 肇 氏


車がドローンに取って代わられる時代

杉山慎策氏(以下、杉山) 現在、中国学園大学の副学長をしている杉山です。1905年くらいのマンハッタンの写真を見ると、写っているのは馬車と馬だけで、20年後同じ場所で撮った写真を見ると、ほとんどT型フォードの自動車に代わっている。100年前に、このような劇的変化が生まれました。今まさにそのような劇的変化に向けて動き出したところ。先ほど大前さんが話したように、車がドローンに取って代わられる時代が到来するのではないかと感じています。

小林貴史氏(以下、小林)日本政策投資銀行(DBJ)の小林です。DBJでは我が国の金融機関と比較しても数多の投資業務を実施していますが、近年、新しい概念の投資制度を発足させました。「Society5.0挑戦投資」という名称で、社会課題の解決を目指しテクノロジーの社会実装に果敢に投資することがコンセプトです。また、難易度が非常に高いため、出資して放置ではなく、積極的に経営関与(ハンズオン)し支援するというスタイルとなります。この枠組みのなかで、大前さんの資料にも出てきた「SkyDrive」にシリーズCのリードインベスターとして出資し積極的に当社経営に参画しています。オープンイノベーションという観点では、エアモビリティは墜落事故への備えは必須であり、損保会社ともコンソーシアムを組んで検討を進めているところです。

鈴木肇氏(以下、鈴木) 有難うございます。イノベーションヒルズにも吉備中央町を技術、オープンイノベーションを使って活性化するかという事について、特にドローンについて会場の皆さんの意見もお聞きしながら進めていきたいと思います。

大前創希氏(以下、大前) SkyDriveが吉備中央町に来たらどうなるかと想像してみました。こういう乗り物って、乗ってみたい人と乗ってみたくない人がいる。乗ってみたい人は、先ずエンターテインメントとしてちょっと未来の体験として乗ってみたい。5分くらいの体験からはじめる、そこの子どもたちがワクワクして集まって来て、新しいテクノロジーが体感できる。そこから始まるのではないかと思います。

SKY DRIVEより https://skydrive2020.com/air-mobility 

イノベーションと規制


杉山 そうですね、そのワクワク体験と規制緩和が大事ですよね。産業革命は今までイギリスから始まっている。スティーブンソンの蒸気機関もイギリスです。イギリスこそ自動車産業を発展させるべきだったけど、実際はできなかった。後進国であったドイツは規制が少なくベンツなどが車を作って世界を席巻した。イギリスはなぜうまくいかなかったのか、それは取得権益を持った馬車屋が車は危険だということで規制を強化し潰してしまったからなのです。だから間違いなく、大前さんも言われた、新しい技術を進めようとすると、たくさんの法律を作らなければならない。おそらくイノベーションを興すためには新しい規制はできるだけ少ない方がいい。また、ドローンで既に実現されているすごい実装例は、農業の分野で活用が進んでいると思います。稲をドローンで映像を撮り稲の葉の色をAIが瞬時に判別して必要な肥料を撒くようなことは既にできています。このように何かの分野で実績をあげて、そこから発展させていくことが重要だと思います。

上越妙高タウン情報より https://www.joetsu.ne.jp/119329

今まで自動車では、ベトナム戦争の死者の比ではないくらいの人が日本だけでも交通事故死として多くの犠牲者が出ているにもかかわらずこれだけ普及しましたよね。ドローンは、空を自由に飛んでいける可能性を秘めています。しかし、落ちて人が死ぬと大騒ぎをして、拒絶してしまわないようにしなければいけない。そうしなければ、そこでイノベーションがストップしてしまうと感じています。

小林 まさしくその通りですよね。大前さんにお伺いしたいのですが、規制緩和は重要と言われている中で、それをどうやって進めていくのか、そのやり方などを教えていただけますか?

続きの記事はコチラです。

文責:米村



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