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【開催報告】ドローンを社会実装するために必要なこと(ドローンファンド共同創業者大前創希氏講演会②)

ドローン社会実装に向けた課題は山積み

大前 「社会実装に向けた課題」があり、ドローンファンドも、この課題にしっかり向き合わないといけないと考えています。

スライド:大前氏の講演資料より ©DRONE FUND

スライドの通り、社会実装に向けて乗り越えないといけない4つの課題があり、(1)要素技術の革新、(2)実証実験から事業化・収益化へ、(3)法・規制の整備、(4)社会受容性の向上があり、法規制という点でみると、事業化というところを見せていかなければならないと思っています。

実は今、山梨県小菅村で、エアロネクストという会社が、5つのルートを作り、毎日のようにデリバリーをしているんです。最初、小菅村の人は懐疑的だったが、ドローンは落ちることは無いし、飛んでいるのも日中、怖さも殆ど無い、ということで村の人たちの意識がだんだんと変わってきました。

スライド:大前氏の講演資料より ©DRONE FUND

この事業では、レベル3という人口密集地外で、目視飛行を行っているが、バッテリーやプロペラを使用可能より少ない回数や時間で取り換えています。この事例から見える整備すべき法律は何なのか? メインテナンスのルールをどうするとか、万全ではないフライトをしたときにどうヒヤリハットの報告をあげるとか、今まで見えてこなかったことが出てくる。

例えば、機体整備の基準・制度、既存法律との整合性、免許制度の整備などにより、情報共有できる体制を作っていかないと、不安でない、安心した社会につながらない。なので、これからの実用に向けて、ドローンに対する「なんかこわい」というのを取り除くというのが、非常にポイントとなる方向性です。

鈴木 大前さんありがとうございます。会場にいる方で、何かご質問やご意見等ある方おられるでしょうか?

(会場から)橋本 スーパーシティ構想でアーキテクトをしている橋本です。ドローンは住民の方からすると抵抗がある。ですから急に激しいことをするのではなく、徐々にやる、吉備中央町だと自由に飛ばせる。ドローンについても新しいことをやりたいと考えているが、スーパーシティの決定が遅れているが、吉備高原でドローンシティが実現できれば未来を先取りし、子供たちの夢を実現できるので、きびプラザあたりから乗れるよう、ぜひ大前さんに協力をいただきたい。

大前 きびプラザには、モノレールの駅を計画していたということを聞いているので、そのあたりからドローンにのれるようになれば、面白いですね。皆さんの家にドローンが着陸できる場所があればよいですが、ラスト1マイル問題というのがあり、家の近くに着陸できないと、着陸した後、ロボットが荷物を受け取り届けることになる。これはめちゃくちゃ難易度が高い。そうすると身近にもドローンが着くことが必要になると思っています。

小林 私も吉備高原都市スーパーシティ構想に関係しているので少し補足すると、ヘルスケア関連の取り組みのなかで、薬の配送にドローン活用を企図しています。例えば薬事法において、薬の受け渡しには本人確認(認証)が必要となるところをテクノロジーによって如何に克服するかという議論をしています。このドローン活用は、山本町長をはじめ吉備中央町の強い思いが起点となっているわけです。大前さんの言われる「わくわく感」がないと難易度の高いスーパーシティ構想全体に取り組むモチベーションにも影響があると思っており、このような「こだわり」のようなものは大事にする必要があるとも考えています。

大前 自動車でも最初は多くの人が犠牲になり、改善されて今のように安全になってきました。ドローンやモビリティへの実装を行うとなれば、安全神話が優先されるという悩みがあるが、乗り越えなければならない壁と思っていて、いかに車社会より少ない被害で安全にドローンができるようする必要があります。

ドローン実装までのスピードは早まっている

杉山 やっと車が誕生以来100年たって、自動運転になって事故数は激減すると言われていますよね。私は楽天的なのかもしれませんが、大前さんが言われているようにAIとか自動運転技術を上手くからめることによって、実際にドローンが実装されるまでのスピードは早いと思っています。100年前は多くの馬車を引く馬がいたが、全て駆逐された。アメリカ全土で3千万頭の馬がいなくなったと言われています。今では残っているのは競馬の馬だけになっている。トヨタ自動車の社長の豊田章男さんは、極論でしょうが、自動車で残るのはスポーツカーだけだと言っています。ドローンが社会で実装が進んでいくなかでは、間違いなく車の自動運転などのイノベーションにより蓄積されたノウハウや人間のウィズダムが活かされると思います。

大前 さっき杉山先生が言われた馬車の写真は私も大好きで、よく引き合いに出すけれども、次の時代にはほぼ馬車はなくなる。これがまさにイノベーションで、皆さんもインターネットやスマートフォンで体験している。これがまさにここでも起こるだけで、普通にイノベーションというものがあり、しかも、そのスピードが劇的に早くなっているという時代じゃないかと思う。

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文責:米村






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