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『「嫌いっ!」の運用』(本の紹介)

みなさん多かれ少なかれ嫌いなこと(もの・人も含む)があると思います。僕もその一人、というか顕著で、前職の同僚からは「松尾さんは優しいけど、嫌いな人のことはとことん嫌ってますよね(笑)」と言われました。そう、嫌いな人は嫌い。

けど、「嫌い嫌い嫌い嫌い…」と頭の中でループして嫌な時間を過ごすことがあり、困っていました。本書は以下のような方におすすめです。

・会社の人のことがどうしても嫌い
・嫌いな作業がストレスで、会社に行きたくない

どうすれば「嫌い」とうまく付き合えるのでしょうか?著者の主張を大雑把に要約すると、以下の通り。

・「嫌い」が悪いというのは固定観念
・まず「嫌い」の感情を認める、次に理性的に対処
・「嫌い」をポジティブな方向に活かすことも可能

では、詳しく内容を紹介します。

「嫌い」はダメという刷り込み

私達の多くは家庭や学校で、誰かのことを嫌ってはいけない、嫌いなものを作ってはいけない、などと刷り込まれて育ちます。子供の成長のために、ある程度は人付き合いの幅を広げたり、食わず嫌いをなくしたりということは必要でしょう。

しかし、果たして大人になってもそうなのか?と著者は問いかけます。

・大人になってからも、私達はその刷り込みにとらわれているのではないか?
・ひとりひとりが「嫌い」を上手に表明し、同調ではなく差異を認めて協働することが豊かな大人のコミュニケーションではないか?

「嫌い」の種類

まずは脳の働きの説明から。「嫌い」は2種類に分けられます。

①本能的な「嫌い」
扁桃体によるもの。快・不快を瞬時に判断。
(例)「生理的に受け付けない」「言葉に出来ないけど気持ち悪い」

②理性的な「嫌い」
眼窩前頭皮質によるもの。ものごとの価値を見極め、自分にとって好ましいか・好ましくないかを判断。我慢すればなんとかなる。何かをきっかけに判断が更新されることもある。
(例)「この店の味が好き」「この顔は苦手」

嫌いな人のタイプ別 対処法

嫌いな人は嫌い。嫌いと認め、なぜ嫌いか分析し、対処しましょう。

・高圧的な人、攻撃してくる人
距離を置きましょう。もし距離を置けない場合は、逆に敢えて近づき、教えを乞うことが有効です。

「自分のどこがダメなのか、改善するにはどうしたらよいか」とアドバイスを求めます。アドバイスをもらえたら、感謝の意を示します。すると相手は感謝されたことで快感を覚え(脳内にドーパミンが大量に分泌し)、それ以上攻撃する意味を失います。

・妬ましくて、嫌いな人
「どういう点に妬みを感じているのか」を自分に問いかけます。妬みポイントが明確になったら、「自分がどのような状態になれば妬まずに済むか」というゴールを設定し、取るべきアクションを具体的に考えましょう。

・なんとなく嫌いな人
「嫌ってもよいのだ」と冷静に考えて開き直りましょう。「嫌い」を一時的に「嫌いボックス」に放り込む感じでほったらかす。後で取り出したら好きになるかもしれないです。
(松尾コメント:おそらく本能的な方の「嫌い」なので、そういうもんかと開き直るのがいいってことだと思います。)

「嫌い」のポジティブ活用例

・「嫌い」の解決
自分が嫌いなことは他の人も嫌いかもしれません。そのような「嫌い」に気づき解決することは、多くの人に役立つビジネスにもなりえます。「嫌い」は「宝の山」、かも。

・己を知る
秋元 康さんは嫌いな人と敢えて定期的に会い、なぜその人のことを嫌いなのか理由を深堀りすることで、自分の信念や好きなことを発見しているそうです。
(松尾コメント:嫌いなことは、自分の信念・価値観・好きなことの裏返しであることが多いんでしょうね。)

深掘りする際は感情を削ぎ落とし、客観視するのがコツです。その方法の一つは、書き出すこと。文字にすることで、自分の「嫌い」を一歩引いて客観的に見ることができます。

まとめ

嫌ってもいい

まずは「嫌い」という感情を認める

・その後で、以下のような対策を取る。
   - 「嫌い」を嫌いのまま放置
   - 「嫌い」を分析し、対処
   - 「嫌い」を分析し、逆手にとって有効活用

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