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#32 「雨、降り終わりましたね。」

8月25日から10月4日までの約1ヶ月とほんの少しかけ、各地を巡った「\\\\展(Ame Ten)」は、ついに最終回を迎えて、無事終了しました。

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長島町、霧島市、名古屋市、鹿児島市の4カ所で、出会った人たち。食堂あさひや、沖玉、ON minor project、レトロフトMuseoの方々。着物を送ってくれた全国各地の皆様。解くのを手伝ってくれた大雅くん。動画撮影・編集をしてくれた鮫島歩君とかざりちゃん。モデルを受け入れてくれた廣瀬家一同。遠方からやってきてくれた仲間の方々。
みなさんとのたくさんの結びつきのおかげで、この一月以上かかった巡回展を達成することができました。本当にありがとうございました。

体感と比べると、ほんと言い足りない。全て集約仕切れないもどかしい気持ち。本当にありがとうございました。

先日、展示に訪れた方のていじを持った写真と言葉をInstagramでみかけて、
うれしくて、ファミレスで号泣してました。

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◯ レトロフトMuseo

▼ 展示の様子

最中は、全ての展示を通して、ていじたちを百点以上を生み出しました。レトロフトの展示では、百名以上の方がいらっしゃっていて、その多くの方々の暮らしの中に入っていきました。

ほんとうれしいなあ。
おかげで、たくさんの方と繋がれる「余白」が生まれました。

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◯ 余白があること

たった今バッグの形をしているていじは、ハサミを使用しておらず、小難しくいうと、可逆的な形をしてます。

折り紙を想像してもらえると、分かり易いかも。

可逆的とは
一旦進んだものや、変化したものを、元の状態に戻すことができるような性質や機能のことを幅広く指す言葉。逆の意味の言葉は「不可逆的」。

※日本語活用形辞書引用 

だから、たった今バッグの形をしてるていじは状態を示す名であり、着物は着る物であり、状態を示す名です。

着物は余白のある衣服で、次世代に継ぐための余白があります。

変わる余地を残したていじは、
着物のアイデンティティを授かった形と信じています。

つまり、ていじを渡した百名以上の方々と「次」に携わる余白が生まれたのだとも思っています。これは、凄いことだと思うんです。


たとえば、
ボディーが纏っていたワンピースをご覧になっていただけましたか?
名前を「ひゆる」といいます。

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この子は、くびのまわりがひゅるりと風が吹いたような形をしている。
だから、名前を「ひゆる」といいます。

解くと反物に戻り、「ていじ」にだって「着物」にだってなれる。

それが、可逆的な衣服。

最中として、あたらしい形を生み出せたら、更にあたらしい状態を渡せる。腐敗しやすい流行りとは関係のない価値となる。(だから、セールにだってはならない。)

それが、余白です。

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◯ 服のようなバッグ

「揺らぐ自分を包んで一緒に揺れてくれるような感覚があって、からだと気持ちにとってもフィットする。」「お洋服のように “テイジ” を身につけて、あちこちお出かけしたい。」

ていじを手にしてくれたお友達が、こう表してくれた。ぼくも、そう思う。

服のようなバッグであり、
バッグとも敬称しがたいていじに一番近いのは、ポケット。

何も入ってなくても、ポケットはいつもくっついてくる。

ていじという、おっきなポケットをくっつけて外出してくれたら、いざと言う時に助けてくれるし、上から羽織りを纏ったとしても、挿し色としてたのしい。

そして、揺れる。

あかちゃんを包むだっこ紐のように幅の広い持ち手は、元々の形(反物)のまま。デザインは、時にそれを許さない。彫刻のように余白を削り、スマートにすることは、西洋の在り方に似ている。

それを敵(かたき)にしてる訳ではない。西洋の生み出す視覚的うつくしさと東洋の生み出す精神的うつくしさの最中をつくれたら、それがいい。

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◯ 感覚的に選ぶこと

最後に、面白いなあとかんじたこと。
バッグは、基本的に理由(旅行だったり、出張だったり)があるから持つ物である。故に用途に合わせて、機能に合わせて選択する。

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この展示は、柄や色や形に反応して選択する。
より感覚に近いところだから、収穫するようにもぎって身に纏う。

考えて選ぶだけじゃない「感じる」をしてもらえて、ほんとよかった。

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◯ さいご

\\\\(ame ten)展
この御時世で、体調不良の方が出なかったことが何よりもよかった。お忙しい中、おいでくださった皆様、本当にありがとうございました。

着物の形を更新したと、こっそりと想っています。
伝統は閉じて守っていく方向にいくと、衰退してしまうから。
そして更新する人は、常に伝統のないところから。

最中として、あたらしい形をまた生み出せるように。
余白をつくっていきます。

降り終わっていなくてAmeTenは閉幕しますが、雨はまた降ります。各地で、まだまだ続きます。

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次の展示は、
2020.11.21(sat)−12.6(sun)
ash
食堂あさひやとのコラボレーション。
展示場所は、長島町です。

最中の展示とカイユーヤの料理を食べに来てもらえたらと。
どうぞ、よろしくお願い致します。

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最中/サトーコーヨー

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