見出し画像

#34 つぼを売る占い師

\\\\展(AmeTen)の好評を頂いて、バッグの形やコンセプトを評価してもらうことが多かったけれど、展示空間をよく褒めてもらった。

それはそれは、うれしい。

正直いうと展示空間ができて、人が見てくれているという状況ができた時点で、達成感を満ちていました。

画像1

画像2

画像3

画像4

画像5

この展示は、説明することばの少ない空間でした。

訪れた方々に、何が言いたいんだろうって考えてさせてしまって、たくさん質問してもらい、口がよく乾いたものです。

とはいえこれは、訪れた方とたくさん対話する為の戦略などでもない。というか、そんなこと思い付きもしない。大体のことは、結果的にそうなる。

思考は宛にならないから、戦略なんてもの僕にはない。目の前にあるから、感じて考えて行動して、そのとき心地良い最適解を出して、様子をみる。そして修正。その繰り返し、その繰り返し。

展示を「感じる」をしてもらって、どんな構造なんだろうって「妄想」してもらって、その時間を楽しんでもらいながら、最中としての心みたいなものをことばで渡す。その繰り返し、その繰り返しでした。

ーーーーーーーー

「これは、どんな意味があるんですか?」

見事、第1位の質問です。
みなさんは、意味や答えが欲しいのだろうと思います。

会場には意味を為さない(商品そのものと関係がない)ものをたくさん置いていましたから、そうなって当たり前なのですが、、。

でもそれらを見て感じて、意味を自ら見出す方もいらっしゃいました。それは、とてもうれしい妄想でした。

「山での暮らしや自然を感じました。」
「木の実を収穫しているような気分になりました。」など

ーーーーーーーー

ぼく個人は創作する/進める過程で「無駄を加える/手放すこと」ことが、大切。操作しないことで生まれる世界があります。

役立たないものがあるから、必要なものが際立つ。

役に立たないものを排除したって、いま役に立ってるものから無駄が生まれるのが、真理。(働きアリの法則)

意味を加えることを「手放すこと」で、見てくれる人側の着想から妄想がむくむくと広がっていく。だから、行政系の資料は妄想する余地のなくて、苦手。

こちらの答えなんて、どうだっていい。
「伝えたい」も度を超えると、発信側の支配で不自由になっていくから、みたひとがどう感じたかを、いちばん守りたい。

ーーーーーーーー

最中(さなか)は、抽象的な表現が多い。
環境問題や地域課題に触れてる部分はあるけど、そこは言葉にしない。
(極力、控えている。)

多くの企業が売上をあげて、社員の暮らしを守る為に、自身たちの生み出した価値を証明する為に、環境なんて度返しにやってきた結果な訳で。環境を壊そうぜ!ってやってきた人たちはいない(?)でしょう。

結果的に今となったならば、
結果的にそうなるように設計しないとって思う。

だってさ。
積み木を積み上げて、壊して、誰よりも高く積んで、壊して。積み上げた一番上のブロックから、ひとつづつ崩してなおしていく人が殆どいないのに気が付いたのは、最近のこと。

だから、箱にしまうのが楽しくなる仕組みを考えないと、って思う。

つまり、環境をよくしよう!って宣言すると同じ価値を持ってる人たちは強固になっていく。だけど、環境なんてどうでもいいと思っている人たちには届かなくて、たばこを吸う人が追いやられていったみたいにやさしくない方法で環境が変わっていくかもしれない。

それは、いやだ。

「好きなのを選んでたら、実は全てにやさしい」
そんな世界がいい。

だから、極力控えてる。でも、だいじ。

ーーーーーーーー

画像6

壺をつくり出したのは、無駄なクリエイティブを日常にするため。
陶芸家さんへのリスペクトはあるから、遊びでコンセプトを考えた。

「いかさま」という占い師が手づくりの壺を売り付けてくるが、それが意外とかわいい壺だったから嫌な感じがしない。

画像7

そもそも形を考えたりしない。
「口があって何が挿せそうな壺っぽいもの」くらいしか決めない。

ーーーーーーーー

(最中から)生まれたものには、意味があるものばかり。それ以外には、意味がないものばかり。

その階調も、最中。

何を感じるかは基本的に手放しているから、それはあなたの中にあったもの。やさしい形、とがった形、みえない形、ことばをなさない形、いとおしい形、わびしい形、こわい形、その時々の気持ちで変容する不安定なかたち。

ちなみに壺は、1000万円で販売しています。
経費は、(紙粘土と絵具で)150円です。

150円は、150円の価値だと思いますか?
1000万円は安いと思いますか?高いと思いますか?
ぼくはこれぽっちも何も思いません。ただ!無駄ではあるけど、無価値とは思わない。できれば、500円は欲しい!何故かぼくの心は、+350円の価値を見出しているのです。

それって、なんだろう。
よう、わからん。

500円出す!って言われても絶対うらない!
1000万円で買ってもらうから!うらないの技術をもっと磨くね!
どうでもいいコラムと無駄な壺が誰かの価値になるといいなあ。

さいっこうの無駄時間にお付き合いありがとう!
無駄に幸され!仕事のつづきしようーっと。

サトーコーヨー
ーーーーーーーー

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?