いつかの日 #1

祖父が死んだ。
夏の真ん中に、

父が喪主を務めていた。
必死になっていた。

自分も父が死んだら喪主をするのか。

お坊さんが念仏を唱えているとき
線香に火をつけるための大きい蝋燭がやけに目に入った。

火が揺らぐことなく、ただ真っ直ぐに立っていた。
見ていて重さ感じた。
とても美しかった。

理想の人生の振る舞いのように感じた。

あの蠟燭のように揺らがずに消えずに人生を溶かしていくことが
自分にできるのだろうか

そもそも火は、付いているのだろうか。
付いているのならば

いいなと思ったら応援しよう!