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「人生の後半」とキャリア形成 | いつまでも見せかけの上昇を追わない不動産屋

正午を境に太陽は沈む~東村山の不動産会社

年齢を重ねれば体力も落ちてくるし、健康面にも不安が出てきて、何かと若いときのようにはいかなくなるというのはそんなに難しいことではありません。ただ、頭では理解できていても、いざそれが自分の身に降りかかるとうろたえるものです。
 
仏教や東洋の哲学では、老人の知恵や経験に敬意を持つ考え方は割合メジャーですが、今の日本は若いことに価値があるのならまだマシで、幼いほうがよいかのような退行現象さえも見られます。
 
日本でも知名度の高い心理学者、ユングは40歳を「人生の正午」と人生を太陽の運行にたとえました。今は人生100年時代などと言われるようになっているので、40歳は50歳に。または40代後半~50代前半などのようにもっと柔軟に、あいまいにとらえてもいいのかもしれません。
 
私の手元にあるのは古い版ですが、河合隼雄著『ユング心理学入門』(培風館)には、「いつまでも見せかけの上昇を追うことなく、下ることによって仕事をまっとうする逆説を生きなければならない」と書かれています。
 
正午を境に太陽は沈んでいきます。午前のすべての価値観と理想が逆転、今までの価値概念が急激に変化していくことに戸惑い、生きていくことの意義を見失うことで「人生最大の危機」を迎えることになるのです。

今までのやり方では結果が出せなくなる年代~東村山の不動産会社

具体的には、もう若い頃のようにギラギラした自分ではないにもかかわらず、仕事のやり方はギラギラしていたときに学んだり、築いてきた価値観に基づく方法のままなので、なかなか今の自分が望むような結果が出ずに苦しむというようなことがあります。
 
もう今はギラギラしていない自分に気付いているか、それさえ気付けていないかにかかわらず、「自分が正しいと考えている思考のプロセス」を変えるべき時期であることを知らないまま、心身の老いは理解できてもかみ合わない理由がわからずうろたえることになるのです。
 
人生の正午を過ぎた、自分の現在におけるいちばん大切な「本当の欲望」は何なのか。そこをクリアにして、その欲望を守り育てることが傾き、沈んでいくことに人生の意義を見い出すということではないでしょうか。
 
「第2の思春期」と言ってもよいように思います。自我の意識が確立される10代の思春期のほうが、どちらかと言えば優先されてきましたが、これからの中年期以降のキャリア形成や人生設計は、それまでの経験に頼り過ぎない柔軟な発想が求められるように思います。
 
思春期は飛躍の時期であると同時にうつや自死など、一歩間違えると何かと危険な時期でもあります。若さやその価値観に固執せず、40代なら40代、50代なら50代を生きるという考え方が大切でしょう。

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