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【京都】「弘法市」に迷い込む

食品に関する取材のお仕事をしていた頃に書き留めておいたメモを手直ししてnoteします。今回は2002年4月の京都への旅から風景記です(お店の名前や料理、地名など記事の内容は当時のものです)。


近鉄東寺駅から東寺までの道では「老若男女」という言葉がピッタリの状況。
年配女性のグループ・本物の金髪の外国人・偽者の金髪の日本人カップル・本物の白髪の日本のカップル・家族連れ・中年夫婦・胸にそろいのバッジの観光客・・・・東寺に向かう人々と東寺からやってくる人々。
狭い歩道を楽しげに歩き行き交う。
その様子だけでも期待は高まる。

ところで東寺って?

東寺で毎月21日に「弘法市」が開かれていると聞いて、仕事の取材の前乗りで出かけた。
ところで東寺ってどこよ?
な感覚で、とりあえず京都へ行けばなんとかなる。
でやってきた。

フリマは好きだけどこれは

市は寺の境内でやっていると聞いた。
確かに境内でやっていた・というより寺の門をくぐると・・・・いやいやくぐる時には、もう出店が始まっているじゃないか。
たこ焼き屋、甘納豆屋のとなりに古着屋さんで古布、そのとなりに骨とう品、そのとなりはお好み焼き、陶器屋、ガラス玉、履物、また食べ物やさん、印章材料、足袋、漬物屋、カバン屋さんに乾物屋さん、染物、輸入雑貨、洋服、また骨とう品・・・・もう雑多な出店が、雑多な順序で並んでいる。
全部見て回ろうなんて、きっと無謀なことだろう。
そうだ!「今月の弘法市の歩き方」なんてパンフレット出したら売れないかな?
毎月あるならベースを作って、店名だけ毎月書き換えて‥‥などと。

そこらのフリマと違うのは

出店の並びと、大勢のお客の流れに流されながら、店をのぞきながら・・・・途中「唐揚げ屋さん」で唐揚げを買い、それを食べながら歩く。
一軒の布屋さんで暖簾を見ていると店主が寄って来て
「これは本藍で染めたものを一回洗ろうてあるものです。コッチは中国で染めたんです・普通は並べて売らしませんのですが、違いを知ってもうて、買うてもろうたほうがええ思うて並べてます」って・・・・んんんん・・・なんて返したらいいのだろう。
「そうでっしゃろなぁ」くらい、言うたほうがええのんと、ちがいますやろか・・・・・かな?

歩き疲れた夜には居酒屋一択

夕食を探して京都の夜は先斗町のおしゃれな店を眺めながら歩く。
結局どこの街にもありそうな普通の感じの居酒屋に入る。
カウンターの前には、ドデカイ芋の団子がある。
注文するかどうか迷ったが、すぐ隣のカウンター席の女性2人組が1個注文していたので、それを見てから決めることにする。
トウフのサラダ、揚げだし・・・・いろいろと面白い名前がついていたが、基本は居酒屋メニュー。冷たいビールがあれば他は不要。
注文を控えていた「イモ爆弾」は、翌日の取材でたらふく揚げ物をいただくことになり、やはり控えて正解だった。

京都のまちも日本の観光地の町である。もっと普通の京都を知るにはどうしたらいいのだろう。雨に煙る東寺の東塔は、数百年の歴史の中で、何を思い・見てきたのだろう。

取材日:2002年4月21日(日)

◆何度か京都を訪れた際に弘法市に行けたときに書き留めておいた取材記番外編のひとつです。この時の本取材は神戸の食品工場だったのですが京都に宿をとりました。いつかは弘法市を目的に旅に行きたいと願い続けています。よかったら「スキ(♡) 」を押していただけると励みになります。

※見出しイラストは
カメラマンのイラスト by Loose Drawing 少し加工しました。

https://loosedrawing.com/illust/1034/


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