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時々、再マイブームが訪れるときのワクワクがたまらない。それは、きっと、じぶんが好きなものかもしれない。

またテレビに録画した番組がらみで、年を越しても、気になっていることがある。

年末全話一挙再放送していたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)』で、主人公・津崎平匡役を演じた、星野源さんが気になってしょうがないのだ。放送されていた当時も、リアルタイムで観ていて、一時期ドラマには、ハマっていたが、今回またドラマを観て、星野源さんにハマってしまった。

星野源さんは、「プロの独身」と自称する地味な役柄で、淡々とした芝居を通して、ヒロインの森山みくり役・新垣結衣さんの妄想爆発キャラを、いい感じに引き立たせる主人公。

星野さんと新垣さんのコンビを観ていると、じぶんの夫婦生活と一部重なるせいか、妙に2人を応援したくなったり、観ている側をキュンキュン、時にハラハラ(あーそういうこと言っちゃだめだよーみたいな)気持ちにさせてくれる。

このドラマの原作が漫画で、ぼくは、漫画の方は、まだ読んでいない。よく漫画原作の実写ドラマを観ると、漫画ならではの演出やセリフが、ぼくの中で、妙に鼻につくのを感じることが多いのだが、今回のドラマは、明らかに漫画・アニメ・パロディ演出が盛り沢山だったけれど、気にならなかった。あえて、鼻につきそうな演出に振り切ってしまっている潔さと、平匡、みくりの2人を含めた、出演陣のキャラが、みんな活きていて、彼らを応援したくなる、いいドラマだ。

個人的に気に入っている定番のドラマのシーンがある。平匡とみくりが食卓で向かいあって、横位置カメラ、ご飯を食べているシーンだ。みくりが平匡に話題をふる時、必ず平匡は、箸をテーブルに置いてから、まっすぐみくりを見て、話をちゃんと聞く姿勢がいい。ご飯の食べ方や食卓での会話に丁寧さが感じられて、2人が何を大事にして日々生活しているかが伝わってくる。案外、こういうちょっとした光景の中で、夫婦として、一緒に住む人との相性みたいなものが分かってくるのかなぁと思う。

あくまでも、平匡やみくりのキャラが、そういう役柄なので、実際の星野さんや新垣さんが、そういう人たちかは分からないけれど、役者のイメージとしては、だいぶ、この『逃げ恥』のキャラの印象が強く根付いた気がした。


星野源さんは、「恋ダンス」で逃げ恥ブームをもたらした、主題歌『恋』を歌うアーティストとしても印象に残っている。「夫婦を超えてゆけ」という最後の歌詞で、両手の人差し指だけあげて、前に交互に突き出す動作を、ぼくの奥さんと一緒に真似していたことがあるぐらいに、ダンスはノリノリであった。

ダンスを見ることも、実際やることも、あまり興味がなかったじぶんだったけれど、このドラマを観ている最中は、違っていた。彼が紡ぎ出した曲とキレキレのダンスが、うまくハマって、なんて気持ちいいダンスなんだろうと、再放送の各話のエンディングを観ていても、小躍りしているじぶんがいた。

じわじわと、星野源さんの興味をかきたてられていく中で、2019年末に家の掃除をしていて、本棚からあるものが出てきた。

『働く男』
『ダ・ヴィンチ2017年5月号』

『働く男』は、星野源さんのエッセイ集だ。「すごく変な本です。」と帯に書いてあった。たぶん買ったのが、2年前ぐらいだったはず。たぶん、『逃げ恥』ブーム後しばらくして、興味を持って買ったが、飽きてしまって、読まなくなったのだ。

この本の前に出た、『そして生活は続く』は、たしか全部読んだと思うが、その本も変わった本だった。たしか、彼が急に夜な夜な、お風呂のシャワーカーテンを洗い始める話が書かれていたのは、覚えていた。

今回、積読されていた『働く男』を、読み始めてみると、たしかに変な本だったが、同時に、オリジナリティに溢れて、ユニークで、個人的にニヤニヤしてしまう本だった。

ちょっとずつ読み進めていて、彼の映画感想の切り口が、彼自身中心で語られていることに、感銘を受けた。彼の過去やこだわり、琴線に触れることと結びつけて、映画の感想が語られているので、ただの個人の感想も、彼の世界になっていた。

共感できる感想から、理解しにくい感想も含めて、合わせて、全力で向き合ってる感じが伝わってきて、いいなぁと感じてしまった。まだ、途中までしか読んでいないので、ゆっくり読み進めていきたい。

『ダ・ヴィンチ2017年5月号』。これは、星野源さん特集の刊だ。表紙には、星野さんが白いシャツを着て、片手に米澤穂信の『王とサーカス』を抱えている写真だった。星野さんの当時最新作の『いのちの車窓から』の刊行記念特集ということだったが、なんでこの雑誌を買おうと思ったのか、あまり覚えてなかった(『いのちの車窓から』は読んでいない)。

たぶん、『逃げ恥』で興味を持った星野源さんと、『古典部』シリーズで、ぼくがハマっていた作家の米澤穂信さんとの対談があったから買ったのだと思う(実際、この雑誌を先日発見するまで、対談が書かれていることすら覚えていなく、中身も読んでなかった)。後で、読もうと思って、放置していたら、いつの間にか、ぼくの中で、忘れさられていたのだ。

実際、手始めに読み進めてみると、星野源さんのインタビューの中で、『逃げ恥』の制作エピソードが語られていた。その中で、当時の制作プロデューサーが、原作の主人公の平匡とみくりを、星野さんと新垣さんで演じてもらったら、おもしろくなるんじゃないかとか、ミュージックビデオの「恋ダンス」を流行らせるわけではなく、ダンスが素敵なフリだから、そのままドラマのエンディングでキャストに踊ってもらいましょうとか、「いいんじゃないか」というスタッフやキャストによる、ポジティブなアイデアで制作は進められていった。結果的に、相乗効果に繋がってドラマがヒットしたと書かれていた。いいアイデアだと思って、実験してみたら、うまくいったっていうのが、聞いていて、今っぽいなぁと感じた(2年前の記事だけど)。

星野さんが、インタビューで、言っていたこと。

「多様化が進む、個人それぞれの気持ちが大切な、いい時代になったなぁって思うんです」。

この感覚は、今ならより共感できる。

まだ読んでいないページが、残っているので、時間ある時にでも、読んでみようと思う(また、後回しにしたら、忘れてしまうかもしれないが)。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。2〜3年前ぐらいに流行ったことを、今更ながらマイブームと感じて、ヒトリ小踊りして、勝手にたのしんでおります。ただ、ブームがきて、好きなのかどうかと聞かれたら、よく分かりませんが、好きかもしれません。ただ、ハマっているじぶんであることは間違いないと思います。

井上陽水に引き続き、星野源さんにも興味が湧いてきて、ぼくの中では、忙しくなっています。年末年始の特集番組って、ぼくにとっては、興味を呼び起こしてくれる媒体です(たまにしかやらない番組が多いからだと思います)。




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