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【激レア?】海外コーディネーターの裏側 Vol.3

堺から世界へ、パナマではホルヘです。本日はコーディネートとはの第3弾です。



あまり知られることのない中南米・カリブ・南米海外コーディネーターの仕事について記事を書いております。



過去の記事を読んだことのない方は、以下からご確認ください。


そうです、これで第3弾目となり、クルー到着後の現地対応から放送までについて記載致します。そう、以下の4にあたる部分です!


1.海外コーディネーターとは?
2.受注から現場撮影までなにをするのか?
   Reserch
   Permission
   Schedule
3.現場の対応
   A:携帯電話の入手
   B:車両会社、ホテル、アポイントを撮っている方々のリコンファーム
   C:全行程で回れる範囲を車でざっと観ておく
   D:レストラン情報のアップデート
   E:日の出、日の入りの正確な時間の把握
   F:俯瞰ポイントの再整理
   G:街歩き 最近の流行りをみる  
                      
「4.撮影終了後から放送まで        
 
   a.通訳
   
   b.スケジュール変更と無茶振りへの対応 
   c.後リサーチ                        」
5.撮影コーディネーターの楽しいこと 辛いこと
6.コーディネーターに求められる能力
7.コーディネーターに必要な資格


クルーが到着してからは、決められた撮影スケジュールに沿って予定をタンタンとこなしていくだけなんですが、現場中と終わってからやることをあえて書き出すと大きく分けて、A.通訳 B.スケジュール変更と無茶振りへの対応 C.後リサーチのこの3つです。


それでは早速A.通訳から行ってみまひょか!


A.通訳

スクリーンショット 2020-05-24 午後8.20.15

現地入してからかなりのウェイトを占める仕事がこの通訳です。現地案内人でありながら要所要所の通訳なんです。現地の街頭インタビューで、「すいません、インタビューさせてください!日本のTV局です」から始まり、現地人と日本のクルーに入り、通訳をおこないます。

 


通訳にもポイントがあり、そのポイントを踏まえて、ガシガシ訳していきます。特に日本語って難しい言い回しがあるんですよね。 



日本独特の言い回し、「日本語しか存在せぇへんのちゃうの?」っていう言い回し。これをいちいち直訳していると現地人もわかりにくくて自分もパンクします。

 


たまに「僭越ではございますが」とおっしゃるディレクターがいますが、「おい、日本語でもわからんやつおんぞ!」と内心突っ込みながら現地にわかりやすい言葉に置換して訳すんですが、この置換が大事なんですよ。でもよく考えるとそこって、メインの文章じゃないんですよね。こういうのはもう簡単に「すみませんが〜」でいいんですよ。目的はその次の部分なんですから



翻訳(直訳)に一生懸命になりすぎて、引き出したいことを聞けなくなったり、言いたいことが言えなくなったらOUTです。難しい4文字熟語とか慣用句とかもスペイン語で存在しますが、相手の立場を考えて、その熟語や慣用句、はたまた言いたいことを簡単に置換してあげるこの置換力がめちゃくちゃ必要です。


以前ボクシングの世界王者決定戦の事前インタビュー通訳でこのようなシーンがありました


「あなたは地位も名誉も手に入れましたが、次、手にいれたいモノがあるとすればそれは、何でしょうか?」


当時「地位」って単語がすぐにでませんでした。でもこのアナウンサーが聞き出したい答えだけは、わかっていたんです。


皆さんはわかりますか?

世界王者決定戦前の対戦相手インタビューで、アナウンサーが聞き出したかった答え。




そうです、ほしいのは


【世界チャンピオンベルト】


この言葉がほしいんです。


なので、この場合の通訳で『地位』の単語がわからずテンパっている暇も、へこたれてる暇もないですし、収録をとめることもできません。


だから私が通訳した内容は、スペイン語で以下です。


「あなたはもうすでにこのような大きな家、そこにいるきれいな奥様、そしてCMにも出て世間に知られ、名誉も得た、さぁ次は何がほしいですか?」


即座に返答がありました


「ちゃーんーぴお〜ん、べーるーとー」って


これなんですよ。


この置換力と要領良く通訳する力がコーディネーターには必要です。


通訳ってこわいですよ。ぽんっ、といってきますからね。これ訳せって。


常日頃やはり、いろんな単語に触れておくことが非常に大事なので、小さなことからコツコツと!で頑張りましょう。 


まとめると、読解力じゃないですが、この人が何を伝えたくて、何を聞き出したいのかを瞬時に読み取り自分の知っている文章で置き換えて要領良く通訳できれば、それでOKなんです。


企業案件や、国際的会議でこれをちゃんと訳さないといけない部分もあるので、そこはあくまでも臨機応変に、です。



B.スケジュール変更と無茶振りへの対応

スクリーンショット 2020-05-24 午後8.15.50

はい、現場が始まるとこれにつきます。スケ変のスケ変のスケ変で、スケ変が確変します。

もともとあるスケジュールはあってないものと思うべし。


ちょっとねー、こここうしたいんだよねーって言われたら、はいはいはい、そうですよね そうですよね ーって、

このスケジュール変更できないか!?さすがに、無理か? と問われたら、この部分まではなんとかできると思いますが、とりあえずトライだけしてみますよ、と返します。


他の章でも言いましたが、撮影は『天候』を重要視しますし、撮影が押したり、芸能人の体調が優れなかったりと変更は日常茶飯事です。

でも逆にここの調整力がコーディネーターの腕の見せどころなんです。


私のコーディネーターとしての座右の銘は、ナポレオンではないですが、


「いかに不可能を可能にするか」




どんな無理難題も実現できるかは別として、やる気100%で回答します



2014年に大阪のハイヒールりんごさんももこさんと今はなきビー・バップ・ハイヒールの30周年番組でガラパゴス諸島に撮影に行き、コーディネーターとして参加させて頂きました。 


りんごさん、めちゃくちゃいい人なんですけど、めちゃくちゃ真面目で怖いんですよ。笑 ほんでガラパゴスついてからずっと雨が続いてて、真顔で「明日雨やったらどうすんの!?」って言われたんですが、その時は反射で


「いや、なんとかしますー!!!」 って返しました。


無意識に回答してました。


幸い、翌日晴れたんでよかったんですがね。笑


でもこういう前向きな一言一言が非常に大事なんですよね。

ハイヒールさんて自分がゆうのも大変恐縮ですが、本当に人間のできたお方で、こんなド素人のワタシめと現在に至るまで親しく交流してくださっており、帰国時には食事につれてってもらっては、「あんときの回答は一生わすれへんわ〜」なんておっしゃってくれる度に涙がちょちょぎれそうになります。

見てくれている方は見てくれているもんです。


ハイヒールりんごさん、ももこさん、見た目以上にめちゃくちゃ人情味あってパナマ一の大ファンです。


りんごさんから言われた『今までの』か『南米』でか忘れましたが、コーディネーターで3本の指に入ると言われた言葉は今までのコーディネート歴で最高の褒め言葉でした!


C.後リサーチ

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現地で撮影が終わると最後にはだいたい一番良いレストランを手配しておきます。景色抜群とか、とびっきりうまい◯◯が食える店とか。いわゆる打合げですね。それがおわって皆様を空港へおくりだして終了です!


皆様が空港から出たらほッとします。


撮影中は、一番最初に起きて一番最後に寝るような日々が続くのでほとんで寝れません。この日はいろんな緊張感から開放され唯一ゆっくりできる日となります。


とそうこうしているうちに「後リサーチ」ってのが始まります。リサーチは、以前もあった裏取りですが、この後リサーチも同じようなものです。日本に帰って番組の編集作業が始まり、そこで補足説明のために必要となる情報やインタビューした人にさらに追加で質問したりする編集時に必要な情報集め作業ですね。


例えば、撮影中にいったスタジアムがあるとします。この球場の集客人数、VIP席の数、入場料金、年間の試合数とかを調べてほしい等そのような類の質問がきますので各球場に電話をしたり、ホームページから調べたりと良き番組作りのサポートを最後の最後までします。



そうして、いよいよ放送日を迎えるわけです。




少しずつみえてきましたでしょうか?番組の裏側。


次回以降は、コーディネーターになるための素質他について書きます!


Fin


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