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『演技と身体』

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東西の哲学、解剖学、脳神経学、古典芸能(能)の身体技法や芸論を参照しながら独自の演技論を展開しています。実践の場としてのワークショップも並行して実施していきますので、そちらも是非… もっと読む
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#演劇論

『演技と身体』Vol.43 観客の身体性

『演技と身体』Vol.43 観客の身体性

観客の身体性演技における身体性といえば普通、役者の身体性を思い浮かべるだろう。だが、役者や作り手は最終的には観客の身体性にも責任を持たなければならない。つまり、作品を受け取る側の身体に何が起こるのかについてまで考える必要があるのだ。

観客の身体性の変遷

観客の身体性はメディアの歴史に応じて変化してきた。というか失われてきた。
スポーツ観戦を例に考えてみよう。スポーツを観戦する本質的な気持ちよさ

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『演技と身体』番外編2 舞台「相対性家族」 高山康平(作・演出・美術)セルフインタビュー

『演技と身体』番外編2 舞台「相対性家族」 高山康平(作・演出・美術)セルフインタビュー

舞台「相対性家族」 高山康平(作・演出・美術)セルフインタビュー今回は、いよいよ目前に迫った舞台「相対性家族」のテーマについてセルフインタビュー形式でお話しします。
あくまで作品の背後にある考えを述べたもので、ストーリーとは直接は関係ないと思います。なので、あえてややこしく考えたい人のための記事であり、観劇に当たって読んでおく必要は特にないです。あと、ネタバレというほどではないですが、ちょっとスト

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『演技と身体』番外編 舞台「相対性家族」 高山的演劇観

『演技と身体』番外編 舞台「相対性家族」 高山的演劇観

舞台「相対性家族」 高山的演劇観今回は番外編ということで、いよいよ来週に迫った舞台「相対性家族」について書こうと思う。
僕が作・演出を務めるこの作品は、僕の初・舞台作品だ。この連載『演技と身体』の内容に沿ったワークショップから生まれた企画である。
演技というものを根本から捉え直し、これまで試したことのない手法で演出に臨んでいる。ただそうしたテクニカルな部分については舞台の本番前に話すべきではないだ

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