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『演技と身体』

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東西の哲学、解剖学、脳神経学、古典芸能(能)の身体技法や芸論を参照しながら独自の演技論を展開しています。実践の場としてのワークショップも並行して実施していきますので、そちらも是非… もっと読む
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#観世寿夫

『演技と身体』Vol.15 表情について② 技術編

『演技と身体』Vol.15 表情について② 技術編

表情について② 技術編※色々と勉強している中で、本記事の内容の一部が微妙に間違っている事に気が付きました。顔の筋肉の構成についてのあたりです。言いたいことの雰囲気としてはそんなに変わらないのですが、一応ご注意してお読みください。後日修正します。

内臓から動かせ

前回の記事では、表情というものに対する考えを述べたが今回は技術的な部分に立ち入ってみたいと思う。
前回述べた通り、表情というのは感情の

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『演技と身体』Vol.14  表情について①

『演技と身体』Vol.14 表情について①

表情について①表情はコントロール可能か

顔の表情は言わずもがな演技における最も重要な要素の一つである。
感情は目に見えないが、表情は目に見える。だから、演技に限らず日常でも私たちは顔の表情を通して相手の気持ちを推し量っている。しかし、それだけに人はみな表情を読み取る能力に長けており、そこに嘘臭さがあるとすぐに違和感を察知できる。
すると表情を演技の表現として扱うというのは実は思っている以上に高度

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『演技と身体』Vol.11 指向性のある爆発

『演技と身体』Vol.11 指向性のある爆発

指向性のある爆発生命は爆発だ

芸術は爆発だ。
芸術は爆発で、爆発は無限に広がる運動で、宇宙だ。
しかし、芸術だけじゃない。
生命も爆発だ。無限に広がる運動で宇宙なのだ。
海の生物の形を思い浮かべてみよう。特に無脊椎動物を。
ウニ、タコ、イソギンチャク、ヒトデ。
どう見ても爆発している。
海の生物を選んだのは、海の中は浮力によって重力の影響が少なくなるからである。しかし、地上に上がって広葉樹や花の

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