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1対500名のオンライン研修は実現するのか?理論編①(5000字)

皆さん、こんにちは!ビジネス・ブレークスルーの高松康平です。

日々、教育サービスを創って、講師をしたり、運営事務局をしたり。最近は、「いまだからこそできるオンライン教育」とは何かを考えています。

もっと進化したオンライン教育を提供したい!そんなことを思っています。そこで、今日は、1対500名のオンライン研修は実現できるのか考えていきたいと思います。集合研修ならば500名同時に研修は厳しいです。でも、オンラインだったら出来ちゃうんじゃないかなと妄想しています。

今日は、まずは理論編から。

テーマにしたいのは、同期型研修です。つまり、みんながリアルタイムに学ぶスタイルの研修です。ただし、同期型研修の中にも、グループワークがあるものと個人学習がメインのもの2つ存在するため、分けて議論したいと思います。

下の表でいう、①②の部分になります。

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①同期型‐グループワーク

これはいわゆる集合研修をオンラインで実施するものです。LIVE配信+グループセッション機能で提供します。

②同期型‐個人学習メイン

これはいわゆるセミナーを、LIVE配信+チャット機能で実施するものになります。なお、この分類については、こちらの記事にまとめました。

さて、前置きが長くなりましたが、まずは①同期型‐グループワークあり研修を1対500で実現できるかを考えていきます。

集合研修の流れを分解し、その一つ一つのプロセスに関して、集合研修からオンライン化することで起きる変化を考察してみます。

オンライン集合研修を500名規模で実施できるかを考えることで、進化の可能性を模索するのが狙いです(あくまで理論的に成立するのかを考えます。なお、別途、実践編は書きたいと思っています)

なんで500名なんて大規模開催にこだわるのかというと、私は、やり方を工夫すれば500名でも実現できちゃうのではないかと考えています。いや、1000名でもいけるかもしれない。その進化の可能性を感じているのです

さて、研修の流れをざっくり書き出すと、①イントロダクション②講義③個人ワーク④グループワーク⑤発表⑥フィードバックとなります。では、一つずつ見ていきましょう。

①イントロダクション

イントロダクションとは研修の目的や案内を行い、動機付けを行うことです。通常、研修事務局や研修会社から参加者全員に対して伝える部分(1対N)なので、ここは500名であっても問題なくできるでしょう。

ただし、オンラインで実施する際に気をつける点としては、

・出席管理をどう行うのか?そもそも出席管理を行う必要があるかは研修によりますが、実施方法は利用ツールに合わせて確認が必要です。20名だったら目チェックで確認できますが、500名の場合はシステム的に確認する必要があります。

・イントロダクションの部分で質問が殺到した場合、収拾がつかなくなりますが、それは研修前の案内を丁寧に実施すれば問題ないでしょう。あんまり質問が出ることは、稀有だと思います。

・実施環境のテストやリハーサルも、このイントロダクションに含まれてくるでしょう。環境チェックは事前にできるとベストですが、それが難しい場合には開始1時間前くらいから自由にログインしてもらい、音声・カメラチェックを行う必要があります。オンライン環境の不具合については不安を完璧に消すことはできませんが、ベストエフォートでやるしかないでしょう。運営側の不安解消もありますが、受講生の慣れのためにも、事前のテストが大切です。

ということで、イントロダクションは1対500名でも問題ない!ただし、事前の入念なリハーサルや余裕を持ったテストは必須です。

②講義

1対500名でもまったく問題ないでしょう。むしろ、オンラインにすることで、目の前にいる感覚で講師が語りかけてくれるので、むしろ良いのではないでしょうか?いや、そんなことない?

たぶん、否定的に感じた方の懸念は、講師の話がつまらなくてしんどい!ということではないでしょうか。でも、それってリアルの講義でもつまらないのではないでしょうか(汗)そうだとすると、オンライン化以前の話なのですが、コツはあると思っています。

それは、講師と違う進行役(モデレーター、質問役)を1~2名置くことです。そうすることで、おしゃべりを聞くような感覚で参加できると思います。ただし、私の感覚では講義を1時間~2時間と長時間続けるのでないのなら、講師1名で十分だと思います。

また、講義中に分からないことがあれば、チャットで質問できます。集合研修で講師で手をあげて質問するよりも、チャットの方が質問しやすいと思っています。質問のしやすさは、①のイントロダクションでの雰囲気づくりにかかってきます。この辺りも、記事に書きましたので、宜しければご覧ください)


また、講義中に理解度の確認をしてもらうという意味では講義内容をチャットで誰かに実況中継してもらったり、講義の途中でブレークアウトセッションを入れて理解したことを受講生同士で話してもらう時間を入れることも可能です。

というわけで、講義に関しても1対500名でも、いや、この部分は1対1000名でも問題ないと思います。

③個人ワーク

個人ワークは、あくまで個人での実施ですので、研修の人数に関係なく実施可能です。

気になる点としては、

・個人ワークの取り組み方法が分からない受講生へのフォロー方法です。対策としては、授業運営の補助スタッフをクラスに配置してヘルプ対応をするか、もしくは、個人ワークの時点から、ブレークアウトセッションを作って、何か疑問点があれば、受講生同士ひっそりと相談できる場を用意するということもできます。

あと、個人ワークする際に、何をやるか迷子にならないようにするために、問題と回答フォーマットは資料ととしてお渡ししておくと良い。事前に教科書などの紙資料をお渡しできるとよいですが、自宅に送付するのは結構ハードルが高いので、事前に当日のパワーポイント資料を送る形になると思います。

ただし、これまでの集合研修では、パワーポイント資料は著作権の関係で、受講生にはお渡ししないのが慣例です。なので、テキストはPDFで渡して、演習部分はPPTで送るというのが一般的になるでしょう。

データ資料は2次利用・転送はNGとなりますが、いまのテクノロジーだと電子資料の転送を防げず、ここはテクノロジーの進化を期待したいところです。

色々と工夫できる点はありますが、個人ワークも問題なくできると思います。

④グループワーク

Zoomを使えばブレークアウトセッションで、オンライン上でもグループワークが実現できるようになりました。正確にいうと、Zoomミーティングのブレークアウトセッションという機能です。WebEXの場合は、WebExトレーニングになります。

オンライン上でブレークアウトセッションを行えば、集合研修と同じように、グループワークをしてもらうことができます。ここで注意が必要な点はは下記のとおりです。

・リアルの場合、例えば4人グループが二人ずつ同時に会話することができますが、オンラインの場合、話すのは一人になりますので、グループワークの進みは少し遅くなると思いますし、リアルのときのような「間」で会話をかぶせたり、のっかることがしづらくなります。

・その分、オンラインでのディスカッションをファシリテーションするスキルや議論のルールを共通化しておけば、スムーズに進行ができます。また、ホワイトボード機能もありますので、議論の見える化もできます。

・ただし、Zoomのブレークアウトセッションを行う際にも、グループ数の上限があるのです!Zoomの上限は50グループです!なので、500名で研修をやる際は、1グループ10名になります。(ちょっと多い?)

ということで、グループワークはオンライン上で実施可能!ただし、Zoomの場合、グループ数は上限50なので、1グループあたり何名にするかで研修参加人数を決定する形になると思います。1グループあたり5名ならば250名、10名までOKとするなら500名が参加可能になります。

⑤発表

グループで考えたことを発表してもらう時間になります。これもオンライン上でサクッと実現できます。

手をあげてもらうなり、チャットで発表したいチームを募ったりできます。そのチームを講師が指名して発表してもらいます。発表する際は、画像を共有することも可能です。

この時に、グループ数が多くなると、全チーム発表できないという点が気になってきます。これは、集合研修でも全く同じ話があるのですが、どれくらいのグループに発表してもらう必要があるかは目的によって決める必要があります。

講師の感覚としては、2~3チーム発表すると似ているモノが出てくるので、それ以上のグループに発表してもらうと飽きられると感じます。その一方で、グループ数が多すぎると発表機会が回ってこないので、参加感が薄れてしまう可能性がありますが、そこまで全チームの発表にこだわる必要はないのかなと思っています。

まず、フィードバックを全チームに行うのかを確認します。フィードバックを全チームで行う必要がないのであれば、発表は2~3グループで良いかなと思っています。その発表を基に、学びのポイントをしっかりと講師が収束させることができれば学びの目的達成だと思っています。

⑥フィードバック

最後はフィードバックです。オンライン上で発表してもらい、フィードバックすればよいので、これも普通に実現できます。

発表グループ数に関しては、研修の目的によるという点は⑤発表の部分に書いた通りです。

もし500名で研修をして、参加グループ全部が最終発表の機会があるのであれば、研修時間とは別に個別フィードバックの時間を作った方が良いと思います。例えば、500名研修で自社の経営戦略を最後社長にプレゼンするような研修の場合には、研修時間内でのフィードバックは無理ですね。その場合は、研修と研修の間に、オンラインでのフィードバックセッションを各グループ45分~1時間くらい用意する。

20~30名の研修ならば、研修時間内に全チームフィードバック可能だと思います。

というわけで、フィードバックも普通に実施できますね。

というわけで、1対500名の集合研修はできるのか?

まとめると、、、

①イントロダクション→できる!

ただし、事前の入念なリハーサルや余裕を持ったテストは必須です。

②講義→できる!

いや、1対1000名でも問題ないと思います。

③個人ワーク→できる**

フォローアップや質問の受付など色々と工夫できる点はありますが。

④グループワーク→できるのではないか?!

グループワークの進め方は変化が出るので、この辺りは工夫が必要そう。あと、Zoomの場合、グループワーク数は上限50なので、1グループあたり何名にするかで研修参加人数を決定する形になると思います。500名参加にすると、1グループ10名になりますね。

⑤発表→できる!目的次第ですが。

発表を2~3グループで良いかなと思っています。その発表を基に、学びのポイントをしっかりと講師が収束させれることができれば目的達成だと思っています。

⑥フィードバック→できる!

ただし、もし参加全チームに対してフィードバックする必要があるのであれば、研修時間とは別に個別フィードバックの時間を作った方が良いと思います。

というわけで、大規模開催のオンライン研修は実施できそう!!!というのが私の頭の整理から出てきた結論でした。ただし、下記の点は注意が必要。

・クラス全体としての学びの達成を重視するのか、各グループごとに対する丁寧なフィードバック機会を重視するかで、参加人数や実施方法は変わってくる。

・各グループのアウトプットの精度をあげるために、全チームの発表・フィードバックを行うのであれば、グループ数は少なくする必要がある。

・Zoomのブレークアウトセッションの上限は50グループ!

・オンラインでのグループワーク実施の際の1グループの最適な人数は何名なのか、これから研究する必要がある。集合研修の場合は、4~6名だと言われていますが、オンラインの場合はどうなのか研究が必要。

という点は注意が必要です。

もし500名のオンライン研修が実現できるのであれば、カリスマ講師の講座をリーズナブルに提供できる!これが、私が考える進化するオンライン研修の一つの形です。誰かがやるなら、我々BBTがチャレンジしたいと思っています。

今日も、ここまでお読みいただきありがとうございました。

ちなみ、いま私自身が、オンライン教育の進化に取り組んでいるサービスはこちらです。ご興味ありましたら是非下記サイトご笑覧ください。


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