Jazz with MELRAW June.2020
僕が月1で用意しているJazzのプレイリストについて紹介しよう。
6月のテーマは「梅雨が好きになる」です。
1.Alone Together - Lee Konitz
6月1曲目は今年の4月15日にこの世を去ったリー・コニッツの演奏で、彼の十八番を。このアルバムはブラッド・メルドー、チャーリー・ヘイデンとのドラムレストリオ。これがまた素晴らしいったら、、。
リー・コニッツの音色って本当に雨の日に合うのだ。合いすぎて震える。
2.Dolphin Dance - Ahmad Jamal Trio
楽曲自体はもちろんハービーによるものだが、ここではこちらのバージョンをチョイス。アーマッド・ジャマルはクラブカルチャーからもリスペクトを集めるピアニストだ。マイルスにも多大な影響を与えたとされている。静かに燃える炎のような演奏だ。
3. Michael Brecker - Nothing Personal
ジャズ史の中でも近代においてこれ程のイノベーターがいただろうか。ジャズからフュージョン、そしてポピュラーミュージックシーンまで幅広く活躍し多くのフォロワーを生んだ近代のキング オブ テナー。J-POPの楽曲にも度々登場していた(SMAPやドリカムやら)。そんな彼の代表的なマイナーブルースがこの楽曲。
4. Skating in Central Park - Bill Evans, Jim Hall
ジャズピアニストとしての知名度はおそらくダントツNo.1のビル・エバンス、そしてギタリストのジム・ホール。このデュオには"内に秘めた美しさ"なんて言葉が似合う。
タイトル的には間違いなく12月号に入れるべき。
5.Roy Allan - Roy Hargrove
僕が初めてロイを意識して聴いたアルバムがこの曲が収録されている"Family"(1995)だろう。
一聴するとモダンジャズの様だが、その奥底には00年代への突入とともに今日まで大流行りするナウでヤングな(笑)ジャズのサウンドを聴くことができる。ビッグバンドバージョンがまたかっこいいので是非聴いていただきたい。
6.Stolen Moments - Oliver Nelson
多くの人が思い描く"都会の夜のジャズ"。どこを切っても純度100%のそれが楽しめるのがこちら。ホーンプレイヤーの皆さんにはあの黄色い本でお馴染みのオリバー・ネルソン。アルバムの邦題が"ブルースの真実"ってのもしびい。多管編成のアンサンブルってかっこいいですよねえ。
7.Serene - Eric Dolphy
ジャズサックス界きっての鬼才、音楽をするための第3の脳が有るとまで言われた男。エリック・ドルフィー。詳しい人でないと「このサックスのような違うような楽器はなんだろう?」と思う人もいるかもしれない。実はこれはバスクラリネットでの演奏。ドルフィーはバスクラリネット、フルートの名手としても知られているのだ。少々フリーキーなので聴く人を選ぶかもしれないが此処で会ったが100年目。ということで是非最後まで飛ばさずにお楽しみください。
8. St. Louis Blues - Max Roach
ビバップ期のドラマーといえばこの人。マックス・ローチの60年代のアルバムより"熱い"、というより"蒸し暑い!!"(あくまでいい意味で 笑)こちらのナンバーを。暑苦しい(本当にいい意味で!笑)ジャズにトランペットはもちろんフレディー・ハバード。因みに僕の地元には"マッスグ・ローチ"という芸名のミュージシャンの方がいらっしゃいます。
9.Scrapple From The Apple - Charlie Parker
ジャズサックスにおける最大の功労者。伝説。悪童。"Bird"ことチャーリー・パーカーの代表曲。世界中のジャズミュージシャンが楽器に関わらず人生で一度は演奏するであろう軽快なこのナンバーはパーカーチューンの中でも僕のお気に入りである。こういう曲もまたそのうち演奏したい。
10. I Can't Give You Anything But Love - Ella Fitzgerald
「あなたがジャズ界のディーヴァを思い浮かべるとしたらサラ?それともエラ?」ということで2大歌姫の中から今回はエラ・フィッツジェラルドの歌唱によるこちらの曲をチョイス。「I can't give you anything but love〜♪」と言われたらみんなで元気よく「べいびー!!!!」でお願いします。あ、今回はしっとりバージョンでしたね。
11.Bluesette - Toots Thielemans
そこのジャズ初心者のあなたにオススメしたいのがこちら。晩年のジャコとの動画でも有名なトゥーツはジャズ界でも珍しいハーモニカ奏者である。中でも"6月に聴きたい"といえばそう、こちらの名曲"Bluesette(置くだけ♪ではない)"である。素朴な幸せのメロディーをどうぞ。
12.Floogeh - Jackie McLean
サブスクでジャズを聴こうとしていてジャッキー・チェンの愉快な歌声を流してしまう原因No.1のマクリーンさん。梅雨の熱気ムンムン特集ということでハードバップ期(と呼んでいいのか?)のホットな演奏を1曲チョイスしますた。タイトルの読み方は"フルーゲ"。意味は今のところ不明。
13.Daahoud - Clifford Brown, Max Roach
どんどん気温も湿度も上がっていきますね。こちらも言わずと知れたハードバップの名曲。こんな演奏を遺したクリフォードは交通事故により25歳でこの世を去った。そんな彼を偲ぶためにベニー・ゴルソンによって書かれた名バラード"I Remember Clifford"も是非。
14.But Beautiful - Eddie Lockjaw Davis
カウントベイシー楽団には数多くのテナーの名手たちが在籍したがその中でも僕が大好きなのがロックジョーだ。どうやら僕はオルガンジャズに目がないらしい。こちらはオルガニストのシャーリースコットとフルート奏者のジェロームリチャードソンとの共作アルバムよりスタンダードナンバーの"But Beautiful"をどうぞ。
15.Blue in Green - Miles Davis
さて、6月の最後を飾るのは"ジャズの帝王"こと、ご存知マイルス。秋の夜長特集の時にするか悩んだのですがやはり聴いてみると、ブラシが雨の音のように聴こえてくる。嗚呼やはりこの曲は僕の中で雨のテーマなのだ。10小節1コーラスというループ感のないこの美しい曲は長年マイルスかエヴァンス(ビル)かどちらのペンによるものなのか、という論争の的ともなっている。まあこの頃のマイルスバンドは所謂"バンド"みたいなもの。なんらかのセッションの中で自然に出来ていった可能性はあるだろう。果たして。
それでは今月もジャズと素敵な毎日を。チャオ〜。
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