僕たちはフィリピンを舐めていた。
成田空港ラウンジ、社用のパソコンがなぜかwifiに繋がらず、やることがないのでnoteを書く。
ぼくはお仕事上ありがたいことに海外に行くことが多い。激渋東南アジア諸国がメインだが。本社で仏頂面をして、パソコンカタカタするよりはよほど気が楽だ。飛行機で映画もたくさん観れる。
先週久しぶりにフィリピンはマニラを訪れた。
確か今年の1月以来だから、8か月ぶり2回目だ。
前回来た時の記憶はあまりない。立ちんぼ多いなぁ、くらい。
今回は取締役、課長、ぼく、の3人旅である。
ホテルに無事チェックイン、女性スタッフはカタコトな日本語で暖かく歓迎してくれた。フィリピンパブ感丸出しだったが、ええ国やないの。
各々自室で準備を済ませ、ご挨拶に伺おうという場所があったので、そこへ歩いて向かうことに(おまけに今流行りのアポなし突撃訪問である)。
空は曇天。そのとき台風17号がちょうどフィリピン東部の海上にあったため、天気は良くなかったがかろうじて雨は降っていない。
ぼくと課長は念のため折りたたみ傘をバッグに忍ばせていたものの、取締役は手ぶらだった。
取締役まで上り詰めると、もはやバッグなどそんな野暮なものは持たないのである!!
インフラがまだまだ整っていない道をとぼとぼ歩き、お目当ての事務所へ。アポなしのため1時間弱待ったが、嫌な顔せず迎えていただき無事ご挨拶を済ませた。
あぁ、フィリピンええ国やないの!
お国が違うだけで、僕ら人類は皆兄弟なんや、そうなんやな、
そうゆうのって、なんかええやん(エセ関西弁)。
そんな暖かい気持ちにぼくの心は包まれていた。
その事務所を出るまでは。
事務所からショッピングモールに寄って夕食を食べてからホテルに戻る予定であった。
歩いてる途中、ぽつ、、、ぽつ、と雨が降ってきた。
まぁまぁ、強くなってもすぐ止むでしょう。
ぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつ、、
はいはい、まぁまぁ、
ぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつぽつ。
おや?
ドッッシャーーーーーン
!!!?!!!?
ちゃんとした豪雨が降ってきた。笑
あまりの雨に僕らはふたつの傘に3人肩を寄せ合って雨宿りをした。
路地を歩いていたため、雨宿りができる屋根のある建物は近くになく、立ちすくむことしかできなかった。
道路は渋滞、タクシーは捕まらず、何時間そこで待っていただろうか、5時間にも、6時間にも思えた。
全身は言わずもがなびしょ濡れ(有能AV女優か!?)、体も冷えていた。
これはまずい、何よりこんな目に合わせてしまっている、取締役にまずい。笑
ただタクシーは捕まらない。
もうこれは奥の手しかない。
フィリピンにはトライシカンという乗り物をそこらで見ることができる。
タイでいうトゥクトゥクのような、三輪バイクに荷台がついたようなもので、今風にいうと小型モビリティとでも言おうか。
要は安っぽ〜い乗りものだ。
背に腹はかえられない、とりあえず取締役だけでも、ホテルに返さなくては。
その使命感だけがぼくのびしょ濡れな体を突き動かしていた。
ようやくトライシカンを捕まえて、行き先を伝え、値段を確認した。
おじさんなのか、青年なのか、わからない顔の男は、500ペソ(約1,000円)、と言った。
爆笑だ。んな、訳がない。ちなみに空港からホテル(おそらく10キロくらい)までのタクシーでさえ、300ペソ(約600円)だった。
ホテルまで1キロもない、ありえない。
吹っかけられているのは、慣れている。
ぼくの値切り根性がふつふつと沸いてきた。
ぼく: 200ペソでどうだ?
運転手: 300ペソだ。
この問答をめげずに繰り返した。
ふと視線に気づき、後ろを振り返る。
前髪から滴り落ちる雨の水滴、もう値段のことなんかどうでもいと言わんばかりの悲しそうな目をした取締役。
あかん!!やってしまった。
満身創痍の取締役を前にたかだか数百円で揉めてしまった。
早くトライシカンに取締役を押し込まなくては。
なくなく、値切りを諦め、300ペソを渡した。
取締役を安っぽ〜い乗り物に乗せ、挙げ句の果てに値引き交渉を繰り広げるなんて、日本だったら懲戒免職レベルではなかろうか。
果てしない後悔が豪雨のようにぼくを打った。
とはいえ、ぼくと課長は取締役をホテルまで届けるという大仕事を終えた。
幸い雨も弱まってきた。
マニラの暗い空を眺めながら、ホテルまでの道のりを2人で歩く。
課長がおもむろにiQOSを取り出す。
一服しよう。
お言葉に甘えて、ぼくも紙巻きたばこに火をつけ、歩いた。
ピピーッ。
音に振り向くと、セキュリティーがそこにいた。ぼくに詰め寄り、英語でまくしたててきた。
あーー、なるほどー、路上喫煙ダメなんだ。笑
めちゃくちゃ謝って、そのことを知らなかった旨を説明した。なんなら、英語がわからないフリもした。
それでも納得してもらえず、
罰金を命じられた。しめて、2,000ペソ(約4,000円)。
セキュリティー2人に囲まれ、罰金を払い、ことなきをえた。
トホホ。
情けない、自分が本当に情けない。笑
金輪際、フィリピンは気をつけよう。
しっかり、ブルーな気持ちでフィリピン出張の幕があがった。
さあ、これから、向かうマレーシアではどんなドラマがあるのだろうか。
安全第一で向かおう。
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