アセット_3

なぜKA法で価値マップを作るときにユーザーの心の声を書くのか

ワークショップの参加者から質問されて答えるのに戸惑った、と相談されたときの話。

私がいるチームは、サービスデザインやUXデザインに日々取り組んでいますが、社内外にそういうマインドセットやプロセスを広げていく役割もあるので勉強会を実施したりします。
先日、チームメンバーがワークショップでペルソナを作るためにKA法による価値マップを教えていたときに、「なぜ心の声を書かないといけないのか、直接、価値を書いてはいけないのか」と聞かれたというのが冒頭の質問です。

KA法について簡単に説明をしておくと、KA法は紀文食品の浅田和実氏が開発した、新商品開発のために定性データを分析する手法です。それを千葉工業大学の安藤昌也氏がUXデザインの分野のためにアレンジしたものがよく使われています。

この手法は「図解でわかる商品開発マーケティング」という書籍で説明されています。価値マップからアイデア発想する方法なども載っているので、UXデザインでKA法を使っている人が読んでも違う視点があり面白いと思います。

よく見かける「出来事」、「心の声」、「価値」になっているのはアレンジされているもので、オリジナルでは「心の声」は「キーワード」になっています。
オリジナルでの「キーワード」を書く狙いは、出来事の場面をイメージさせる補助と、微妙なニュアンスを少しでも残すことと説明されています。

「心の声」に変わっても同様の狙いを含んでいると思いますが、私がKA法で心の声を書いているときに感じることは、ユーザーの視点を得やすくなるということです。
価値を考えるときの難しさは、意識しないと自分の視点から客観的に解釈してしまいやすいところにあります。しかし、ユーザーの心の声を書こうとすると、客観的にというよりも自然とユーザーの主観から考えることになります。そうすることで価値を考えるときに、分析者ではなくユーザーの主観に基づいた価値を見つけやすくなるということなのでしょう。

ですので、冒頭の質問に対する私なりの答えは、「心の声を書くことで、その人から見た価値を考えやすくなるから」になります。

無自覚にやっていることって結構あるなあと、改めて深く考えていかないとと思いました。


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