角銅 浩平

UXデザイン、エンジニアリング、データ分析を領域として、サービスデザインに取り組むデザ…

角銅 浩平

UXデザイン、エンジニアリング、データ分析を領域として、サービスデザインに取り組むデザインエンジニア。株式会社メンバーズのサービスデザインチーム所属。HCD-Net認定 人間中心設計専門家。主にエンジニアの視点からUXデザインやプロトタイピングのことを書きます。

最近の記事

アハ体験のあるデザインリサーチ

デザインリサーチはどこまでやればいいのか。割とよくある疑問だと思います。 もちろん期間を決めてやるのは当たり前のことですが、リサーチをする前と後で、そのリサーチ対象についてこれまで意識できていなかった発見があったのか。その発見は、プロジェクトの方向性を決める手掛かりになるものなのか。これがイエスならリサーチの目的は達成したと言えるでしょう。 自分の経験からすると、手掛りが見つかったときには、それまでの見え方がガラっと変わります。いままでの観察やインタビューを通じて見てきたこ

    • 議論を進めるプロトタイプはUIだけじゃない

      9/14に「UX」の解像度を上げ、UXデザインとの関わり方を考える日、ということで、「UX MILK Fest 2019」が開催されました。そこに登壇する機会をいただけたので話してきました。 スライドは共有しているのですが、私のスライドは話をするときの補助用なので、当日のスライドとスクリプトを合わせて共有します。 チームでUXデザインにどう関わっているのか 私たちのチームでは、デザインリサーチをしながら、ビジョンの解像度をあげていったり、サービスアイデアを改善していくこと

      • KA法で出来事から心の声や価値を深く捉えるには

        質問されてあらためて考えてみた第2弾です。 「KA法でユーザーの心の声と価値を考えるのが難しいのでコツはないですか?」という質問。 以前のnoteでも触れましたが、KA法をするときはユーザーの主観を意識することが大事になります。ただ、とある状況でユーザーが行動するときに、何に価値を感じて行動したのか、直接心の動きを想像するのは難しいかもしれません。 質問をされて自分がどうやっているのか意識してみると、直接ではなく手順を踏んで考えていると思ったので、その手順を整理してみまし

        • なぜKA法で価値マップを作るときにユーザーの心の声を書くのか

          ワークショップの参加者から質問されて答えるのに戸惑った、と相談されたときの話。 私がいるチームは、サービスデザインやUXデザインに日々取り組んでいますが、社内外にそういうマインドセットやプロセスを広げていく役割もあるので勉強会を実施したりします。 先日、チームメンバーがワークショップでペルソナを作るためにKA法による価値マップを教えていたときに、「なぜ心の声を書かないといけないのか、直接、価値を書いてはいけないのか」と聞かれたというのが冒頭の質問です。 KA法について簡単

        アハ体験のあるデザインリサーチ

          感情曲線、なんとなく描いてませんか? 記憶に残る体験を意識する

          カスタマージャーニーマップのフォーマットはいろいろありますが、横軸に時間軸、縦軸にユーザーの「行動」「感情や考え」「タッチポイント」、そしてユーザーの感情の起伏を示す「感情曲線」を引くというのがよく見られる型です。 カスタマージャーニーマップには大きく、現状を把握するときに使うAS-IS、理想の体験を検討していくときに使うTO-BEがありますが、ここではTO-BEでの感情曲線の話になります。 この感情曲線ですが、こういう体験になるから上がるよね、下がるよねと描いていって、高

          感情曲線、なんとなく描いてませんか? 記憶に残る体験を意識する

          プロトタイピングを対象と再現度から考える

          新しいサービスが次々と生まれて良いものであふれている中で、サービスやプロダクトを考えていくと、これまでにない新しい価値提案を含むことになります。 その実現のためサービスデザインは様々な要素が複合的に絡み、難易度も高くなります。これまで取り組んできたプロジェクトでも、何度も行き詰まる場面がありました。 そういうとき行き詰まりから抜け出す推進力となるのが、「ビジョンドリブン」と「プロトタイピング」です。どちらが欠けていてもプロジェクトを成功させるのは難しいのですが、ここではまず

          プロトタイピングを対象と再現度から考える