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#160 チーム改善のためのメタ認知思考 〜チームの悪化を防ごう〜(1/2)

こんにちは。ITベンチャーエンジニアのこへいです。

日々の運用がうまくいくには

プロセスが整っていること
プロセス改善が続けられること

の2つが必要です。

今日は改善をしないと日々の運用は段々と悪化すること、悪化しないように改善を続けるために必要なことについて紹介したいと思います。


◯何もしないと悪化する理由

うまくいっている時はつい何もしなくてもこの状態が続くと思ってしまいます。

この状態に警鐘を鳴らすエピソードとして、ジャイアントキリングというサッカー漫画での日本代表監督のブラン氏の挨拶を紹介します。

ブラン監督はマスコミに、選手メンバーリストの紙を配った・・と思いきや、それは「妻アンナの機嫌が悪いことに悩んでる新婚の甥っ子フィリップへのアドバイスメール」でした。

その内容がこちら。

フィリップ
あんなに素敵な結婚式を挙げて仲睦まじく暮らしていたのに・・
ここのところアンナはやたらと不機嫌でそっけない態度ばかりとるんだ

そしてさらに困ったことに僕にはその原因がわからないんだ
僕に問題があるのかもしれないけど思い当たる節がないんだよ


ブラン
やあフィリップ
いつも愉快なジャンおじさんが君の悩みに答えよう

と、その前に君に問いたいのはフィリップ・・
君は結婚したことで安定した幸せが手に入ったと思ってはいないかい?
気付かないようでいて日常は絶えず変化しているんだ君の心もアンナの心もね

アンナが髪を切った時、君はちゃんと気付いて褒めてあげられているかい?

アンナの手料理を食べる時どんなレストランのコースよりも美味しいと言ってあげられているかな?

慣れることほど怖いものはないのさフィリップ
そのことを忘れてはいけないな
 
絶え間ない努力の先に幸せはあるんだ

このやり取りでは、慣れの恐ろしさについて指摘しています。

◯慣れによる形骸化に慣れてしまう怖さ

私のチームの毎朝のスタンドアップミーティング(朝会)も慣れのために段々と形骸化してしまっていました。

朝会ではチームの今日のタスクの確認、チームの状況の共有を目的とし、アジェンダを用意しています。
また、若手にもチーム全体の状況への認識を深めてもらいたいという意図で輪番でファシリテーターを変えています。

この朝会が段々と形骸化し、ミーティングの質が悪くなっていました。
アジェンダをただ読み上げるだけ、確認事項とタスク確認をしてもスルー、ミーティングの時間が過ぎていてもダラダラと続けるといったことが起きるようになりました。

チームの日々の仕事量は多く、日々複数のプロジェクトの状況が変わり、新しいプロジェクトが追加されたりと、朝会で扱う情報がどんどん増えている状況に消化不良を起こしているようにも見えました。

その状況で朝会で何を何のために確認しているのかがわからなり、ただアジェンダを消化するだけで精一杯になってしまい、その状況を『良くない』と認識できない、もしくは認識しているけど、改善に動けないという状況でした。
その状況が形骸化し、その状況に慣れてしまい悪化が続いていました。

◯現状を把握するためのメタ認知

今回はこの状況を変えるために、私がアジェンダの棚卸しをして朝会にテコ入れしました。

この状況を『悪い』と認識し改善するためには、状況を把握するためのメタ認知が必要です。

メタ認知(Metacognition)とは、自分が思考していることを、もう一人の自分が、より高次から客観的に捉えて把握し、活動に反映させることです。

メタ(Meta)は「高次の」「より上位の」という意味を持つ接頭語であり、認知(cognition)は推理や思考に基づいて物事を理解したり、判断したり、解釈したりするプロセスを意味しています。

これら二つの用語をあわせた「メタ認知」とは、人間や課題に関する認知特性を観察(モニタリング)しながら、客観的にその認知の状況を判断し、調整(コントロール)して改善することを意味しています。

このメタ認知をメンバーに持ってもらうことが、チームで運用を改善し続けるためには必要です。


今日はこれで時間切れです。
ということで、テコ入れをし続けなければ運用は悪化してしまうこと、悪化を防ぐためには現状を理解するためのメタ認知が必要という話でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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