見出し画像

俳句×プレゼン

テレビ番組などでも取り上げられ、
子どもたちにとっても身近になった俳句。
五七五の短い詩は、創作する形の活動が多いのですが、
あえて、
俳句を味わう」ということに焦点を当てて授業しました。

俳句は素晴らしい詩型ですが、
創作させてみると、
中学生には、少し短いと感じるようです。
短歌の方が、のびのびとした作品を作るな、
という感覚が、私にはあります。

そんなことも相まって、
俳句の可能性』といえ教材で、
俳人の宇多喜代子さんが言っているように、
「読む人の自由な解釈で、補って鑑賞できる」ということを、
体験する授業をしました。

初めに、
「今日から、俳句を楽しめるようになる授業をします」
「作ることも楽しいのですが、その前に、
 良さを見つけられる、それを楽しめる
 ということが大切です」
「この教材の後の『俳句を味わう』というページから、
 1つ好きなものを選び
 クラスの中で、プレゼンしてもらいます」

と、アナウンスしておきます。
俳句の可能性』では、
ワークシートを用意し、
確定情報と、想像したもの問い
教科書宇多喜代子さんの解釈を押さえる、
という方法で進めました。

俳句の中の僅かな手がかりから、
「季節」「だれ」「いつ」「どこ」
をつかみます。
季節」は季語から読み取れますが、
いつ」はその中のより細かな時間帯などです。
作品によって、
全て明らかなものや、あまり説明のないものがあります。
それを、自分の自由な解釈前後の物語を考えます。

そういう活動で、
自由な解釈の楽しさと、
情報を読み取ることの大切さ
俳句を味わうときのポイントを学んだ上で、
子どもたちが自由に選んだ俳句プレゼンしました。

バスを待ち 大路の春を うたがわず  石田波郷

中学3年生の女子のプレゼン用ワークシートです。
キーワードというところに、
【季語】→【季節】【だれ】【いつ】【どこ】
というワードを書き込み、
このシートの裏に、プレゼンの原稿を書いています。

基本の型として、
俳句を読み上げる。
②イメージしたを見せる。
【だれ】【いつ】【どこ】含む物語を説明する。
良さを語る。
というものを与えています。

中学3年生の女子が読むと、
高校生活への期待と重なるようです。

咳をしても一人 尾崎放哉

こちらの俳句は人気が高いです。
ですから、沢山のプレゼンが行われます。
こちらは「病気のおじいさん」と解釈していますが…

こちらでは「少年」としています。
でも、
それぞれの物語としては、
それがいい、という解釈になっています。

この様に、
無季自由律俳句で、
確定情報の少ない作品を、
自分なりに解釈して読むと、
解釈に違いが出ます。
そこを、
自分の想像した物語補足して、
良さを語るのです。

このプレゼンというパフォーマンスですが、
発表に向けて準備したのは、
1時間だけです。
ワークシート一枚で、の中で発表できます。
さらに、それを写真に撮るだけで、
プロジェクター投影すれば、
各班の代表者の解釈を、
クラス全員プレゼンとして充分楽しめます

全員が発表する機会は、4人班ごとにとり、
代表者に選ばれた生徒のものを、
全員で見る形です。

プレゼンということに拘れば、
複数のスライドを用意させたり、
発表の流れを工夫させたり、
発声の練習をさせたりと、
準備に膨大な時間がかかってしまいますが、
それは大切なことですが、
今回の主目的ではありません

今回の活動の目的は、
パフォーマンス想定して意欲的に俳句を学習する
プレゼンを通して、多角的な解釈面白さ体験する
俳句親しむ姿勢育む
という3つです。

これくらいならできるかも…
と思ってもらえると嬉しいです。
サスティナブルな感じがしませんか?
今年度は、プレゼンを実施しましたが、
全員の作品を廊下に掲示するのもいいと思います。
オススメの活動ですので、ぜひ試してみてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?