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最後の育てる時間|マロンとの新しい挑戦

50歳になり、子どもたちが少しずつ自分の道を歩み始めているのを感じる。中学3年生の長女と小学6年生の次女、それぞれが自分のペースで成長している。そんな彼女たちを見守る中で、私自身もまた新しい役割を見つけてきた。職場では、若手教員の育成に携わるようになり、「育てる」ということが、これまでとは少し違った形で私の毎日に根付いている。

そんなある日、7ヶ月のマルプー犬、マロンが我が家にやってきた。彼の小さな体で元気に遊ぶ姿を見て、「この子を大切に育てていこう」と心に決めた。これまでも何匹かのワンちゃんと一緒に過ごしてきたけれど、50歳になった今、育てるという行為がこれで最後になるかもしれないという思いがある。だからこそ、これまでの経験を生かして、今までとは違う、新たな関わり方をしていきたいと思っている。

マロンとの生活で大切にしているのは、彼にとって心地よい方法で成長をサポートすること。例えば、何かいたずらをしようとしたとき、無理に止めるのではなく、他の楽しいことに目を向けさせる。良い行動をしたときは、その場ですぐに褒めてあげる。そんな小さな工夫が、彼との信頼関係を少しずつ築いてくれている。

毎日の散歩も、彼のペースに合わせてゆっくりと歩く。マロンが鼻をクンクンと動かし、周りの匂いを嗅いでいるとき、私は彼と同じ時間を共有しているんだな、と感じる。その瞬間が、私にとって何よりの癒しになっている。

もちろん、夫の意見も大切だ。彼は「ダメなことはちゃんと教えないと」と言う。でも、私はできるだけ穏やかに、マロンとの時間を楽しみながら育てていきたい。家庭がうまく回るためには、お互いのやり方を尊重することが大事だから。

この新しい挑戦を通じて、私自身もまた成長できることを期待している。犬の育て方としてこれが正しいかどうかはわからないけれど、今回、この生活を始めるにあたって読んだ本の内容が、私の考えと結構マッチしている。だから、そんなに大きく外れてはいないのではないかな、と思っている。
マロンとの生活が、人生の新たなステージを明るく照らしてくれる。そんな予感がしてならない。


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