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夫は「育てない」といけないのか?

旦那側のご両親に結婚の挨拶をしたときに、義母に言われたのは
「○○(旦那の名前)にはビシバシ叩き込んでやって」
という言葉だった。
そのときの私は、旦那にいろいろ教えないと何もしてくれない、という考えがあったので「もちろんです!」と肯定的な気持ちで答えたものだ。
だが、結婚して数か月。
よくよく考えてみたら、別に旦那自身、家事ができないというわけではない。
同棲する前は社宅とはいえ、独り暮らしもルームシェアも経験しているし、
おまけに飲食業界も長いので、掃除、皿洗いと衛生管理もできる。
そう、家事に関して”できない”ということはないのだ。

きっかけは、妊娠を機に少しでもワンオペの負担を軽くしたいと思い、仕事から帰ってきた旦那に対して、1つ、2つでもいいから家事をやってくれと頼んだことだ。
それまでの旦那は、仕事から帰ってきたら、風呂、晩酌、寝るのがルーティンであり、それに加えて”自分1人の時間がほしい”というタイプ。
仕事の拘束時間が長いために深夜に帰ってくることが多いなか、疲れたという旦那に対して、ねぎらいも込めて、特に口を出すことは私はしなかったわけだが、子どもが生まれるとなると別だ。
家事が全くできない、というより、全くしない、という状況はまずい。
そこで余裕のあるうちに提案したのが、”ゴミ出し”と”皿洗い”の実行だ。
ゴミ出しに関しては、持っていくだけ。
皿洗いは、私の夕飯分の量のみ。
ゴミ出しは毎日ではないし、1食分の皿洗いであれば15分もあればできる。
大した負担にはならないだろうと。
はじめこそ、しぶしぶ…という体でやってくれた。
正直、そのときは洗ったはずの皿に鷹の爪のかけらがついていたり、油でべとべとしていたり、完璧、とはいいがたく、これなら私がやったほうが早い、とすら思ったものだ。
しかし、旦那が帰ってきたらゴミが溜まっていたら出す、皿洗いをするを繰り返していくうちに、いつのまにか
「これは俺の仕事だから」
というように!
たまに疲れたから明日でいい?と聞いてくるが、そんなの気にならないぐらいにはやってくれるようになった。

ちなみに、このゴミ出しと皿洗い。
私は義母の言うように、やり方を叩き込んではいない。
ただ、「やって」と言ったにすぎない。
実際旦那は「手伝ってほしいことは言って」とよく言う。
つまり、何もしたくない、という状態ではないのだ。
単純に何をすればいいのかわからないだけで…
そこで、何をしてほしいかと伝えた。
結果、それを他人事ではなく、自分事になったのは嬉しい限りだ。
そして、回数を重ねると、特に口を出さずとも、ごみの種類をわかるようになり、皿もきれいになった。
このときこそ、回数こそ大事、と感じたことはない。

ここまできて、私は思ったわけだ。
「夫を教育(育てる)する必要があるのか?」
と。
これまで実家暮らしで家事をいっさいやったことがない、という人にはやり方を教えていく必要はあるだろう。
けど、独り暮らしや家事経験があるのなら、わざわざ”教育”というほどの手ほどきをする必要はないように思う。
やってほしいことを口に出して伝える、というのが大事なんだと。
そして、それを小出しにすることも。
というか、ちまちましたことを私自身いつまでも覚えてられないので、都度吐き出さないと、ふと思い出して怒りが再燃する、という面倒なループを避けたい。
「なんで怒っているんだ?」
「えと…いろいろよ!!」
という会話こそ不毛だと思うのだ。
その”いろいろ”があったのは事実だが、具体的なことは覚えていないので具体的なことを言えないから、怒られる旦那も何が悪かったのかわからないままなので改善もできない。
しかも怒るにもエネルギーを使うために、何も解決しないのに疲れるという副産物付き。
なので、夫婦にとって大事なのは教える側と教わる側、という関係ではなく、なんでも話せる親友のような関係性がいいのかな、と思うこのごろだ。


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