満天の星空が見えなかった12年前のあの日

震災から12年が経ちました。
あの頃は、まだ昼間なら一人で歩けるくらいは見えていて
普通に仕事もしていました。
あの日も。
ビルの6階で大きな揺れを感じ、
この建物が崩壊して私はもう終わるんじゃないかと思っていました。

帰るための交通機関が止まり、ほとんどの人が歩いて帰途について、
私も途中まで方向が一緒の同僚と2時間くらいかけて歩いて帰りました。

明るいうちに家に辿りつけず、
全ての電気がとまって、
街灯も信号も家の灯りもない真っ暗な世界の中
夜盲もある私は途中で動けなくなりました。

途切れ途切れで繋がる携帯電話、電池も減るばかりの中
やっとの思いで旦那さんに迎えに来てもらうことができて、
暗闇の中、怖くて仕方なかった私は
車に乗ったとたん、安心感で体の震えが止まらなっくなりました。
涙も出て来ました。

家に着くと、子どもたちが外で待っていました。
家の中で地震を感じるのが怖くて、
外に出ていたのだと。
待っている間、空を見上げたら
今まで見た事がないくらいの満天の星だったと。
街中の灯りが全て消えたあの日の空。
悲しくも素敵な星空だったようです、

私にはその星空が見えませんでした。

小学校の夏休みの自由研究に
星をテーマに2年間宿題にとりあげて
見えていた頃、いろんな星座を空に探すのが好きだったのに
いつからか、星を認識することができなくなっていました。

震災というショッキングな出来事と
星が見えない悲しさと
いろんな「普通」ではない状態に
どうなっていくんだろうという不安をたくさん抱えて過ごした夜でした。

今、あの頃よりだいぶ見えなくなって、
昼間も白杖なしでは歩けないし、
買い物ができないし、
いろいろ不自由な生活になったけれど。

あの日、生かされた感謝を忘れずに
もしかしたら、星が見える日がくるかもしれないかな、なんて
医学の進歩も期待しつつ。

毎年この日を忘れることなく
前を向いて進んでいけたらいいなと思います。

koharu

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