デザインと視認性
少し前に次のポストが流行りました(私比)
看板がサイネージ、アニメーションになっていて、いろいろな情報が表示できるというものです。
おそらくこのアニメーションを作成・監修した方は「この駅に詳しい人」が行ったのだと思います。
駅に詳しい人は出てくる情報はすべて既知の情報です。
京王線がどちらにあって、JR線がどちらにあるかは知っているし、西口地上行き改札がどちらにあるか知っているのでしょう。
そのため、「表示される情報」よりも「見た目のそれっぽさ」を重視したのだと思います。
ただ、初めて見る人にはとても不親切だと感じます。
このサイネージに何の情報が出てくるのかがわかりません。
路線の行先は出てくるのか、出口の情報は出てくるのか、例えば私が行きたい施設の名前は出てくるのか……などなど。
そして、情報量が少ないのにたくさんアニメーションがあるので、視認性が著しく悪いです。
人は動くものを目で追ってしまいます。
アニメーション付きのパワポと一緒ですね。
「なんかすごそうだけど全然文字情報が頭に入ってこない」というあれです。
満足度と「なんかすごそう度」を伝えるのであればいいですが、文字情報を伝えたいのであれば「高橋メソッド」のほうが優れています。
メトロの情報を見ているのに上の←→が動くものだからそっちに目が言ってしまうと思います。
次の画面でも階段の人も、←も動くのでそちらに目が行ってしまいます。
それに、一枚目は左右に←→が分かれているのに、2枚目は←←です。
そのことに頭が混乱してまた情報を見たいと思っても、同じ情報がいつ出てくるか、何秒後に出てくるか分からないので、ずっと気を張ってみていないといけません。
このサイネージのデザインをした人は「アニメーション」を見せたいのであって、情報を見せたいのではないと判断しています。
その観点であれば、余白を大きく使って、アニメーション部分を大きくして成功でしょう。
ただ、情報を見せたいだけなのであれば、このサイネージは、単に文字情報を表示しておくだけのものよりも価値がないと、私個人は思います。