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何度聴いても新鮮な延原武春/テレマン室内オーケストラのブランデンブルク協奏曲

J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲(全曲)

指揮:延原武春
チェンバロ:高田泰治
ヴァイオリン:浅井咲乃
フルート:森本英希
リコーダー:村田佳生
テレマン室内オーケストラ(モダン楽器)

感想1

感想だけ読みたい方は途中は飛ばしてください😅

去年に続いて2回目。冬の風物詩。

定食屋に行くと日替わり定食をよく頼む新しいもの好きの私にしては珍しい同一出演者による同一プログラム。

ブランデンブルク協奏曲が大好きというのもあるが、何より去年の公演が素晴らしかった。

実に華やか。それでいて生命力の溢れる、活きのいい音楽。

女性奏者が色鮮やかなドレスを着ているせいではないだろうが、色彩感豊かにも聴こえる。

2年ともそうだったのでびっくり。老舗の料理店が伝統の味を守りながら進化を続けているのと似ている。

さて、個人的に圧巻だと思ったのは第4番の第3楽章、第3番の第3楽章、第5番の両端楽章。

もっともムラなく全曲素晴らしいのだが、近くにまたもやうるさい客がいたので気が散ってしまった。

以下、恒例?の愚痴モード。ネガティブな内容が苦手な方は飛ばしてください😓

コンサートホールは魑魅魍魎の館

今回は母親と小学生の女の子。
小さい子は親の鏡なので本人に責任はない。

母親が非常に落ち着きなく、プログラムをしょっちゅう鳴らすし、演奏中にボールペンでメモに何か書いてはたびたび娘に見せていた。

「演奏中の筆談」は初体験でしたね😓

世の中、想像を超える人がいるもんだ😓

休憩中に言おうかと思ったが、女の子を巻き込んじゃうのは可哀想だし、あまりに度が過ぎていて何をどう説明したらいいのかわからなかったので席を代わることにした(今回は全席自由席)。

後半はステージから遠くなったが、ノイズはなく聴けた。

例の母親を見たら、後半は筆談どころか演奏中に普通に娘に話しかけてた。

お茶の間でテレビ見てる感覚なのかね😅

コンサートマナーを勘違いしちゃいそうな女の子が気の毒です😢

芸術鑑賞は美と向き合う姿勢が問われている

ここからは愚痴ではありません。

私はマナーのことをよく書いてますが、必ずしも周りのお客さんへの配慮ではありません。

芸術鑑賞って、自分の鑑賞姿勢が問われてると思うんです。

私は音楽だけでなく、演劇、能狂言、落語、歌舞伎、文楽、ダンス、バレエ、いろんな舞台芸術を見に行きます。

鑑賞の基本姿勢は、音を出さない、むやみに動かない、だと思っています。

生の音楽なんて、生まれたての赤ん坊みたいなもの。

そんな超デリケートな生きものを扱うのに、平気でガサゴソ音立ててるって、ゴム手袋であやしてるようなもんですよ。

それに、プログラムめくって頻繁に音出してるって、鑑賞のためにやってることが肝心の音楽の美を損なっているという点で滑稽な感じもする。

退屈を感じるたびにプログラム読んじゃうんでしょうが、聴く行為から読む行為に逃げるのはあまりにもったいない。

退屈と向き合った方がいいです。ながらで聴いてるうちは音楽の良さはわからないです。
私も初めて聴くプログラムが結構多かったりするので、退屈を味わってることも多いです。

話を戻して、マナーというのは自分のためにやってる感じです。

他のお客でも、出演者に対してでもない。

バッハでもない。

すべての芸術に共通する「美」というものを鑑賞する、向き合う準備がお前はできてるのか?と目の前の作品に問われてる気がするのです。

芸術鑑賞は鏡みたいにそのときの自分を映し出します。

美の核心は細心の注意を払っていないとおそらく見ることはできない。

それなのに、家で寝転がってポテトチップス食べながらテレビ見てるような態度で聞いてる人を見ると悲しくなりますね。

こんな心意気の人と一緒に同じものを見てるのか……と。

まあいちいち気にしてたら心臓によくないのですが、私はHSP(繊細さん)なので、雑音に敏感なんです。

他の客のことを考えろ!

と言いたいのではなく、

そんな姿勢では本物の美を目撃することはおそらくできない。

と言いたい。

いったい何にそんなに拍手してるんだろうと思う。

レザール・フロリサンで服擦りまくってたBBAにしても、

いったい何を聴いてたの?

何に感動したの??

と、不思議な気持ちになります。

キリがないのでこの辺で……😅

感想2

ファンである高田泰治さんは今日も凄かった!

5曲で通奏低音を務めたあと、トリの第5番で例の長大なチェンバロ・ソロを弾かれたのだが、通奏低音のときとまったく変わらない弾きぶり!

ソリスティックになったり、「聴かせてやろう!」なんて野心は高田さんにはないんです。

毎日、日課としてバッハの音楽と向き合っている音楽家の佇まいだった。

コンミスの浅井咲乃さんはどことなく吉岡里帆に似た笑顔がチャーミングな方ですが、第4番のソロなんか自由自在な弾きぶりで、音楽の楽しさが湧き出るようだった。

いまどき指揮者ありのブランデンブルク協奏曲なんてなかなか聴けない。

ヴィヴァルディの「四季」も指揮者ありで演奏する時代ではなくなってきたけど、延原さんと浅井さんなら聴いてみたい。

ロカテッリの協奏曲なんかも聴いてみたい。

ソリストでいえば、第6番のソロを弾いた長身のヴィオラ奏者の音色が去年同様私には硬く聴こえてしまいます。

ヴィオラ2番の女性はもっと柔軟に聴こえました。
男性の方はフレージングが硬直して聴こえてしまうのです。
2年連続だったので、そこだけ気になりました。

お馴染みのメンバーで今年もブランデンブルクを聴けると、なんか寅さん映画を見てるかのような親近感があります笑

あ、延原さん、リコーダーの村田さんの名前そろそろ覚えてあげてください😅 結構傷つきますよ😂

曲間の椅子の移動の時間は、延原さんが軽妙なトークで繋ぐ。サービス精神旺盛です。

大阪のおっちゃんらしい笑いのツボを押さえた喋りに会場は大いに沸いてました。

それにしても日本テレマン協会の公演は平均年齢が高い!😂

60歳越えてるんじゃない?😂

在京オケの定期に来てる客層とは違うような。

皆さん、ヘビーリピーターぽい雰囲気😅

延原さんって大阪拠点の人だから、聴いたことない関東のクラオタは案外多いかもしれませんね。

毎年聴きたいフレッシュな音楽。

何と楽しく、瑞々しく、美しい音楽なのだろう!

高田さんの長大なソロを静まり返ったお客さんが聴いている光景もよかった。

肩の凝らないコンサートでありながら、決してカジュアルなものではなく、深い感動に満ちていた。

何度となく、美の核心を目撃した気がした。

来年もまた伺いたいです。

あ、“縁の下の力持ち”コントラバスの橋本さんも去年と同じく素敵でした😊

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