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【公務員の転職】〜コンサルに転職する人が多い理由〜

こんにちは。
今回も【公務員の転職】シリーズとして、
公務員から民間企業に転職する人はなぜコンサルティングファームやシンクタンクに行きがちなのか?
という切り口で、私なりの見解を書いてみたいと思います。

【大前提】すべての職種が実質「未経験」

まず大前提から申し上げますと、
公務員から民間企業に転職する場合、一部の技術系の職種や専門職を除き、基本的にすべての業界、業種に対して「未経験」の状態で転職することになります。

例えば既に民間企業にお勤めの方が、別の民間企業に転職しようとした場合、余程ニッチな世界でない限り同じ業界(飲食業界、建設業界、自動車業界…etc.)か、同じ業種(営業、企画、経理、人事…etc.)、どちらかに当てはまる転職先に移る方が多いでしょうし、条件がフィットするポジションも自ずと最低限どちらかがフィットするものが多くなるはずです。

この点公務員は、市役所から県庁へ、県庁から市役所へ、経産省から国交省へ…といった公務員内での転職でない限り、基本的にすべての業種が未経験となります。

【理由①】公務員相手の仕事がある

さて、大前提の部分をお読みいただいたうえで、なぜ公務員がコンサルティングファームやシンクタンクに行きがちなのか?
について具体的な理由を書いていきます。

一つ目は、コンサルファームやシンクタンクには、公務員=公共部門を相手にする専門の部署や部門があることが大きな理由だと思っています。
民間企業にお勤めの方にはイメージが湧きにくいかもしれませんが…
自治体や中央官庁は、何か特定の分野で方針や戦略を打ち出そうとしたとき、(一応)ちゃんと下調べをして、お勉強しようとします。
例えば

  • わが県の魅力度をアップさせるために、観光客に刺さる地域づくりをしていきたいが、何からどうやって手を付けていくべきだろうか…

  • 企業本社の誘致に取り組んでいきたいが、潜在的にわが県に来てくれそうな業界や業種はどういったところがあるのだろうか…

  • 政府として半導体産業の育成に注力して国際競争力を高めていきたいが、まずは海外でどのような政策が打たれているか調べたい…

などなど、自治体や中央官庁(以下、「役所」)は日々世の中の課題に向き合いながら、時に外部のコンサルタントやシンクタンクの知恵をお借りして政策を立案しています。

ということは、
裏を返せば、自分が役所で担当していた政策分野に関するコンサルティングを提供しているファームやシンクタンクであれば、役所での業務にフィットするポジションがあるということになります。

発注側と受注側で立場が逆にはなりますが、基本的にコンサルの皆様と一緒に政策を作り上げてきたという観点で同じような仕事をしていたという見方もできます。

ということで理由の1つ目は、
コンサルティングファームやシンクタンクには役所のカウンターパートになるポジションがある
でした。

【理由②】頭の使い方が似ている

2つ目は、公務員とコンサルのお仕事とで、意外と頭の使い方が似ているという点だと思っています。
役所では、自分たちの所管地域や分野の成長、問題解決のために、
日々現状を分析し、あるべき姿・目指したい姿を掲げ、それに向けてどのような政策を打っていくべきか…ということに頭を悩ませています。

「役人は本当にそんなに真面目に考えているのか!?」

とクレームが飛んできそうではありますが、政治的な流れや税収面での限界、単年度主義、前例主義など…様々なしがらみの中でなかなか実行できずに国民、市民の皆様に歯がゆい思いをさせてしまっていることは重々承知ですが、上記のように日々頭を悩ませていることだけは事実です(でした)のでどうかご容赦ください…mm

さて本題に戻りますが、
日々現状を分析し、あるべき姿・目指したい姿を掲げ、それに向けてどのような政策を打っていくべきか…ということに頭を悩ませ…

本見出し冒頭

これってコンサルタントの方のお仕事に似ていませんか?
立場であったり、最後実行する部分まで担う当事者であることを除き、仕事のあるフェーズでやっていることには非常に親和性があると思っています。

ですので形式上「未経験」ということにはなりますが、
公務員はコンサルの方々と似たような頭の使い方をするお仕事がけっこうある
すなわち「頭の使い方が似ている」

という点が理由の2つめになります。

【理由③】いろんな意味でちょうどいい(急にすごいふんわり)

最後3つ目の理由のところで急にふんわりした見出しになりましたが、
グダグダ前置きせず「色々」をいろいろ書き出してみたいと思います。←いろいろ言い過ぎ

  1. (公務員は)現職の給料が高くも安くもない

  2. 役所によっては(主に中央官庁)、残業への耐性がある人が多い

  3. (公務員は)全体的に高学歴

  4. (公務員は)勉強熱心

  5. けっこう英語できる人がいる(一部の官庁や部署によるが)

…と、
もう少しじっくり考えれば色々思い付くかもしれませんが、
総論として、人材の入れ替わりが激しくかつ比較的給与水準の高いコンサルファーム側の立場に立つと、上記のような条件が採用に際して良い意味で「ちょうどいい」のではないかと思います。

例えば1でいうと、
「潜在能力的には良さそうだが、さすがに完全に経験者扱いはできない…」というステータスで、現職の給与水準も高いと、やはり求職者側は現状よりも給与が下がることは相当な覚悟やメリットがない限り受け入れがたいはずです。
この点「現職の給与が高すぎない」ということが採用側から見たひとつのメリットになります。

2.3.5あたりは割愛しますが、

4はコンサルファームやシンクタンクで働くうえで重要なスタンスだと思います。
自分の専門が分野がある程度あったとしても、ファームやシンクタンクは日々クライアントが抱える様々な課題についてソリューションを考え出す必要があり、案件ごとに様々なことを日々勉強してキャッチアップしていかなければならないずです。
この点、産業政策をやっていたと思ったら社会福祉に…と様々な分野の部署を渡り歩きながらキャリアを積み上げる公務員の勉強熱心さはコンサルファームやシンクタンクでも必須のスタンスのはずです。


以上が、私が考える
「なぜ公務員がコンサルティングファームやシンクタンクに行きがちなのか?」
に対する答えになります。

次回は、「公務員がコンサルに行くことの是非」
といった切り口で書いてみたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

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