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【公務員の転職】~なぜコンサルではなく事業会社を選んだか~

こんにちは。
前回の投稿では、
公務員から民間企業に転職する人はなぜコンサルティングファームやシンクタンクに行きがちなのか?
について書きました。

今回の記事では、そんな中で私はなぜコンサルに行かなかったのかについて書きたいと思います。
実は私自身、いわゆるBIG4と呼ばれるようなところも含め、いくつかコンサルティングファームにも応募し、内定もいただきましたが、最終的に現在勤務している事業会社に行くことを決めました。

もちろん「コンサルか事業会社か」という以上に
「この会社だから決めた」という部分もありますが、
今回はそのあたりの要素は一旦脇において、
コンサルと事業会社という切り口で私が現職を選択した理由を書いてみたいと思います。

それでは早速…!

【理由①】ワークライフバランス

一つ目は、見出しのとおり、読んで字のごとく「ワークライフバランス」です。
中央官庁に勤めていた時代も、相当な量の残業が慢性化していたので、残業自体にそこまで過敏になっていたわけではありませんが(むしろコンサルならそれ以上に年収が大幅アップしそう)、
子どもが生まれたばかりで、
更になれない会社でそれなりの量の残業をすることは、
果たして自分が転職(公務員を辞める)を決意した本懐に沿うのだろうか?
という疑問がありました。
もちろん無法地帯となっている中央官庁よりは余程コンサルファームの方がしっかり労務管理がなされていると思いますし、ある程度それに見合う年収が支払われていることと思いますが、
いわゆるBIG4のようなファームに勤める友人から実情を聞く限り、少なくとも今回の転職でコンサルファームに行くことは自分の本懐ではないと判断しました。
※友人から聞いた実情はここでは割愛します(また別の機会に)。

【理由②】現職の延長から一歩踏み出す必要性

前回の記事で、「公務員とコンサルの仕事に親和性がある」という趣旨のことを書きましたが、2つ目の理由はまさにこれに関することです。
一見すると
「親和性があるのだから転職後もスムーズにオンボーディングできそうで良いじゃないか」
と思われるかもしれませんが、裏を返せば現職の延長になりかねないとも言えます。
どういうことかと申しますと、
例えばコンサルファームで公共政策に関する調査や戦略立案のお手伝いをする部門に配属された場合、立場こそ変わりますがやっていることは基本的に同じですよね…?
そうすると、もし「その次の転職」まで考えたときに、
あなたの手札は公共政策×コンサルの2枚となり、新たに増えたカードは「コンサル」だけです。
※厳密にはもう少しいろいろあるかもしれませんが、誤解を恐れずわかりやすさ重視で。
もちろん1枚増でも貴重ですし、大変な苦労が伴うことですが、
ちょっとコスパが悪い気がしませんか…?

要するに、せっかく苦労して、勇気を出して民間でのキャリアをスタートさせるのであれば、もっとお得に自分のカードを増やしたい。
と私は考えました。

※コンサルって、事業会社経験したあとでも入れそうですし(小声)

【理由③】更に長期的視野で~当事者意識と意思決定に対する覚悟~

【理由②】の発想ともオーバーラップしますが、3つ目の理由は案件への関わり方です。
コンサルの方にいろいろとお仕事をお願いした経験がある方はピンと来るかもしれませんが、
コンサルファームの方は良くも悪くも扱っている案件や課題に対して本当の意味で当事者ではない
のです。

例えば
「某自動車会社のサプライチェーン戦略を抜本的に見直す」
という案件があったとします。
この仕事を依頼されたコンサルタントの方々は、彼らの優れた頭脳と情報を武器に、業界の動向や周辺産業の状況、競合の事例などを分析しながらこの自動車会社のQCDが最適化する「あるべきサプライチェーンの姿」を提示してくれるでしょう。
そしてその「あるべき姿」を納品してもらった自動車会社は、それをそのまま実行し、QCDが大幅に改善し、業績も右肩上がりで万々歳…!

……なんてことには現実なりませんよね…?

何が言いたいかというと、


世の中にある問題や課題を解決するのに一番大変なことは、
「あるべき姿=理想」を正確に描いたうえで、
現実の様々な制約やしがらみの中で落としどころを見つけながらどこまで理想に近づけられるか、実行していくところにある。
と私は思っています。

この観点で、事業会社内の当事者として課題に向き合い、社内のいろんな関係者や決裁者との調整を進めながら、落としどころを見つけ、現実に課題を解決していく…という経験がコンサルファームでは得にくいのではないか?
というのが私の考えでした。

事業会社の中でそれを、当事者意識と意思決定に対する覚悟が伴う形で経験しておく方が転職のさらにその先の自分のキャリアにとって、長期的に見たときにメリットが大きいと判断しました。

※そして事業会社に未経験で入社するにはある程度若いうちでないと厳しそう…。

転職の目的に立ち返る

ここまで、私がなぜコンサルに行かなかったかについて3つの理由をあげて書いてきましたが、なにも
「最初の転職はコンサルじゃなくて事業会社に行け!」
と言いたい訳ではなく、
ご自身がその転職で何を得たいのか、目的を明確にしたうえでそれに沿う選択をすることが大事であるということがお伝えできればと思いました。

例えば私の場合は、

  • 時給を上げたい。※労働時間を圧縮したい。ただし年収は最低現職以上…

  • 現職よりもプライベートを大事にできる

  • 転職後のキャリアも見据えて選択肢を広げたい

という3つが大きなポイントだったので、事業会社に行くことを選びましたが、

  • とにかく年収を上げたい

  • 外資系に行って海外の人と働きたい

  • コンサルとしてのキャリアを築いていきたい

といった方であればもちろんコンサルファームに行くべきだと思います。

ですので、転職、特に初めての転職の場合には、
ご自身が今の仕事を辞めて、環境を変えて、得たいもの、成し遂げたいことは何なのか?
ということにしっかり向き合ったうえで転職活動に励まれることをお勧めします。

今回もご覧いただきありがとうございました。
また次回の投稿も是非ご覧いただければと思います。

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