石巻復活には何が必要か

今全国の地方都市がどこも衰退に直面しているんですが、その中では石巻は非常に条件が良い町です。他の方も指摘された通り、国際航路の大型船が入れる港湾があり、そのため輸出入に関わる企業は石巻港を利用するために石巻に工場を置く。原料を船で輸入し、清貧も船で海外に輸出するから。こんな財産を持ってる地方都市って、なかなか無いです。


それにもう一つ、石巻の人は余所者扱いに慣れている。え?石巻人って余所者排除するよね、と言う人は多いでしょうが、そうじゃない。農村地帯とか行ってご覧なさい。ああいうところはそもそも余所者がめったに来ない。だから余所者が来ると黒船襲来みたいなことになっちゃう。しかし石巻は余所者が環流することで成り立っている町です。外からの人の出入りがあることが石巻という町にとって必須の条件なのです。だから石巻の人は他の地方都市の住民に比べると「余所者あしらい」は上手い。よその人が来て、何か仕事して地元にお金を落としてくれるというのをよく分かっている人々です。もっともそれは余所者があくまで余所者である間だけであって、余所者が石巻市民の生活空間に入ってくると態度が一変するのは事実ですが。しかしそうであっても、「余所者扱いを心得ている」というのは発展出来る条件の1つなのです。


これだけ発展出来る条件がある都市の人口が10年あまりで16万から3万に減っているというのは、かなり異例なことです。本来なら生き残り競争に勝ち抜けるはずの町の人口がこれだけ急激に減少している。無論大震災はあった。しかし震災そのもので亡くなられた市民は2000人前後。そしてその後復興のため莫大な金が石巻に降った。それでも人口が16万から13万に減ってしまった。文字通り「急激に減少している」。
これは絶対、何か発想の転換が必要なんです。外資(海外だけじゃ無く、石巻の外からの資本も含めて)を呼び込むにも、また自力を付けるにも、絶対発想の転換が必要だ。そして私が覧るところ、転換すべき発想の1つは「労働者を大事にする」事であるのは間違いないです。


今日本全国が深刻な労働者不足です。でも日本の労働者不足はどこか変なのです。普通労働者が足らなくなれば賃金上げる、待遇を良くするはずです。経済の基本原理としてはそのはずです。ところが今日本で起きている労働者不足は、「賃金低い、待遇悪い条件で働いてくれる労働者が不足している」って言うものです。働き手は欲しいが賃金は上げられない、労働環境は厳しいし労働者への理解も敬意も無い。そういう条件で働いてくれる労働者が足りないって、そりゃ足りないに決まってます。そんな虫が良い、あるいは図々しい話は無いわけだ。


今日本全国がそれやってるんですから、石巻は人を大事にすれば良い。労働者を大事にすればいい。それ1つだけで全国諸都市から一歩抜け出せます。もちろん、言うは易く行うは難しです。しかしこれは多分、石巻が持っている潜在的ポテンシャルを考慮すれば、今真っ先にやるべき事、そしてこれ1つやるだけで相当の効果が上がることだと考えています。

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