アメリカのオンライン授業① 移行までの経緯
こんにちは。わたしはアメリカの大学で、社会科学系の授業を教えています。コロナウイルスの影響を受けて、春学期からはオンラインで授業をおこなっています。
日本でもオンライン授業への移行が現実味を帯びてきました。
対面での授業から、オンラインでの授業に変わるとはどういうことなのか。
日本でオンライン移行に取り組まれている皆さん、そして学生の皆さんに、何かしらお役に立てたらと思い、米国で教える側の視点から、わたしの経験を書いていきたいと思います。
米国シカゴの場合
まずは、わたしの所属する米国の大学が、オンラインでの授業に切り替わるまでの経緯について、お話ししたいと思います。
わたしの所属する大学は、クオーター制(3学期制)を採用しています。
ちょうど冬学期最後の授業が行われていた週でした。
それまで、普通に授業をおこない、同僚とランチをしていた私たちですが、
突然、事態が変わり始めました。
オンライン授業への移行を宣言
東海岸のアイビーリーグと言われる名門大学が先駆けとなり、オンライン授業への移行が宣言されると、
わたしの大学も、数日遅れで、春学期はリモート(遠隔)で授業をするとの決定がありました。
期末試験期間に入る直前でした。
このあたりから、シカゴの街では買い占めが一気に始まり、みるみるうちにスーパーの棚から商品が消えました。
翌週、3月9日(月)には、シカゴのあるイリノイ州で非常事態宣言が出されました。
その日の新たな感染者数は4名、感染者の合計が11名の段階でした。
キャンパスの閉鎖
学部生は、期末試験が終わったら、すぐ寮を退去するように通達され、
期末試験のさなか、数日後に迫った引越しの準備までしなければいけない、大変な状況に放り出されました。
教職員の多くは、学部生への負担を考え、期末試験を取りやめたり、任意にしたり、締め切りを延ばすなどして対応しました。
キャンパス内で生活をしていない大学院生も教職員も、大学の建物へのアクセスを徐々に制限され、
最終的には、一部のスタッフとコロナウイルスに関する研究を行なっているラボの関係者をのぞいて、大学の施設に入れなくなりました。
こうして、キャンパスは事実上閉鎖されました。
そして、大学は春休みに入りました。
次回からは、オンライン授業移行に向けた、教職員の葛藤や取り組みについて、お話しします。
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